【NIKE】ドラゴンフライ レビュー│中距離ランナーが使用した感触
ナイキの1500m〜10000m用スパイクであるズームXドラゴンフライのレビューをします。エアズームヴィクトリーとの比較も行います。
基本スペック
商品画像の引用元:nike.com/jp
ドラゴンフライの定価(税込)は18,150円です。厚底シューズと比べれば比較的優しい価格設定です。
アルファフライ(厚底シューズ)の実績や技術が活かされたスパイクで、1500m~10000mまで幅広い種目に対応しています。
非常に人気が高いため、入手のためにはステップスポーツやナイキ公式などからの販売情報を頻繁に確認しておく必要があります。
重量(25.0cm)はピン込みで実測120gでした。また、厚さは簡易的な測定で21mmでした。ただし、WA(世界陸連)では20mm以下(短距離種目でも使用可能)として承認されています。
サイズ感は通常です。エアズームヴィクトリーやヴェイパーフライと同じくらいですが、一世代前のズームヴィクトリー3やマトゥンボ3よりはやや大きいです。
高さ方向はやや低いので、足の甲の締め付けが気になる方はワンサイズ大きい方がいいかもしれません。
中距離用としても十分な性能
中距離スパイクのエアズームヴィクトリーと同時期に発売されたため、ドラゴンフライは長距離スパイクのイメージが付きがちです。
通常、中距離種目では800m~1500m用の中距離特化のスパイクを選ぶことが多いですが、ドラゴンフライは中距離と長距離どちらも対応できる性能があります。
この理由はミッドソールのズームXのおかげで、軽量性を維持したまま高反発・高クッションを実現したからだと思います。
実際、東京五輪の男子1500m, 5000m, 10000mで優勝した選手は全員ドラゴンフライを着用していました。
また、ドラゴンフライで男子200m予選を通過した選手もいました。このように、短距離選手が脚への負担を考えて使用することもあります。
エアズームヴィクトリーとの比較
エアズームヴィクトリーは前足部にZoom Airユニットが搭載されていて、反発力が非常に高くドラゴンフライよりもスピードが出しやすいです。
ただし、ドラゴンフライよりも筋力が必要なため後半失速しやすく、適正距離は800m~5000mとなっています(個人的には5000mでもきついです)。
また、Zoom Airがある分ソールの傾斜がきついため、ミッド~フォアフットでの使用が前提になります。
速いペースでテンポ良く走らないとZoom Airでの着地が難しくなるため、失速すると走りづらくなってしまいます。
一方でドラゴンフライは良い意味で癖が少なく、上級者でなくても慣れれば履きこなせると思います。
ペース的には3'20"/kmよりも速いペース、つまり1500mなら5分以内、5000mなら16分40秒以内が目安になります。
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練習、レースで使用した感触
練習(インターバル後の1000m)
200m×10 (アディゼロsub2使用)
練習で200m×10本(レスト200jog)を通常のシューズで走った後に、1000mをドラゴンフライで走りました。シューズはアディゼロsub2を使用しました。
この日はやや調子が悪く、1500mのレースペースよりも遅い31秒が速く感じていました。後半はキツくて何度か32秒を超えています。
この5倍の距離(1000m)を同じペースで走るのは絶対に無理だと感じたので、1000mは2分50秒はかかりそうだと予想していました。
10分程レストを挟み、ドラゴンフライに履き替えて1000mを走った結果...
1000m (ドラゴンフライ使用)
まさかの2分41秒が出てしまいました。
1周目の通過が65~66秒くらいかなとウォッチを見たら63秒と体感よりも速く、2周目は想像以上の速さにビビってペースが落ちてしまいましたが、何とか粘ることができました。
反発はヴェイパーフライよりも低いですが、軽くて足が回りやすいおかげか想像以上に進んでいます。クッション性も高く、今後も練習で頻繁に使います。
レース(1500m)
2021年の東京選手権1500mで使用しました。レースでの使用はこの大会が初めてです。
この時期は新型コロナのワクチン接種後であまり調子が上がっておらず、レース3日前の1000m×3のインターバルを3分で走るのが精一杯の状態でした。
試合当日はアドレナリンで足は軽く感じていたものの、直近の調子を考慮して4分を切れれば良いかなくらいに考えていました。
結果は、予選が4分00秒、決勝が3分52秒(3位)と予想の倍くらいの力で走れました。試合補正はありますが、ドラゴンフライ補正もありそうです。
決勝は1000mの通過が2分38~39秒とややスローペースだったので、後半はかなりペースが上がりました。ラストの300mは42秒まで上がり、レース後半での切り替えにも対応できました。
自己ベストはエアズームヴィクトリーで出した3分46秒ですが、レース初使用でここまで走れたのでかなりの好感触です。
★2022/5/13追記★
2022年5月に3分45秒74の自己ベストを出して、エアズームヴィクトリーの記録を更新することができました。
今後1500m以上のレースではドラゴンフライ、800m以下ではエアズームヴィクトリーをメインに使用するつもりです。
まとめ
ズームXドラゴンフライの特徴や感触をまとめると以下のようになります。
- 1500m~10000mの全ての種目で高い性能を持つ
- 軽量かつ高反発・高クッションを実現
- レース後半まで足が残りやすい
- エアズームヴィクトリーよりも扱いやすい
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