【2025版】各社最速の厚底カーボンシューズ15足まとめ

厚底レーシングシューズは各社性能が並び始め、どのモデルを選ぼうか迷っている方は多いと思います。
スペックか構造を比較してみると、軽さ・反発・安定性の配分はそれぞれ異なり、方向性・コンセプトした違いが見えてきます。
そこで本記事では、各社の最速モデルを比較表を作成し、各モデルの特徴を紹介していきます。
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メーカー別 | |
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レベル別 | |
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目次
- 1 厚底シューズのメリット
- 2 厚底シューズのデメリット
- 3 比較表
- 4 各社最速モデルまとめ
- 4.1 メタスピードレイ (Asics)
- 4.2 メタスピードスカイTokyo (Asics)
- 4.3 メタスピードエッジTokyo (Asics)
- 4.4 アディゼロアディオスプロ4 (Adidas)
- 4.5 アルファフライ3 (Nike)
- 4.6 ヴェイパーフライ4 (Nike)
- 4.7 Fast-R ニトロエリート3 (Puma)
- 4.8 ディヴィエイトニトロエリート3 (Puma)
- 4.9 クラウドブームストライク (On)
- 4.10 FuelCell SC Elite v4 (New Balance)
- 4.11 ウエーブリベリオンプロLOW (Mizuno)
- 4.12 シエロX1 2.0 (HOKA)
- 4.13 ハイペリオンエリート4PB (Brooks)
- 4.14 エンドルフィンエリート2 (Saucony)
- 4.15 UAベロシティエリート2 (Under Armour)
厚底シューズのメリット
厚底カーボンシューズのメリットは、ランニングエコノミー(走行効率性)を高めることができる点です。厚底シューズの登場により、「軽量性 = 速さ」という常識が覆りました。
軽くて弾力性のあるフォーム材とカーボンプレート組み合わせることで、クッション性と安定性を維持したまま高いエネルギーリターンを実現できます。
ナイキの初代厚底カーボンシューズであるヴェイパーフライ4%の数字は、当時のナイキ最速シューズ(ズームストリーク6)と比べてエネルギーリターンを4%改善したことを示しています。
ただし、これはタイムが4%縮まる訳ではありません。前に進むためのエネルギーは、速度が上がるほど(空気抵抗が高くなるなどの影響で)曲線的に増えていくためです。
仮に4%タイムが縮まるとすると、ヴェイパーフライ4%発売前のフルマラソン日本記録である2時間06分16秒は、2時間01分13秒になってしまいます。
東京マラソンの上位選手の記録は当時から平均で2分ほど底上げされているので、これが全てシューズのおかげだとすると1.5%程度のタイム向上となります(それでもすごい値です)。
厚底シューズのデメリット
厚底カーボンシューズのデメリットの1つは、お金がかかることです。定価は安くても25,000円を超え、高いモデルは30,000円を大きく超えます。
さらに、軽量なフォーム材を使用しているため、へたりやすく耐久性が低いです。このため、1km走行辺りの値段で考えるとコストパフォーマンスが悪いです。
他には、フォーム材が柔らかいため安定性が高くないこともデメリットです。特にペースが遅い場合は横にブレやすく、無理に力が入り怪我につながることもあります。
それだけでなく、ペースが遅いと反発力に対して推進力が小さいため、浮いたような走りになりシューズの性能を十分に引き出せない可能性もあります。
また、厚底シューズばかり使用していると、本来ランニングで鍛えるべき筋力・神経系の向上が薄れる恐れもあります。
このように何点かデメリットもあるため、購入したいシューズが自分にとって値段相応の価値があるか見極めることも大切です。
比較表
メーカー | 定価(税込) | 重量 | 厚さ | ドロップ | |
---|---|---|---|---|---|
Metaspeed Ray | Asics | ¥33,000 | 129g | 39.5mm | 5mm |
Metaspeed Sky Tokyo | Asics | ¥29,700 | 170g | 39.5mm | 5mm |
Metaspeed Edge Tokyo | Asics | ¥29,700 | 170g | 39.5mm | 5mm |
Adizero Adios Pro 4 | Adidas | ¥28,600 | 200g | 39mm | 6mm |
Alphafly 3 | Nike | ¥39,655 | 202g | 40mm | 8mm |
Vaporfly 4 | Nike | ¥29,700 | 168g | 35mm | 6mm |
Fast-R Nitro Elite 3 | Puma | ¥38,500 | 170g | 40mm | 8mm |
Deviate Nitro Elite 3 | Puma | ¥29,700 | 198g | 39mm | 10mm |
Cloudboom Strike | On | ¥36,300 | 215g | 39.5mm | 4mm |
FuelCell SC Elite v4 | New Balance | ¥29,700 | 237g | 40mm | 4mm |
Wave Rebellion Pro LOW | Mizuno | ¥29,700 | 215g | 40mm | 4.5mm |
Cielo X1 2.0 | HOKA | ¥38,500 | 210g | 40mm | 7mm |
Hyperion Elite 4 PB | Brooks | ¥35,200 | 205g | 40mm | 8mm |
Endorphin Elite 2 | Saucony | ¥42,900 | 199g | 39.5mm | 8mm |
UA Velociti Elite 2 | Under Armour | ¥26,400 | 232g | 39.5mm | 2mm |
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2025年頃からナイキ1強ではなく、様々なメーカーのシューズを見かけるようになってきました。
特にアシックス・アディダスのシェアが大きく向上し、この2社で半分近くを占めているように感じます。
ナイキはその次で、プーマ・Onのシェアも高くなりつつあります。その後は、ミズノ、ホカオネオネ、ニューバランスあたりが続きます。
ブルックス、サッカニー、アンダーアーマーは国内で扱いが少なかったり、実績も少ないこともあり、日本では履いている方は多くないように感じます。
各社最速モデルまとめ
メタスピードレイ (Asics)

商品画像の引用元:asics.com
- 発売日:2025/8
- 定価(税込):¥29,700
- 重量(27.0cm):129g
- 厚さ:39.5mm
- ドロップ:5mm
- ミッドソール:FF Leap
アシックスのメタスピードシリーズは3モデル用意されており、その中でもメタスピードレイは軽量性に特化しています。
定価8万円オーバーのアディオスプロEVO2の138gを下回る129gを実現し、かつ定価は3万円台とお手頃です。
新素材の「FF Leap」は、パリ・Toktoシリーズ(の一部)に使用されている「FF Turbo Plus」よりも軽量で、弾力感が大幅に強化されています。
メタスピードスカイTokyo (Asics)
- 発売日:2025/7/27
- 定価(税込):¥29,700
- 重量(27.0cm):170g
- 厚さ:39.5mm
- ドロップ:5mm
- ミッドソール:FF Turbo Plus + FF Leap
スカイTokyoはストライド型のランナーに向けて設計されており、エッジTokyoよりも反発力が強く上方に生み出されます。
フォームの圧縮を利用することで反発力が得られるため、コンセプト通りストライドでテンポ良く押していける方におすすめです。
FF Leapはソール下層に配置されているため、ヒールストライクでは後足部が大きく圧縮し、後傾するような感覚になるため扱いづらいです。
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メタスピードエッジTokyo (Asics)
- 発売日:2025/7/27
- 定価(税込):¥29,700
- 重量(27.0cm):170g
- 厚さ:39.5mm
- ドロップ:5mm
- ミッドソール:FF Leap + FF Turbo Plus
エッジTokyoはピッチ型のランナーに向けて設計されており、ベースをコントロールしやすく扱いやすい点がメリットです。
カーボンプレートの傾斜が大きいため前に押し出されるサポートが強く、厚底レーシングモデルならではのライド感が特徴です。
スカイTokyoとは逆で下層にFF Turbo Plusが配置されているため、安定感があり高速ペースまで対応できます。
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アディゼロアディオスプロ4 (Adidas)
- 発売日:2024/11/27
- 定価(税込):¥28,600
- 重量(27.0cm):200g
- 厚さ:39mm
- ドロップ:6mm
- ミッドソール:Lightstrike Pro
推進力を高める部材はカーボンはプレート形状ではなく、5本指に沿った形状のエナジーロッド2.0を採用しています。
ミッドソールのライトストライクプロは前作よりも軽量でバウンス感が増し、今まで以上に着用率が高まりました。
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アルファフライ3 (Nike)
- 発売日:2024/1/4
- 定価(税込):¥39,655
- 重量(27.0cm):202g
- 厚さ:40mm
- ドロップ:8mm
- ミッドソール:ZoomX + Zoom Air×2
ヴェイパーフライと並ぶナイキの最速モデル。ズームXとカーボンプレートに加え、露出したZoom Airユニット(エアポッド)も備えているのが特徴です。
今作はシリーズ最軽量でバージョン2から約30g軽量化され、分割していたソールが一体形状となったことで安定性が向上しました。
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ヴェイパーフライ4 (Nike)
- 発売日:2025/3/1
- 定価(税込):¥29,700
- 重量(27.0cm):168g
- 厚さ:35mm
- ドロップ:6mm
- ミッドソール:ZoomX
ミッドソールの削減などによりシリーズ最軽量となり、他社の厚底レーシングシューズと比較しても軽量です。
反発よりもスピードに焦点を当てた印象で、アルファフライと大きく差別化されました。
2021年に圧倒的だったシェアは2025頃から顕著に落ち込み、ついに定価が2万円台に値下げされました。
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Fast-R ニトロエリート3 (Puma)
- 発売日:2025/4/25
- 定価(税込):¥38,500
- 重量(27.0cm):170g
- 厚さ:40mm
- ドロップ:8mm
- ミッドソール:Nitro Foam Elite
レーシングモデルとしては最重量級だった2代目から一転し、今作は170g(27.0cm)と超軽量です。
前後に分離したソール形状と先端まで伸びるカーボンプレートが特徴的で、限りなくエネルギーリターンを高めています。
研究結果では、数値上アルファフライ3(Nike)やアディオスプロEVO 1(Adidas)よりも高いエネルギーリターンを示しています。
ディヴィエイトニトロエリート3 (Puma)
- 発売日:2024/7/19
- 定価(税込):¥29,700
- 重量(27.0cm):198g
- 厚さ:39mm
- ドロップ:10mm
- ミッドソール:Nitro Foam Elite
クセがなく扱いやすく、重量は200gを切っておりレーシングモデルとしても軽量。前作よりも厚く40mmギリギリなりました。
次世代素材として注目される脂肪族TPUをミッドソールに初採用し、軽量性と耐久性を両立しています。
クラウドブームストライク (On)
- 発売日:2024/7/11
- 定価(税込):¥36,300
- 重量(27.0cm):215g
- 厚さ:39.5mm
- ドロップ:4mm
- ミッドソール:Helion HF
インソール自体を高反発フォーム材(Helion HF)とすることで、40mmの制限の中で可能な限り推進力を高めた新しい構造のシューズです。
やや硬めで接地感が得られるCloudboom Echo 3.0とは対照的に弾むライド感が特徴なため、フルマラソンで使うならこちらがおすすめです。
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FuelCell SC Elite v4 (New Balance)
- 発売日:2024/2/16
- 定価(税込):¥29,700
- 重量(27.0cm):237g
- 厚さ:40mm
- ドロップ:4mm
- ミッドソール:FuelCell
ミッドソールのFuelCellフォームが大きくアップデートされ、多くの他社製品が採用しているPEBAベースの素材となりました。
ミッドソール中央部に大きな溝が設けられており、新しいFuelCellフォームが大きく圧縮(変形)することで大きな推進力が得られるようになりました。
2024年では女子都道府県駅伝2区(4.0km)区間賞、青梅マラソン(男子30km)優勝の実績があります。
ウエーブリベリオンプロLOW (Mizuno)
- 発売日:2024/11/29
- 定価(税込):¥29,700
- 重量(27.0cm):215g
- 厚さ:40mm
- ドロップ:4.5mm
- ミッドソール:Mizuno Energy XP
フォアフット走法をサポートするための後足部が削れたソール形状が特徴。中足部の最も厚い部分は40mmを超えています(公認レースで使用可)。
前作と異なりミッドソールはスーパーフォーム(ミズノエナジーXP)1層となり、反発力が強化されています。
ソールの傾斜をさらに急に設定することでフォアフットのアシストを最大限に高めたリベリオンプロ3も用意されていますが、安定性の観点で扱いづらいためまずはリベリオンプロLOWがおすすめです。
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シエロX1 2.0 (HOKA)
- 発売日:2025/2/17
- 定価(税込):¥38,500
- 重量(27.0cm):210g
- 厚さ:40mm
- ドロップ:7mm
- ミッドソール:PEBA
HOKAの厚底レーシングにはロケットX2もありますが、シエロX1の方がフォームの使用量が多く、反発力・ロッカーの傾斜が強く感じられます。
厚さに関してはWAで40mm以下と承認されており公認レースで使用可能ですが、ミズノのリベリオンプロのように後足部がやや浮いており、中足部は40mmを超えています。
初代モデルは重量が約250gとレーシングモデルとしては重かったものの、今作で大幅に軽量化されて使いやすくなりました。
ハイペリオンエリート4PB (Brooks)
- 発売日:2025/1/4
- 定価(税込):¥35,200
- 重量(27.0cm):205g
- 厚さ:40mm
- ドロップ:8mm
- ミッドソール:DNA GOLD
ハイペリオンエリート4の形状はそのままに、ミッドソールに新素材のDNA GOLDを使用した新モデル。
従来のDNA FLASH v2よりも弾力感が増したことで、厚底スーパーシューズと呼べるスペックになりました。
エンドルフィンエリート2 (Saucony)

- 発売日:2025/3/1
- 定価(税込):¥42,900
- 重量(27.0cm):199g
- 厚さ:39.5mm
- ドロップ:8mm
- ミッドソール:incrediRUN
新素材のincrediRUN(インクリディラン)フォームが非常に柔らかく弾力感があり、バネのようにバインバイン跳ねるようなライド感が特徴です。
あまりにも尖ったライド感で好みが大きく分かれると思われますが、フォームの圧縮を利用して推進力を得る走り方のランナーにはおすすめです。
UAベロシティエリート2 (Under Armour)
- 発売日:2023/12/27
- 定価(税込):¥26,400
- 重量(27.0cm):232g
- 厚さ:39.5mm
- ドロップ:2mm
- ミッドソール:Pebax + SuperCriticalFlow
最速モデルとしては珍しく、2層構造のミッドソールを採用。上層のPebaxフォームは柔らかくて反発力に優れ、下層のSuperCeiticalFlowが安定性を高めています。
今作ではPebaxフォームが増量され、さらにSuperCeiticalFlowの中央部が空洞になったことで変形しやすくなり、より大きな反発力が得られるようになりました。