【Nike】アルファフライ3 レビュー│ヴェイパー3との違いも解説 – Unattached Runner
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【Nike】アルファフライ3 レビュー│ヴェイパー3との違いも解説

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 ナイキの最速モデルであるアルファフライ3の特徴・使用感をレビューします。ヴェイパーフライ3との比較も行います。

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商品概要

スペック

アルファフライ3

商品画像の引用元:nike.com

  • 発売日:2024/1/4
  • 定価(税込):¥39,655
  • 重量:202g(27.0cm), 160g(24.0cm)
  • 厚さ:40mm
  • ドロップ:8mm
  • ミッドソール:ZoomX + Air Zoom Unit×2 + Carbon Plate
  • カテゴリー:レーシング
  • 主な用途:ロードレース(~サブ3)、インターバル、LT走、ロング走

 アルファフライ3は男子マラソン世界記録(2:00.35)、女子マラソン世界歴代2位(2:13.44)など多くの実績があるナイキの最速モデルです。

 今作は様々なアップデートがありましたが、前作(バージョン2)よりも約30g軽量化され、かつ安定性が向上したことが大きな変更点です。

 アルファフライといえば高い反発力の代わりに重量はやや重くなるイメージがありましたが、以下のように競合モデルと同等レベルの軽さとなりました(27.0cmの重量で比較しています)。

  • アルファフライ3:202g
  • アルファフライ2:230g
  • ヴェイパーフライ3:187g
  • メタスピードSkyパリ:185g
  • アディオスプロ3:215g
  • ウエーブリベリオンプロ2:215g

 この影響なのかは分かりませんが、今作(バージョン3)では(ヴェイパーフライではなく)アルファフライを選ぶランナーの割合が高くなったように感じます。

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アッパー

アルファフライ3 アッパー
アルファフライ3 アッパー2

左右にスライド可能です。

 アッパーには軽量で通気性・耐水性に優れたアトムニット3.0が採用されています。

 フライニットと異なりザラザラとした質感で、特に中足部のサポート性を強化しています。

 今作では多くの女性ランナーの意見を反映しながら60回以上の試作を重ね、快適性を向上しています。

 サイズ感はやや小さく感じます。シュータンがアッパーと一体なので、着脱にやや苦労する方もいると思います。

ソールユニット

アルファフライ3 ミッドソール

 ミッドソール全域に高反発のフォーム材であるズームXを採用し、カーボンプレートと2つのAir Zoomユニット(Air Pods)を内蔵しています。

 Zoom Airユニットは上下がズームXに挟まれており、その上にカーボンプレートが配置されています。

 今作の一番の変更点は前後に分離されていたソールが一体化されたことで、かかとから接地しても体重移動をスムーズに行えるようになりました。

アルファフライ3 アウトソール
アルファフライ3 アウトソール比較

左右にスライド可能です。画像2枚目の引用元:nike.com

 アウトソールを見ると、ミッドソール(ズームX)が大きくカットされ、カーボンプレートの一部が露出しています。

 この空洞が軽量化に大きく寄与していているとともに、Air Zoomユニットが大きく圧縮できるようになっています。

 また、Air Zoomユニット真下がオレンジ色になっていますが、前作よりも少し後ろにシフトしています。

 さらに、前作と比較して前足部の幅が広くなったことが分かります(画像2枚目)。カーボンプレートの幅も広くなっており、安定性・反発力が向上しています。

実走レビュー

アルファフライ3 10kmjog

 キロ4を切るくらいのペースで10km走りました。ヴェイパーフライ3と比較しながら、乗り心地をレビューします。

 反発力は履いた瞬間から(走る前から)分かるくらいには異なり、Air Zoomユニットによる圧縮を大きく感じます。

 Air Zoomユニット真下のアウトソールが相対的に硬めになっているため、走ってみるとこの部分が支点となって転がるとともに、Air Zoomユニットが復元する際に大きな推進力が得られるように感じます。

 ソールが一体化されたことでヴェイパーフライの乗り心地に近くなりましたが、推進力はより強く上を向いているような感覚です。

 軽量化の効果もあり低出力でスピードが出てしまうため、最後の1kmは楽に3分半ペースまで上げることができました。

 ただし、ヴェイパーフライ3とどちらが良いかといわれると、少数派かもしれませんが私はヴェイパーフライ3の方が好みでした。

 理由はヴェイパーフライ3の方が軽くて脚が回しやすく、普段のスパイクを履いて行うトラックでのトレーニングの感覚に近いためです。

 アルファフライ3はカーボンプレートの幅が広いために接地時に方向をコントロールしづらい(カーブを曲がりづらい)ような印象を受けました。

 実績があるシューズである以上こちら側から走り方を合わせる(または慣れる)努力も必要なのかもしれませんが、やはり接地時のわずかな違和感が気になってしまいます。

 また、マラソンペース以上のトレーニングではピッチが上がることが多いため、そのような場面でもヴェイパーフライ3の方が扱いやすいと感じました。

ヴェイパーフライ3との違い

アルファフライ3とヴェイパーフライ3の違い

商品画像の引用元:nike.com

 ヴェイパーフライ3と比較したときのアルファフライ3の特徴は以下の通りです。

  • 2つのAir Zoomユニットを内蔵
  • カーボンプレートの傾斜が緩い
  • 反発力は高いが、約15g重い

 カーボンプレートはAir Zoomユニットの上を通らざるを得ないため、ヴェイパーフライ3よりも傾斜が緩くなっています。

 これにより推進力はより上方に変換されるため、高い反発力でストライドを伸ばすことで速いペースに対応します。

 この関係はアシックスの最速モデルであるメタスピードSky/Edgeパリの関係と同じで、傾斜が緩いアルファフライ3はメタスピードSkyパリに対応しているといえます。

 反発力が高くて安定感が増したアルファフライ3を好む方は多いと思いますが、軽さ・脚の回しやすさを重視する方や、トラックで練習する場合はヴェイパーフライ3を検討してみても良いと思います。

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まとめ

 アルファフライ3の特徴・使用感を以下にまとめます。

  • 男子マラソン世界記録の実績がある最速モデル
  • 幅が広くなり、さらにソールが一体化されたことで安定性が向上
  • 前作から約30g軽量化(シリーズ最軽量)
  • ヴェイパーフライ3よりも反発力が高く、上方に跳ねる感覚が強い