最強のクッション性!NB最速 FuelCell RC ELITE v2 レビュー
ニューバランス最速のマラソンシューズであるFuelCell RC ELITE v2について、初代モデルやナイキのヴェイパーフライと比較しながらレビューします。
全体レビュー
本記事では、商品に関する画像はNew Bakance公式HPより引用しています。
ニューバランス最速のマラソンシューズであるFuelCell RC ELITEの2代目モデルです。Amazonや楽天市場では、v2がついていない場合もあります。
一番の特徴は、他の厚底カーボンシューズ(ヴェイパーフライなど)と比べて圧倒的にクッション性が高いことです。さらに、カーボンプレート特有のクセがほとんどないことも大きな特徴です。
ミッドソールに使用されているFuelCellがすごくもちもちしていて、触っただけでクッション性の高さが分かると思います。フルマラソン用のシューズとして考えてもクッション性が高過ぎるくらいに感じられます。
クッション性が高いだけでなく、反発力もかなり感じられました。FuelCellだけだと反発力が分散されてしまうのを、フルレングスのカーボンプレートによって効率良く推進力に変えているようなイメージです。
初代モデル(v1)との違い
写真はRC ELITE v2
初代モデル(以降v1)からアップデートされたv2では、厚さが32mmから39mmになったことで更にクッション性と反発力が増しました。
39mmという厚さは規定(40mm)ギリギリの厚さで、ヴェイパーフライ(NIKE)やアディオスプロ2.0(Adidas)と同等の厚さです。
また、ソールを厚くしたことでカーボンプレートの傾斜が大きくなりました。これにより、蹴りだしの力を効率良く推進力に変える(力を分散させない)ことができます。
このようにv1と比べるとクッション性と反発力は増していますが、重量は10gほど増加しています。
ただし、v2ではクッション性が増したことで足が残るようになるため、距離が長くなるほどv1よりもv2の方が有利になります。
(左)RC ELITE v1 (右)RC ELITE v2
アウトソールも大きく変わりました。v1は厚底シューズとしては珍しく、アウトソールにグリップ(DYNARIDE)がついています。
DYNARIDEは、女子3000mで日本新記録を樹立したFuelCell 5280にも採用されています。大雨の日にトラックで使用したことがありますが、キロ3ペースまで上げても全く滑りませんでした。
写真(左側)は50kmほど使用した状態のものですが、今のところDYNARIDEはほとんど摩耗していません。
これはミッドソールのFuelCellが柔らかく、蹴りだした瞬間にDYNARIDEがミッドソールに入り込むためだと考えられます。他の厚底シューズと異なりグリップを採用した理由はこのためだと思います。
一方v2ではDYNARIDEは廃止されて通常のラバーになりました。理由は耐久性を上げるためだと思います。他にも、ロードでの使用ではDYNARIDEはオーバースペックだった可能性も考えられます。
ヴェイパーフライとの違い
同じ厚底カーボンシューズであるナイキのヴェイパーフライ Next% 2との比較を行います。
ヴェイパーフライのミッドソールはZoomXが使用されています。やや硬めの素材で、軽量性と反発力に優れています。
一方、RC ELITE v2で使用されているFuelCellは、ZoomXよりも柔らかくもちもちとした感触の素材です。
FuelCellはZoomXよりも沈み込みが大きいため、蹴り出し後の応答性はZoomXの方が高いです。
また密度はFuelCellよりもZoomXの方が低いため、重量(27.0cm)はヴェイパーフライが198g、RC ELITE v2が220gとなっています。
RC ELITE v2のほうが優れているのはクッション性とクセの少なさです。
ヴェイパーフライは前のめりになるような感覚があるため、遅いペースではフォームが崩れてしまいます。
それに対してRC ELITE v2はクセが少ないためペースが落ちても違和感なく走れます。さらにアッパーがヴェイパーフライよりも広く締めつけがキツくないため、長時間快適に走ることができます。
以上より、ヴェイパーフライがサブ2〜サブ3レベル、FuelCell RC ELITE v2がサブ2.5〜サブ3.5レベルになると思います。
FuelCell TCとの違い
FuelCell RC ELITEには、トレーニング用モデルのFuelCell TCがあります。TCの方にもカーボンプレートが埋め込まれていて、ナイキのヴェイパーフライとズームフライのような関係といえます。
RC ELITEとTCの一番の違いは重量です。ニューバランスの公式HPには説明がありませんが、おそらくTCの方が密度が高いです。
このためTCの方が40gほど重いですが、沈み込みが少なく安定性が高くなっています。
さらに、アッパーはRC ELITEよりもしっかりとしたエンジニアードメッシュで耐久性が高められています。このため、練習での使用が適しているといえます。
FuelCell REBEL v2もおすすめ
FuelCell REBEL v2は、RC ELITE v2からカーボンプレートをなくしたようなシューズです。
厚さは29mmとRC ELITE v2よりも10mmほど薄いですが、カーボンプレートがない影響かRC ELITE v2よりもクッション性を感じます。
さらに、重量は204gとRC ELITE v2よりも15gほど軽いです。この軽さでクッション性が高いシューズはなかなかありません。
カーボンプレートがないとはいえ反発力もかなり感じられ、キロ4分を切るペースにも余裕で対応できます。
10000円を切る価格で購入できることも多いので、RC ELITE v2の練習用として持っておくのは全然ありだと思います。
関連記事
実際に走ってみました!
適正ペースは2'50"/km~5'00"/kmと幅広いです。インターバルやペース走で使用してみましたが、キロ3~キロ4ペースではいずれのペースでも反発の恩恵によってかなり楽に走ることができました。さらに、カーボンのクセがないためキロ5ペースでも快適に走ることができました。
ただし、2'50"/kmを切るくらいのペースになると重量と不安定さが気になり始めました。ミッドソールが柔らかすぎるため、がっつりスピードを出すのは厳しいです(そのような使い方はほとんどしないと思いますが)。
使用用途はハーフマラソン以上のレース or 距離走になると思います。フルマラソンであれば、サブ2.5~サブ3.5のランナーに適していると思います。