【アシックス】S4 レビュー│マジックスピード2との違いは?
アシックスのサブ4向けモデルである、S4(エスフォー)の特徴・使用感をレビューします。マジックスピード2との比較も行います。
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商品概要
スペック
- 定価(税込): ¥22,000
- 重量: 240g(27.0cm)
- 厚さ: 39mm
- ドロップ:6mm
- ミッドソール: FF Blast Turbo + FlyteFoam + Carbon Plate
- 主な使い道: 5km〜フルマラソン(サブ3〜サブ4)、インターバル、テンポ走、ロング走、ジョギング(速め)
S4はSpeed・Stability・Safety・Sub4の4つの「S」に由来しており、サブ4(4時間切り)を目指すランナーのためのレーシングシューズとして開発されました。
アシックスの従来のサブ4向けモデルといえばグライドライド3、GT-2000 11などクッションを重視したモデルが普通でした。
しかし、S4はサブ4向けモデルとしては珍しくフルレングスのカーボンプレートを内蔵し、上級者向けのシューズに似た構成が採用されました。
厚さは39mmと公認ギリギリです。アシックス公式では34mmと記載されていますが、恐らくインソールとアウトソールを含んていません。
サブ4向けではありますが、FF Blast Turboが使用されているためレースでメタスピードスカイ+/エッジ+を履くランナーのトレーニング用にもおすすめです。
アッパー
左右にスライド可能です。
アッパーにはメタスピードプラスシリーズと同じモーションラップアッパーが採用されています。
モーションラップアッパーは透けるほど薄いものの、伸縮性があり素早く元に戻る性質があります。
またシュータンもペラペラで薄く、軽量性を追求していることが伝わります。
シューレースは凹凸があるためほどけにくく、フィット感にも優れています。
サイズ感は少しだけ小さいと感じたので、迷ったら大きいサイズを選択することをおすすめします。
ミッドソール
ミッドソールは2層構造で、上層には軽量・高反発のFF Blast Turboが配置されています。これはアシックス最速のメタスピードプラスシリーズと同じフォーム材です。
4つの「S」のうち特にStability・Safetyが上位モデルよりも強化されており、安定性を高めるために下層にFlyteFoamを配置し幅は広めに設定されています。
FlyteFoamは後足部に多いため、かかとから接地してもブレづらく、蹴り出し時は前足部のFF Blast Turboにより推進力が得られるように設計されています。
アウトソール
アウトソールはグリップ力に優れたAsicsGripが全域に配置されています。
メタスピードプラスシリーズと異なり後足部までラバーが伸びており、前足部よりも厚くしています。
このため、かかと接地でも擦り減りづらくトレーニングでも使いやすいのがメリットです。
サブ3〜4ペースで使用
まずはコンセプト通りサブ4ペース(5'41"/km)あたりで走り始め、徐々にペースを上げていきいました。
メタスピードシリーズよりも反発力は落ちますが、ベースが広いためかクッション性は同等(むしろ高いくらい)に感じます。
FF Blast Turboの割合が大きい前足部の方が柔らかく、かつカーボンプレートの影響もあり、前に押し出される感覚は強いです。
足が自然と前に出るため、サブ4ペースからすぐにキロ5(サブ3.5)を切ってしまいましたが、疲労状態ではペース維持の助けになりそうです。
ペースが上がるにつれてFF Blast Turboの反発力が強く感じられ、サブ3ペースまで簡単に上げることができました。
性能はサブ4よりもサブ3.5寄りに感じられたため、サブ4を狙いつつもさらにレベルアップしたいランナーにもおすすめできます。
マジックスピード2との違い
商品画像の引用元:asics.com
アシックス公式でも比較されていますが、S4とマジックスピード2の構造はかなり似ています。
どちらも重量(27.0cm)は240g、ミッドソールは2層構造で中にはプレートが内蔵されています。
大きな違いはミッドソール上層で、S4はFF Blast Turbo、マジックスピード2はFF Blast Plusが使用されています。
どちらも反発力に優れたフォーム材ですが、FF Blast Turboの方が軽くて上級者向けのモデルに使用されることが多いです。
また、プレートの材質はS4はカーボン製ですが、マジックスピード2はカーボン+TPUです。TPUは樹脂材料のため、柔軟性が高くなります。
これらの違いだけみるとS4の方がレベルの高いシューズであり、構造的にはマジックスピード2の上位モデルといえます。
アシックス公式ではS4がサブ4、マジックスピード2がサブ3向けと宣伝されていますが、どちらもサブ3〜サブ4向けと考える方がしっくりきます。
4時間切りには若干オーバースペックだと思いましたが、アシックスがサブ4向けと判断している以上はサブ4ペースでも性能が発揮できるデータがあるはずです。
構造的にはサブ3まで目指せる性能があるので、サブ4を目指すランナーはレベルアップしても長く使えるシューズだと思います。
★2023/3/23追記★アシックス公式でマジックスピード2の対象レベルがスピードエントリー(サブ4以下?)と記載され、S4の下位モデルのような位置付けになっていました。
ただし、アシックスのランステのページにはサブ3〜サブ4との記載があります。意外と適当(?)なので、あまりレベルは気にしなくても良いかもしれません。
★2024/1/28追記★マジックスピード3では全域がFF Blast Plusとなりましたが、接地感はそこまで柔らかくないため、フルマラソンではS4の方がおすすめです。
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競合モデル
商品画像の引用元:(左)asics.com (中央)jpn.mizuno.com (右)saucony.com
S4の競合モデルとしてはウエーブリベリオンフラッシュ(Mizuno)、エンドルフィンスピード3(Saucony)が挙げられます。ズームフライ5(Nike)やアディゼロボストン11(Adidas)も同じカテゴリーですが、重量は270g前後あり若干ジョギング寄りです。
特に、ウエーブリベリオンフラッシュは構造がかなり似ており、2層のミッドソールの間にプレートが内蔵されています。ちなみに、こちらはサブ3向けとして宣伝されています。
エンドルフィンスピード3はミッドソールが弾力性の高いPWRRUN PBのみで、安定性は低くなるものの反発力は高いです。S4よりもやや上級者向けだといえます。
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まとめ
- レース・スピード練習全般に対応
- サブ3~サブ4レベルと考えるのが良さそう
- 実質マジックスピード2の上位モデル
- メタスピード系列と同じFF Blast Turboを使用