【Adidas】アディゼロBK レビュー│薄底で運動部全般に向けた設計
アディダスのアディゼロBKは、名前の通り部活(BK)用に設計されたシューズです。
部活用とはいうものの、それが何を指しているのか、どのような特徴があるのか分からない方もいると思います。
そこで本記事では、部活用シューズについて特徴を解説し、アディゼロBKの使用感・性能をレビューしていきます。
シューズまとめ記事のリンク
| メーカー別 | |
|---|---|
| レベル別 | |
| 用途別 |
目次
アディゼロBK 基本情報
- 発売日:2025/4/29
- 定価(税込):¥9,900
- 重量:199g(27.0cm), 183g(25.5cm)
- 厚さ:23mm
- ドロップ:4mm
- ミッドソール:Lightstrike + Nylon Shank
- カテゴリー:スピード
- 主な用途:部活、通学、ジョギング、スピード練習全般
- 貴重な薄底シューズ
- 運動部全般におすすめ
- 昔の薄底シューズほど硬くない
- 定価10,000円以下
- 長距離向けではない
- 硬めのアッパー
- 厚さから考えると超軽量ではない
アディゼロBK(部活用シューズ)の特徴
アディゼロBKのような「部活用シューズ」には、おおよそ以下のような特徴があります。
- 価格が10,000円前後
- 重量が200g前後
- 厚さが30mm前後
- フォームが程良い硬度を持っている
通学から使用されることも多いため消耗が激しく、コスパが求められるためまず価格が安くなります。
また、陸上部のみならず様々なスポーツを想定していることが多いため、クッションは強すぎずシンプルで、柔軟性が高いシューズが多いです。
関連記事
アディゼロBKもこの特徴にある程度沿っていて、厚さはメーカー公表値が23mmで、実測もそれに近い24.3mmでした。
左右にスライド可能です。
おおよそ30mm前後となる部活用シューズとしては薄く、この薄さが他のモデルと差別化できる部分だと思います。
現状25mm以下の薄さで定価10,000以下に絞り込むと、当てはまるシューズはアディゼロBKのみになります。
さらに薄くなると安くなると思うかもしれまそんが、20mm以下になると公認トラックで使えるようになり、価格が上乗せされて基本的に10,000円を超えてきます。
公認トラックで使えない20mm〜25mmの微妙な薄さのシューズを作る理由はあまりなく、そういった意味でも絶妙な厚さで安くなっています。
もし公認トラックで使いたいならアディゼロRC6(19mm)が選択肢になりますが、定価は13,200円するので、レースでスパイクを使うなら部活用は安いアディゼロBKでも良いと思います。
ミッドソールにはライトストライクが採用されていますが、簡単にいってしまえば軽量EVAフォームで程良い硬度があります。
ショアA硬度は5回平均値が42.3HAでした。硬度のデータは収集中ですが、現状は平均が37HA前後となっており、ランニングシューズとしては硬めだといえます。
そもそも薄底なので気にすることはないですが、クッションはほとんど期待できません。
さらにこの硬めの薄底ソールにはナイロンシャンク(ドッグボーン)も内蔵されていて、かなり短距離寄りの設計であるといえます。
重量はメーカー公表値(27.0cm)が199g、25.5cmサイズで実測183gでした。
薄さの効果もあって200gを切ってきました。部活用シューズとしても軽量です。
200gは厚底レーシングモデルの基準ともいえる重量で、アディゼロアディオスプロ4の重量がちょうど200gになっています。
実走・性能レビュー
サイズ感・履き心地
サイズ感はぴったりでした。ただしアッパーが硬めでフィット感はそこまででした。
アディダスは昔から硬いアッパーを作りがちで、最近は柔らかいライトロックが出てきましたが、アディゼロBKは変わらず硬めでした。
メッシュが詰まっていて頑丈な質感ではありますが、その代わり足当たりや通気性は良くありません。
そこまでタイトではないので問題なかったものの、サイズ感を間違えたら靴擦れを起こしそうです。
ほとんど伸びないので短距離には良いかもしれませんが、長距離には向いていないと思います。
昔の薄底シューズよりはクッションがある
久々の薄底シューズなのでバチバチの接地感をむしろ楽しみにしていましたが、思いのほかクッションはありました。
25mm以内の薄底シューズはソーティマジック(Asics)以来ですが、その記憶で止まっていたためかソフトに感じてしまいました。
もちろん今のシューズとして考えればクッションは皆無に近いですが、インソールの柔らかさがあり衝撃がダイレクトに伝わるほどではありません。
また、昔の薄底シューズはフォーム硬度が50HAを超えることが普通で、その基準ではライトストライク(42.3HA)ですら柔らかくなります。
触った感じではクッションはほぼないと思っていましたが、実はフォーム全体で少しだけ衝撃を減衰させていて、それが若干のクッションにつながっていました。
さらに、ソーティマジックなどにあったアウトソールのプレートがないため、これも大きく影響していると思われます。
アディゼロBKにもナイロンシャンクが内蔵されてはいますが、地面から離れソールの硬度に埋もれているためか存在感はほぼありませんでした。
あくまで足裏が痛くならない程度のレベルでのクッションではありますが、部活で校庭やトラックで履く程度なら問題ないと思えました。
運動部全般に向けた設計
陸上部だけでなく運動部全般を想定した設計のため、フラットで柔軟性が高く様々な動きに対応できるようになっています。
アシックスの部活用モデルでいえばハイパースピードではなくライトレーサーで、マルチに使える点がメリットだと思います。
ただし陸上部の中長距離用として考えると明らかにクッションは足りず、アッパーの硬さも合わせて考えると向いているとはいえません。
1日に何kmも走る陸上部(中長距離)が特殊なため、運動部全般をターゲットにした結果この薄さになったのかもしれません。
一度だけテストのためコンクリートでジョギングしましたが、走れないことはないけどあえて使う理由はなく、今後はトラックかたまに坂ダッシュで使う予定です。
アディゼロデュラモスピード2との違い
同じ部活用モデルともいえるアディゼロデュラモスピード2との比較表を作成しました。
| Adizero BK | Adizero Duramo Speed 2 | |
|---|---|---|
| ¥9,900 | 定価 (税込) |
¥9,900 |
| 199g | 重量 (27.0cm) |
262g |
| 23mm | 厚さ | 32mm(実測37mm) |
| 6mm | ドロップ | 4mm |
| Lightstrike + Nylon Shank | ミッド ソール |
Lightstrike |
アディゼロデュラモスピード2も定価が9,900円で、部活用シューズの価格帯に入ります。
こちらは厚さが公表値で32mmとされていますが、実測では37mmもあり、部活用としては厚めのソールを搭載しています。
さらにナイロンシャンクがないため接地感が薄れ、中長距離をターゲットにした設計といえます。
ソールはアディゼロBKと同じく硬めのライトストライクなのでシンプルではあり、短距離や他の運動部でも使えないことはありません。
ただし重量は262gと軽量ではないので、軽さとクッションのバランスを求めるならハイパースピード5(Asics)など他のメーカーから探してみても良いと思います。
アディダスにも厚さ27mmのアディゼロジャパン9がありますが、こちらは高スペックで17,600円するため、部活用とは判断せず比較表から外しています!
関連記事
どんなランナーにおすすめ?
アディゼロBKは以下のようなランナーにおすすめできるシューズです。
- 軽量でシンプルな性能で良い
- 安く薄底シューズを手に入れたい
- フラットな接地感を求めている
- フィット感よりも耐久性重視
逆に、以下のようなランナーには合わない可能性があります。
- ジョギングをメインで考えている
- 公認トラックで使いたい(RC6がおすすめ)




