3分台ランナーによる!中距離(800m~1500m)おすすめのスパイク・シューズ15選!
2023/03/28
★2023/3/28更新:記事を一新しました★
中距離(800m~1500m)おすすめのスパイク・シューズを紹介します。陸上を始めたばかりの初心者から、1分台・3分台の選手が使用するスパイクまで幅広く紹介します。
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中距離用スパイクについて
中距離用スパイクの特徴

(上)エアズームヴィクトリー(2020年発売)、(下)ズームヴィクトリー3(2016年発売)
数年前まではズームヴィクトリー・マトゥンボ(Nike)のように、できるだけ軽量でシンプルな構成のスパイクが主流でした。
ただし最近はエネルギーリターンが重要視され、厚底レーシングシューズと同じフォーム材(ナイキならズームX)を搭載されたスパイクが増えてきています。
従来のスパイクよりも反発力が高まった上にクッション性も向上し、最後まで脚が残りやすくなりました。
短距離用スパイクと比べると、中距離用スパイクはスピードを数分間維持できるようにプレートの柔軟性が高く調整されています。
また、ミッド〜フォアフット走法で最も効率的になるように、長距離用スパイクと比べると前足部が厚く、または反り上がっていることが多いです。
スパイクとシューズどっちが良い?
ある程度の筋力がある選手なら、スパイクの方が反発力があるので、スパイクの方が速く走ることができます。
ただし、スパイクにはプレートが付いていて曲げ剛性が高いので、筋力(≒ある程度のスピード)がなければプレートを曲げることができず、浮いた走りになってしまいます。
また、無理に力を加えようとすることでフォームの崩れや怪我につながる恐れもあります。
そのため、陸上を始めたばかりの方は、シューズまたは土トラック兼用のエントリーモデル(アシックスのエフォートなど)で走ることをおすすめします。
ちなみに、陸上初心者の大定番はアシックスのソーティシリーズです。アシックスのシューズは日本人の足型に合うので、最初の1足として特におすすめです。
スパイク(タータン専用)
オールウェザートラック(タータン)専用の中距離スパイクを紹介します。土トラックでは使用できません。
エアズームヴィクトリー (Nike)

商品画像の引用元:nike.com
- 定価(税込):¥19,800
- ピン:6本
- 適正種目:800m~5000m
- 20mm以下:○
- 25mm以下:○
前足部にZoom Airが搭載されているのが特徴です。非常に反発力が高い上に脚も残りやすいです。
ただし、ミッドフット・フォアフット前提のため、ある程度のスピードで走らないと逆効果になる可能性もあります。
目安としては、4分10秒切りを目指せるくらいのレベルになれば使いこなせるようになると思います。
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ズームXドラゴンフライ (Nike)

商品画像の引用元:nike.com
- 定価(税込):¥18,150
- ピン:6本
- 適正種目:1500m~10000m
- 20mm以下:○
- 25mm以下:○
日本選手権5000m、10000mで大多数の選手が履いていたスパイクです。
エアズームヴィクトリーよりも長距離向けではありますが、東京五輪で優勝した選手が使用していて1500mでも十分使用可能です。私もドラゴンフライで自己ベスト(3分44秒)を出しました。
ミッドソールにはヴェイパーフライと同じZoomXが使用されていて、エネルギーリターンを重視した作りになっています。
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【NIKE】ドラゴンフライ レビュー│中距離ランナーが使用した感触
ナイキの1500m〜10000m用スパイクであるズームXドラゴンフライのレビューをします。エアズームヴィクトリーとの比較も行います。
メタスピードLD LE (Asics)
- 定価(税込):¥25,000
- ピン:4本
- 適正種目:5000m~10000m
- 20mm以下:×
- 25mm以下:○
軽量・高反発のフォーム材であるFF Blast Turboとカーボンプレートにより反発力を高めたモデル。
ピンレスが特徴のメタスピードLDにピンを4本配置した構成ですが、1500mではグリップ力が高いLD LE(ピンあり)の方がおすすめ。
適正種目は5000m~10000m用とされていますが、1500mでも3分50秒くらいまでなら十分に性能を発揮できると思います。
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コスモレーサーMD2 (Asics)
- 定価(税込):¥19,800
- ピン:5本
- 適正種目:400m~1500m
- 20mm以下:○
- 25mm以下:○
私が初めて3分50秒を切ったときのシリーズです(当時はMD Japanというモデルでした)。
2015年から続いているシリーズなので、現在開発中のメタスピードMD(厚底スパイク)に置き換わる可能性があります。
FuelCell MD-X (NB)
- 定価(税込):¥26,400
- ピン:6本
- 適正種目:800m~5000m
- 20mm以下:○
- 25mm以下:○
田中希実選手着用モデル。反発力に優れたFuelCellフォームにカーボンプレートを組み合わせた構成。ソールは厚すぎず(13.8mm)、接地感が得られるのが特徴です。
海外ではPebaxプレートを搭載したMD 800v8というモデルもありますが、日本では未発売です(MD-Xの方がエリート向け)。
エックスストリームMD (Mizuno)
- 定価(税込):¥24,200
- ピン:6本
- 適正種目:800m~1500m
- 20mm以下:○
- 25mm以下:○
ミズノから久々(?)の中距離特化のスパイク。軽くて反発力に優れたミズノエナジーライトの周りに硬めのEVAフォームを配置し、反発力と安定性を両立しています。
ソール形状は短距離モデルのエックスブラストNEOと全く同じですが、柔軟性を高く調整しています。
アディゼロアンビション (Adidas)
- 定価(税込):¥16,000
- ピン:5本
- 適正種目:800m~1500m
- 20mm以下:○
- 25mm以下:○
前足部に分厚いLightstrike Proが搭載され、ミッド〜フォアフット走法で大きな反発力が得られます。東京五輪で使用している選手も何人か見られました。
フォアフットが苦手な方は、長距離モデルのアディゼロアバンチTYOが選択肢になります。女子100mHで世界記録を樹立したスパイクなので、中距離でも通用すると思います。
Elmn8 7 (Brooks)
- 定価(税込):¥31,900
- ピン:6本
- 適正種目:400m~1600m
- 20mm以下:○
- 25mm以下:○
読み方はエリミネート7。日本でも人気が高まり大型店舗で見かけるようになってきましたが、それでも取扱数が少ないためか価格は高めです(海外では$180で販売)。
窒素ガスを注入しクッション性を高めたミッドソールにカーボンプレートを内蔵した構成で、アウトソールのプレートは従来から20%軽量化されました。
スパイク (土トラック兼用)
土トラックや校庭でもスパイクを使用する場合におすすめです。オールウェザートラック(タータン)で使用する場合は別途購入しピンを付け替える必要があります。
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エフォート13 (Asics)
- 定価(税込):10,700円
- ピン:7本
- 適正種目:全種目
- 20mm以下:○
- 25mm以下:○
陸上部(特に中学生)の最初のスパイクの王道モデルです。全種目に対応しているため、種目を迷っている学生にもおすすめです。
アウトソール前足部に設けられたプレートのリブ形状で安定性がサポートされ、後足部には耐摩耗性に優れたAharPlusが設けられています。
ヒートフラット12 (Asics)
- 定価(税込):14,000円
- ピン:7本
- 適正種目:100m~1500m
- 20mm以下:○
- 25mm以下:○
先ほど紹介したエフォートよりもプレートの範囲が広く反発力を重視したモデル。アシックス公式ではエフォートの次のステップとして紹介されています。
似たモデルにヒートスプリント13(短距離向けモデル)がありますが、ヒートフラット12よりも5mm薄くてダイレクトな接地感が特徴です。
エックスファースト2 (Mizuno)
- 定価(税込):11,000円
- ピン:7本
- 適正種目:全種目
- 20mm以下:○
- 25mm以下:○
ミズノの土トラック兼用のスパイクといえばブレイブウィングでしたが、2022年よりエックスファーストにモデルチェンジしました。
ファーストという名前の通り、陸上を始めた学生の最初の1足としておすすめです。アシックスのエフォートと同じ位置付けです。
エックススピリット (Mizuno)
- 定価(税込):14,300円
- ピン:7本
- 適正種目:全種目
- 20mm以下:○
- 25mm以下:○
エックスファーストの次のステップに位置するモデル。アシックスのヒートフラットと同じような位置付けです。
エックスファーストよりグリップ力が高く、マジックテープの固定が追加されています。
シューズ
ソーティマジックRP6 (Asics)
- 定価(税込):16,500円
- 適正種目:800m~10000m
- 20mm以下:×
- 25mm以下:○
中学生、高校生大定番のシューズです。陸上を初めたばかりでレース用シューズに迷っても、とりあえずソーティを買っておけば問題ないです。
1500mのレースにシューズで出場している選手の半分以上がソーティだと思います。私も4分10秒まではソーティを履いていました。
ソーティマジックにはRPとLTがありますが、RPの方が反発力があってレース向きです。
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HANZO W / HANZO R (NB)
- 定価(税込):16,500円
- 適正種目:800m~10000m
- 20mm以下:×
- 25mm以下:○
HANZO(ハンゾー)はソーティの次に多いイメージがあります。ニューバランスは海外のメーカーですが、HANZOは日本限定モデルなので日本人に合ったシューズとなっています。
HANZO WとRの違いはミッドソールの厚さで、Rの方が厚めになっています。そのため、練習でも何回も使用する場合はHANZO Rを選んだ方が良いと思います。
ちなみに、HANZO Uは25mmを超えていて、800m以上のトラックレースでは失格となる可能性があるので注意です。
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ウエーブデュエルPRO QTR (Mizuno)
- 定価(税込):20,900円
- 適正種目:800m~5000m
- 20mm以下:×
- 25mm以下:○
後足部がカットされた特殊な形状で、後足部よりも前足部の方が厚いです。普段履きとしては使えません。
ミッドソールには軽量性と反発力に優れたミズノエナジーライトが使用され、カーボン強化のナイロンプレートが内蔵されています。
【番外編】日本未発売モデル
Cloudspike 1500m (On)

商品画像の引用元:on-running.com
- 定価(税込):$149.99
- ピン:5本
- 適正種目:800m~1500m
- 20mm以下:○
- 25mm以下:○
グラスファイバー/ナイロンをブレンドしたSpeedboard(プレート)と、前足部のCloudエレメントによって反発力が得られる構造。
2023年4月現在、日本でも一部のトップ選手が着用し始めていますが、ピンの数が6本のためCloudspike 10000mを使用していると思われます。
Endorphin Cheetah (Saucony)

商品画像の引用元:saucony.com
- 定価(税込):$180
- ピン:6本
- 適正種目:800m~1500m
- 20mm以下:○
- 25mm以下:○
読み方はエンドルフィンチーター。マラソン用のエンドルフィンエリートと同じフォーム材であるPWRRUN HGにカーボンプレートを内蔵した構成です。
硬めのカーボンプレートにSpeedrollテクノロジーを取り入れ、転がるように推進力が得られるのが特徴です。
Cielo X 2 MD (HOKA)

商品画像の引用元:hoka.com
- 定価(税込):$160
- ピン:6本
- 適正種目:800m~3000m
- 20mm以下:○
- 25mm以下:○
超臨界発泡プロセスを用いて成形した軽量なミッドソールにカーボンプレートを内蔵した構成です。
また、アウトソールにはフルレングスのPebaxプレートが配置されており、ELMN8 7(Brooks)の構造に似ています。