【2023版】各社最速の厚底カーボンシューズ12足まとめ
2022/07/20
★2023/1/7更新:ウエーブリベリオンPRO(Mizuno)を追加しました★
各社最速(サブ3おすすめ)の厚底カーボンシューズ12足をまとめました。本記事で紹介しているシューズは全て25mm以上40mm以下なので、公認のレースではロードのみ使用可能(トラックは不可)です。
目次
- 1 厚底シューズのメリット
- 2 厚底シューズのデメリット
- 3 比較表
- 4 各社最速12足まとめ
- 4.1 ヴェイパーフライNext%2 (NIKE)
- 4.2 アルファフライNext%2 (NIKE)
- 4.3 メタスピードスカイ+ (Asics)
- 4.4 メタスピードエッジ+ (Asics)
- 4.5 アディゼロアディオスPro3 (Adidas)
- 4.6 FuelCell RC Elite v2 (New Balance)
- 4.7 ウエーブリベリオンPRO (Mizuno)
- 4.8 ロケットX (HOKA)
- 4.9 Cloudboom Echo (On)
- 4.10 エンドルフィンプロ3 (Saucony)
- 4.11 ハイペリオンエリート3 (Brooks)
- 4.12 Fast-R Nitro Elite (Puma)
厚底シューズのメリット
厚底カーボンシューズのメリットは、ランニングエコノミー(走行効率性)を高めることができる点です。
軽くて弾力性のあるフォーム材とカーボンプレート組み合わせることで、クッション性と安定性を維持したまま高いエネルギーリターンを実現できます。
ナイキの初代厚底カーボンシューズであるヴェイパーフライ4%の数字は、当時のナイキ最速シューズ(ズームストリーク6)と比べてエネルギーエコノミーを4%改善したことを示しています。
ただし、これはタイムが4%縮まる訳ではありません。前に進むためのエネルギーは、速度が上がるほど(空気抵抗が高くなるなどの影響で)曲線的に増えていくためです。
仮に4%タイムが縮まるとすると、ヴェイパーフライ4%発売前のフルマラソン日本記録である2時間06分16秒は、2時間01分13秒になってしまいます。
東京マラソンの上位選手の記録は当時から2分程度速くなっているので、これが全てシューズのおかげだとすると1.5%程度のタイム向上となります(それでもすごい値です)。
厚底シューズのデメリット
厚底カーボンシューズのデメリットはお金がかかることです。定価は安くても20,000円を超え、高いモデルは30,000円を超えます。
さらに、軽量なフォーム材を使用しているため、へたりやすく耐久性が低いです。このため、1km走行辺りの値段で考えるとコストパフォーマンスが悪いです。
他には、フォーム材が柔らかいため安定性が高くないこともデメリットです。特にペースが遅い場合は横にブレやすく、無理に力が入り怪我につながることもあります。
それだけでなく、ペースが遅いと反発力に対して推進力が小さいため、浮いたような走りになりシューズの性能を十分に引き出せない可能性もあります。
また、厚底シューズばかり使用していると、本来ランニングで鍛えるべき筋力・神経系の向上が薄れる恐れもあります。
このように何点かデメリットもあるため、購入したいシューズが自分にとって値段相応の価値があるか見極めることも大切です。
比較表
メーカー | 定価(税込) | 重量 | 厚さ | ドロップ | |
---|---|---|---|---|---|
Vaporfly Next% 2 | NIKE | ¥26,950 | 196g | 39.5mm | 8mm |
Alphafly Next% 2 | NIKE | ¥31,900 | 232g | 40mm | 8mm |
Metaspeed Sky+ | Asics | ¥27,500 | 205g | 39mm | 5mm |
Metaspeed Edge+ | Asics | ¥27,500 | 210g | 39mm | 8mm |
Adizero Adios Pro 3 | Adidas | ¥26,400 | 215g | 39.5mm | 6.5mm |
FuelCell RC Elite v2 | New Balance | ¥28,600 | 221g | 39mm | 8mm |
Wave Rebellion Pro | Mizuno | ¥24,200 | 215g | 39mm | 6mm |
Rocket X | HOKA | ¥24,200 | 210g | 35mm | 5mm |
Cloudboom Echo | On | ¥29,480 | 220g | 35mm | 9mm |
Endorphin Pro 3 | Saucony | ¥26,400 | 204g | 39.5mm | 8mm |
Hyperion Elite 3 | Brooks | ¥29,700 | 230g | 35mm | 8mm |
Fast-R Nitro Elite | Puma | ¥27,500 | 194g | 37.5mm | 9mm |
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2023年現在、国内のシェアはナイキが1番高く、続いてアシックス、アディダスの順に高いと感じます。トップランナーの大半はこの3社で占められています。
次に高いのがニューバランス、ホカオネオネあたりです。最近はOn(オン)のシェアも高くなりつつあります。
サッカニー、ブルックス、プーマは国内で扱う店舗が少ない(実績も少ない)こともあり、履いている方は多くありません。
各社最速12足まとめ
ヴェイパーフライNext%2 (NIKE)
- 定価(税込): ¥26,950
- 重量: 196g(27.0cm)
- 厚さ: 39.5mm
- ドロップ: 8mm
- ミッドソール: ZoomX
厚底カーボンシューズの王道。多くのトップランナーが使用。
初代モデルからのアップデート内容はアッパーのみで、軽量性と撥水性に優れたヴェイパーウィーブから、通気性と快適性に優れたメッシュアッパーに変更された。また、3000円以上安くなり買いやすくなった。
アルファフライNext%2 (NIKE)
- 定価(税込): ¥31,900
- 重量: 232g(27.0cm)
- 厚さ: 40mm
- ドロップ: 8mm
- ミッドソール: ZoomX + Zoom Air
東京マラソン2021でキプチョゲ選手が着用していたモデル。ヴェイパーフライNext%よりも30g程重いが、エネルギーリターン(反発力)が非常に高い。
2代目となる今作ではZoom Airの下にフォーム材を追加し、安定感のある体重移動を可能とした。前作はトップランナーに焦点を当てていたが、今作では全てのランナーのパフォーマンスが上がるように設計されている。
メタスピードスカイ+ (Asics)
- 定価(税込): ¥27,500
- 重量: 205g(27.0cm)
- 厚さ: 39mm
- ドロップ: 5mm
- ミッドソール: FF Blast Turbo
2021年後半頃から実績が増え始め、トップランナーの着用率が高まっている。日本ではナイキに次いで人気。的確な例えではないかもしれないが、スカイ+がアルファフライ、エッジ+がヴェイパーフライに近いイメージ。
初代モデルよりもフォーム材を4%増量し、カーボンプレートの傾斜が緩くなったことが変更点。このため、ある程度のスピード(~キロ4が目安)で走らないと上に跳ねてしまうので注意。
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メタスピードエッジ+ (Asics)
- 定価(税込): ¥27,500
- 重量: 210g(27.0cm)
- 厚さ: 39mm
- ドロップ: 8mm
- ミッドソール: FF Blast Turbo
前作よりも4mm厚く、フォーム材が16%増量された。また、カーボンプレートは地面に近くなり、フォーム材からの反発力をより得られるようになった。
これらの変更でヴェイパーフライ(NIKE)の感覚に近くなった。このためか、初代モデルはスカイの方が人気だったが、2代目ではエッジ+を選択するランナーが増えている。
アディゼロアディオスPro3 (Adidas)
- 定価(税込): ¥26,400
- 重量: 215g(27.0cm)
- 厚さ: 39.5mm
- ドロップ: 6.5mm
- ミッドソール: Lightstrike Pro
カーボンはプレート形状ではなく、5本指形状のエナジーロッド2.0を採用。前作では前足部に5本別々に配置されていたが、今作では足裏全体に一体となって配置されている。
ベルリンマラソン・ボストンマラソン・ニューヨークシティマラソンなど、多くの主要な大会で優勝者が着用していた実績があり、今作も期待できる。
FuelCell RC Elite v2 (New Balance)
- 定価(税込): ¥28,600
- 重量: 221g(27.0cm)
- 厚さ: 39mm
- ドロップ: 8mm
- ミッドソール: FuelCell
ミッドソールのFuelcellはもちもちとしていて弾むような感覚が特徴。
クッション性が非常に高く、カーボンプレート特有のクセが少ない。キロ5分半(5'30"/km)くらいまでなら対応できるため中級者にもおすすめ。
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ウエーブリベリオンPRO (Mizuno)
- 定価(税込): ¥24,200
- 重量: 215g(27.0cm)
- 厚さ: 39mm
- ドロップ: 6mm
- ミッドソール: Mizuno Energy Lite Plus + Mizuno Energy Lite
フォアフット走法をサポートするソール形状が特徴。エリート向けの厚底シューズがない状況が続いていたが、2023年に入りようやく発売された。
新素材のミズノライトエナジー+という軽量のフォーム材を使用し、カーボン配合のナイロンプレートを内蔵。
ロケットX (HOKA)
- 定価(税込): ¥24,200
- 重量: 210g(27.0cm)
- 厚さ: 35mm
- ドロップ: 5mm
- ミッドソール: EVA
ミッドソールは硬めで沈み込みが少ない。さらにフラットソールで安定性が高いため、トレーニングにも最適。
カーボンX3という似たモデルがあるが、ロケットXの方が軽量で幅が狭くスピードが出しやすい。一方、カーボンX3はサポート力が高いため万人向けといえる。
Cloudboom Echo (On)
- 定価(税込): ¥29,480
- 重量: 220g(27.0cm)
- 厚さ: 35mm
- ドロップ: 9mm
- ミッドソール: Helion
Cloudtecがスピードボード(カーボンプレート)を挟んで2層に分かれているのが特徴。
かかと接地になったしても適度な反発力が得られ、さらにロッカー形状により足が前に進むように設計されている。厚底シューズとしてはソールは硬めだが、反発力が強すぎないため足は残りやすい印象。
エンドルフィンプロ3 (Saucony)
- 定価(税込): ¥26,400
- 重量: 204g(27.0cm)
- 厚さ: 39.5mm
- ドロップ: 8mm
- ミッドソール: PWRRUN PB
日本ではABCマートなど数店舗しか扱っていないため知名度は低いが、海外では人気が高い。
前作よりも4mm厚い39.5mmとなりクッション性と反発力が向上した。さらに、アウトソールを薄くすることで約10g軽量化された。
ハイペリオンエリート3 (Brooks)
- 定価(税込): ¥29,700
- 重量: 230g(27.0cm)
- 厚さ: 35mm
- ドロップ: 8mm
- ミッドソール: DNA FLASH
ミッドソールのDNA FLASHは比較的硬めで、カーボンプレートの存在感は小さめ。
厚底シューズとしてはバウンス感が控えめだが、耐久性が高いためトレーニング用としておすすめ。
Fast-R Nitro Elite (Puma)
- 定価(税込): ¥27,500
- 重量: 194g(27.0cm)
- 厚さ: 37.5mm
- ドロップ: 9mm
- ミッドソール: NITRO ELITE FOAM
ミッドソールには短距離スパイクのアウトソールの材質を混合することで、クッション性と高反発性を実現した「NITRO ELITE FOAM」を採用。
正直なところ、アルファフライ(NIKE)と見た目がかなり似ている。短距離スパイクでは実績と信頼が高いため、長距離用シューズにも期待したい。