【Mizuno】ハイパーワープエリート レビュー│待望の王道レーシングモデル
ミズノのハイパーワープエリート(Hyperwarp Elite)は軽量ながら安定感に優れたレーシングモデルです。
リベリオンシリーズで特徴的だったスムーズスピードアシストが廃止され、待望の王道レーシングモデルでその性能が気になっている方は多います。
本記事では、ハイパーワープエリートの性能・使用感をレビューをしつつ、ハイパーワープピュアとの比較も行います。
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目次
ハイパーワープエリート 基本情報
- 発売日:2025/12/19
- 定価(税込):¥29,700
- 重量:170g(27.0cm), 150g(25.5cm)
- 厚さ:38mm
- ドロップ:3.5mm
- ミッドソール:Mizuno Energy XP (PEBA) + Mizuno Energy XP (TPEE) + Carbon Plate
- カテゴリー:レーシング
- 主な用途:ロードレース・マラソン(~サブ3)、インターバル、LT走、ロング走
- 待望の王道構成(今までが尖っていた)
- 大きく沈まず安定感がある
- PEBAフォームを搭載
- リベリオンシリーズよりも軽量
- ワープするような推進力ではない
ハイパーワープエリートの特徴
ハイパーワープエリートはシリーズの中では最もスタンダードな厚底シューズです。
ピュアは超軽量、プロはスムーズスピードアシスト搭載など特徴がある中、王道の構成で選びやすいと思います。
ミッドソールは2層構成で、上層には新しい軽量のミズノエナジーXP、下層には従来のミズノエナジーXPを配置しています。
海外公式サイトには材質が明記されており、上層がスーパーフォームとして多くのメーカーが採用している「PEBA」ベースの材質です。
下層は「TPEE」ベースで、こちらもスーパーフォームとして採用されることはありますが、ミズノの配合ではPEBAよりは密度が高く、安定感のために使っている(つまり上層より硬め)とされています。
また、ミズノエナジーXP(TPEE)はリベリオンシリーズの経験から反発力はスーパーフォームとしては控えめに感じていましたので、新しい上層(PEBA)の方が反発力が高いと思われます。
重量は代表サイズ(27.0cm)で170g、25.5cmサイズで実測で150gでした。
25.5cmサイズで測定
メタスピードレイ(Asics)、ハイパーワープピュアなどの異次元の超軽量シューズを除けばトップレベルの軽さになりました。
重量面だけで考えれば、厚底シューズで遅れを取っているニューバランス、ブルックス、On、HOKAなどからは一歩抜け出した印象を受けます。
ミズノとしてはかなりブレイクスルーできたと感じますが、これは独自路線をやめたことが大きいと思います。
今まではウエーブデュエルプロやリベリオンシリーズで後足部を削り中足部を厚くしていましたが、安定感のために密度が高めのフォームを広く使う必要があり、重量削減には限界がありました。
実際にこのアプローチを続けているハイパーワーププロの重量は200gあり、今までよりは軽量ですがエリートよりは30g重いです。
また、今までもフラットなシューズとしてウエーブリベリオンプロナチュラルがありましたが、こちらも重量(27.0cm)は205gありました。
ハイパーワープエリートの方が35g軽いですが、アウトソール(G3ソールが)必要部分のみに配置されたこと、軽量なPEBAフォーム・ウーブンアッパーを採用したことが軽量化につながっています。
実走・性能レビュー
ハイパーワープピュアとほぼ同じ構成
(左)ハイパーワープエリート (右)ハイパーワープピュア
超軽量モデルのハイパーワープピュア並べてみると、ほとんど違いがないことが分かると思います。
アッパーとアウトソールは完全に共通で、違いはミッドソール(下層)とインソールの有無だけだと思われます。
アッパーが共通なのでサイズ感はピュアと変わらずぴったりで、リベリオンシリーズとも同じくらいに感じます。
ミッドソールに関しても外観だけでは違いが分からないため、型は共通のものを使っていると思われます。
違いは下層にPEBA・TPEEのどちらを使っているかだけで、ここで重量差が少し生じています(ピュアは上層も下層もPEBAです)。
もう1点重量差が生じているのがインソールの有無で、エリートにはインソールがあるため、その分だけ重量がプラスされています。
インソールは剥がすことができないので中まで確認していませんが、厚さの差(エリート38mm - ピュア34.5mm = 3.5mm)はインソールの有無だけだと思われます。
ただし、これだけでもライド感が結構違っていたのが意外で、エリートの方がしっかりと厚底感がありました。
インソールがあることで力が均一に伝わりフォーム全体を圧縮しやすくなっているのか、その分だけ反発力が強くストライドが伸びる感覚でした。
スピードの出しやすさは圧倒的にピュアでしたが、マラソンペースで少しでも推進力ももらって楽に走りたいならエリートが合っていると思います。
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安定感が高いが反発力は強くない
上下で異なるミズノエナジーXPを使用していますが、どちらも結構柔らかく、少しだけ上層(PEBA)の方が柔らかい程度でした。
どちらもFF Leap(Asics)・ライトストライクプロ(Adidas)ほどではないですが、FF Turbo Plus(Asics)・ズームX(Nike)よりは柔らかいように感じました。
ただしカーボンプレートの剛性が高いためか大きく沈むことはなく、厚底レーシングモデルとしては安定感が高く感じました。
反発力もレーシングモデルとしては強くはなく、RCエリートv5(New Balance)に似た扱いやすさがあります。
さらにドロップが3.5mmと小さく、カーボンプレートの傾斜も小さいため、全体的にフラットで推進力は控えめな印象でした。
それでも軽量でリベリオンシリーズよりも反発が速く、安定感もあるため3分ペース(/km)くらいまでなら力まず快適に走ることができました。
メタスピード東京(Asics)、ファストアール3(Puma)のようなフォームを大きく圧縮させるシューズが苦手な方にとって良い選択肢になるはずです。
ただし、他社製品と比較すると推進力はもったいない点だと思ったので、下層もPEBAで良かったのではとは思いました。
だとしてもリベリオンシリーズよりは安定感があるし、さらに軽量になってかなりのインパクトになる気がします。
ハイパーワープピュアにインソールを入れれば簡単に作れてしまいますが、ハイパーワープエリート2ではプレートの傾斜を変えるなど、もう少しアグレッシブになると予想しています。
どんなランナーにおすすめ?
ハイパーワープエリートは以下のようなランナーにおすすめできるシューズです。
- レーシングモデルのなかでも安定感がほしい
- フラットな接地感が好み
- 大きく沈む感覚が苦手
- リベリオンシリーズが少し重く感じていた
逆に、以下のようなランナーには合わない可能性があります。
- 体重移動のサポートがほしい(ハイパーワーププロが選択肢)
- 強力な推進力をもらいたい

