【On】クラウドモンスター2レビュー│初代モデルと同時に履いて比較
2024/04/14
Onの人気モデルであるクラウドモンスター2の特徴・使用感をレビューします。初代モデルやクラウドモンスターハイパーとの比較も行います。
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商品概要
スペック
- 発売日:2024/2/22
- 定価(税込):¥21,780
- 重量:295g(27.0cm), 265g(25.0cm), 245g(24.0cm)
- 厚さ:37mm
- ドロップ:6mm
- ミッドソール:Helion SF + Nylon Plate
- カテゴリー:クッショニング
- 主な用途:ジョギング、ロング走、ロードレース(サブ4〜完走)、軽めのスピード練習、ウォーキング
数年前までOnのシューズは硬めの乗り心地のものしかありませんでしたが、クラウドモンスターの発売よりクッションを感じられるモデルが増えてきています。
クラウドモンスターは独特なライド感と万能性により一気に人気となり、Onを代表するランニングシューズとなっています。
On公式ではクッションレベル「最大」とされていますが、ふかふかなクッションではなく弾むような感覚が特徴です。
2代目の今作では厚さが37mm(2mm増)になったことで重量は15gほど増加しましたが、その代わり安定性は強化されています。
重量(27.0cm)は295gと重めです。参考として、以下に他社のクッショニングモデルの重量を並べました。
- クラウドモンスター2(On):295g
- ゲルニンバス26(Asics):305g
- インヴィンシブル3(Nike):282g
- クリフトン9(HOKA):248g
- Fresh Foam X 1080v13(New Balance):265g
ゲルニンバス26やインヴィンシブル3はふかふかなクッションが特徴ですが、クラウドモンスター2は弾むような感覚が特徴です。
クリフトン9やFresh Foam X 1080v13よりは重いですが、その代わり反発力が強くてスピードが出しやすいです。
アッパー
左右にスライド可能です。
アッパーは前作と見た目では大きくは変わりませんが、以下の変更点があります。
- 前足部が広くなった
- シューレースを通す部分がワイヤーに変更
- ヒールカウンターが大きくなった
特に前足部が広くなったことが大きな違いで、前作と比べてみると7〜8mmは拡張されたようにみえます(画像3枚目)。
これに伴いサイズ感も大きくなり、私はハーフサイズダウンの25.0cmがフィットしました。
安定性は大きく向上し、かつ着脱が容易になったため普段履きとして使いやすくなったように思います。
ただしホールド力は甘くなり、大きくなったヒールカウンターとアキレス腱との接触がやや気になりました。
ソールユニット
左右にスライド可能です。
ミッドソールは2層構造で、下層はOn史上最も大きなCloudパーツで構成されています。
上層は下層(Cloudパーツ)よりも硬めで、安定性を高める役割があります。触ってみるとかなり硬めですが、下層が大きく圧縮するため全体としてクッションはしっかりと感じられます。
また、2層の間にはナイロン製のプレート(Speedboard)が内蔵されており、Cloudパーツの復元と連携して大きな推進力が生まれます。
初代モデルではSpeedboardがアウトソール側から露出していましたが、今作では溝が塞がれたため裏から目視することはできません。
実走レビュー
ジョギングで数回使用したので、初代モデルと比較しながら乗り心地をレビューします。
購入前は強めのクッションを想像していましたこともあり、実際に走ってみると少しだけ硬めに感じました。
想像よりも硬いだけであってクッションはしっかりと感じられ、マックスクッションと呼べるようなふかふか感ではない程度です。
安定感がありグラつきが小さいため、ふかふか過ぎるシューズが苦手な方におすすめできます。
反発力は内蔵プレートのおかげもあってクッショニングモデルとしては高いです。
ただし、初代モデルと同時に履き比べてみると、独特のバウンス感はやや控えめになったように感じます。
動画で見比べてみると違いはほとんど分からないもの、走ってみると初代モデルの方がわずかに圧縮量が大きいように感じます。
初代モデルでは一部のCloudパーツに力が加わり局所的に圧縮していたのが、2代目では硬い上層が追加されたことで力が分散されやすくなったような印象です。
また、前足部(接地面積)が広くなったことでCloudパーツに加わる圧力が低下したことも影響していると思います。
その代わり反発はすぐに返ってくるのでスピードはそこそこ出しやすく、実測(265g:25.0cm)よりも軽く感じられました。
ただしペースをキロ4(4'00"/km)程度まで上げていくとアッパーの広さと重量感が気になり始めるため、強度の高いスピード練習には厳しいように思います。
用途はリカバリー目的というよりは、やや速めのジョギングまで対応できるシューズと考えるのが良いと思います。
クラウドモンスター(初代)との違い
商品画像の引用元:on-running.com/ja-jp
クラウドモンスター2の主なアップデート内容は以下の通りです。
- 前足部が広くなり安定性が向上
- 上層が追加されたことで2mm厚くなった
- Speedboardの形状が再設計された
- 重量は約15g(実質10g)増加
よくある厚底化のアップデートですが、安定感が増してジョギング寄りになったように思います。
重量は公式値で15g増加していますが、サイズ感が大きくハーフサイズ下げる方が多いと思うため、実質10g程度の増加になります。
履き比べても重量増加は全く気にならず(分からず)、元々軽いシューズではないため用途はほとんど変わりません。
個人的には軽量化を期待していましたが、クラウドモンスター2発売の約1ヶ月後にクラウドモンスターハイパーというモデルが発売されたこともあり、差別化された可能性が考えられます。
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クラウドモンスターハイパーとの違い
商品画像の引用元:on-running.com/ja-jp
クラウドモンスターハイパーはクラウドモンスター2の約1ヶ月後に発売され、スペックの観点から上位モデルに位置します。
トレーニング向けのスーパーシューズのような位置づけで、スーパーブラスト(Asics)やマッハX(HOKA)と同じようなカテゴリーに分類されます。
クラウドモンスター2との見比べると分かるように、前足部にPebax製のHelion HFが使用されている点が大きく異なります。
Helion HFは最速モデルのCloudboom Echo 3にも使用されている反発力に優れたフォーム材で、これ以外のロード向けシューズに採用されるのは初めてです。
Helion HFを採用したことでSpeedboardは非搭載とすることができ、軽量化とともに疲労が溜まりづらい構成となっています。
このようにクラウドモンスター2よりも速いペースまで対応し、さらに疲労感も残りづらいメリットはありますが、定価は26,400円と高価です。
まとめ
クラウドモンスター2の特徴・使用感を以下にまとめます。
- リカバリー用というよりは、速めのジョギングペースまで対応
- ミッドソールが2層構造となり2mm厚底化
- 前足部が広くてサイズ感は大きい
- 前作よりも安定感が増したが、重量は15g増加