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【Asics】ゲルカヤノ31レビュー│マイナーチェンジ?30との違いも解説

ゲルカヤノ31 レビュー

 アシックスの初心者向けモデルであるゲルカヤノ31が2024年8月1日に発売されました。

 前作のゲルカヤノ30が大幅にアップデートされたこともあり、今作ではパーツごとの微調整となりました。

 本記事では、ゲルカヤノ31の特徴・使用感をレビューするとともに、ゲルカヤノ30との違いを解説します。

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ゲルカヤノ31の基本情報

 まずはゲルカヤノ31のスペック、メリット・デメリットを紹介します。

  • 発売日:2024/8/1
  • 定価(税込):¥20,900
  • 重量:305g(27.0cm), 270g(25.0cm)
  • 厚さ:40mm(M), 39mm(W)
  • ドロップ:10mm
  • ミッドソール:FF Blast Plus Eco + PureGEL + 4D Guidance System
  • カテゴリー:スタビリティ
  • 主な用途:ジョギング、ロング走、ロードレース(サブ5〜完走)、ウォーキング
メリット
  • 高いクッション性・安定性
  • 反発力もそこそこ高い
  • 4Dガイダンスシステムによるサポート
デメリット
  • 重い
  • スピード練習には不向き

 ゲルカヤノ31はクッション性・安定性に優れた、初心者定番のシューズです

 様々な機能が搭載されているため重量が重いことがデメリットですが、軽さも求めるなら軽量版のGT-2000がおすすめです。

 また、安定性よりもクッション性に特化したシューズが欲しい場合は、ゲルニンバス・ゲルキュムラスがおすすめです。

▼アシックスのシューズまとめ

ゲルカヤノ31の特徴

快適性と安定性を両立

スタビリティモデル 従来

中足部の断面図。元図は特開2023-163457 図3より引用

 ゲルカヤノのようなスタビリティモデルには、オーバープロネーション(接地時に足が内側に過度に倒れること)を防止する機能が搭載されています。

 オーバープロネーションを防止する手段として、従来は上図のように従来は内側に硬めの部材を配置することで、半強制的に(力技で)倒れないようにしていました。

 ゲルカヤノも29代目まではこのような手段を採用しており、硬めフォーム材であるLITETRUSS(ライトトラス)を配置していました。

 この従来の手段では、硬めの部材による突き上げ感(違和感)や、クッション性との両立が課題となっていました。

 このため、最近のスタビリティモデルでは、単に接地面積を広くすることで安定性を高めることが多くなってきました

 ミッドソールの開発が進み軽量なフォーム材が増えてきたため、接地面積が広くなっても(フォーム材の使用量が増えても)重量を抑えることができるようになったことが大きいです。

ゲルカヤノ31 4D Guidance System

4D Guidance System

 ゲルカヤノ31では接地面積を広くするだけではなく、中足部内側に柔らかいパーツ(4D Guidance System)を配置していることも大きな特徴です。

 柔らかいパーツでは逆に倒れ込んでしまうのではないか、と初めは思ったのですが、従来とは別の発想で倒れ込みを防止しています

ゲルカヤノ31 4D Guidance System

中足部の断面図。元図は特開2023-163457 図3より引用

 上図において、32(十字斜線部)はFF Blast Plus Eco、33(ドット部)は4D Guidance System(以下、4DGS)に対応します。

 FF Blast Plus Ecoよりも4DGSの方が柔らかいため、接地時は4DGSが優先的に変形します。

 ここで4DGSは側面や上面の形状を工夫することにより、上下方向(上図の矢印の方向)に圧縮されるようにしています。

 このため、足が過度に内側に傾こうとしたときに、4DGSが傾くのではなく上下に圧縮することでオーバープロネーションを抑制しています。

 柔らかいパーツを用いているため突き上げ感が軽減され、クッション性との両立も容易になります。

Hybrid AsicsGripを採用

ゲルカヤノ31 AsicsGrip

 ゲルカヤノ31のアウトソールには、耐摩耗性に優れたAharPlusとグリップ力に優れたAsicsGripの組み合わせである、Hybrid AsicsGripが新たに採用されました。

 前作はAharPlusのみだったので、グリップ力が向上したことになります。

 初心者が摩耗させやすい後足部はAharPlus、蹴り出し時に使用される中足部はAsicsGripが配置されています。

ゲルカヤノ31 厚めのアウトソール

 横から見ると、後足部のAharPlusはかなり厚いことが分かります。

 初めて見たときはトレイル用のシューズと間違えたのかと思ったくらいで、耐久性はほとんど心配なさそうです。

実走レビュー

サイズ感・履き心地

ゲルカヤノ31 アッパー
ゲルカヤノ31 アッパー2

左右にスライド可能です。

 サイズ感は普通です。横幅が広いものの、パッドの使用量が多いため履いてみると広さは感じません。

 履き口の部分は大量のパッドで囲まれており、足首周りがしっかりと固定されました(写真2枚目)。

 また、つま先の部分は高さが低いうえに補強が硬めで強く、小指と当たる部分が少し気になりました

 履き心地に関しては肯定的なレビューが多いですが、私はパッドが多すぎて窮屈に感じる部分もあったので少し削減しても良いかなと思いました。

中足部のサポートが強くなった

 履いてみた瞬間に感じたことですが、4DGSのサポートが前作よりも強くなっているように感じました。

 ミッドソールは前作を引き継いでいると思っていましたが、よく見ると形状が微調整されていることが分かります。

 足を内側に倒すと4DGSが圧縮し、外側に押し戻されるような反力を感じることができました

 突き上げ感は履いた瞬間は少し感じましたが、走ってみると忘れてしまうくらいの存在感ではありました。

重さは感じるが反発力で補える

ゲルカヤノ31 10kmjog

 ゲルカヤノシリーズはクッション・サポート機能が充実していることもあり、今作も27.0cmで300gオーバーと重いです。

 アシックス最速のメタスピードParisシリーズは200gを下回っているので、50%以上も重いことになります。

 実際走ってみても重さは感じますが、反発力があるため想像しているよりはスピードが出ていました。

 初心者向けのシューズは衝撃吸収系のクッションを搭載することも多いですが、ゲルカヤノ31はどちらかというと反発寄りでした(クッションもしっかりと効いています)。

 40mmの厚さとFF Blast Plus Ecoの反発力が活かされており、圧縮後は素早く復元することで推進力となっています

 今回は灼熱(33℃)の皇居を2周しましたが、楽にキロ5を切るペースで走ることができました。

 ラスト1kmのラップは4分10秒でしたが、このペースでは重さが無視できなくなり、適正ペースからは外れているように感じました。

ゲルカヤノ30との違い

 ゲルカヤノ31と30の違いを解説します。

ゲルカヤノ31 ゲルカヤノ30
GEL-KAYANO 31 GEL-KAYANO 30
¥20,900 定価(税込) ¥19,800
305g 重量(27.0cm) 303g
40mm 厚さ 40mm
10mm ドロップ 10mm
FF Blast Plus Eco + PureGEL + 4DGS ミッドソール FF Blast Plus Eco + PureGEL + 4DGS
Hybrid AsicsGrip アウトソール AharPlus

商品画像の引用元:asics.com

ゲルカヤノ31の変更点
  • アッパーの通気性が少し向上
  • ミッドソールの形状を微調整
  • Hybrid AsicsGripを採用

 全体的に見ればマイナーチェンジですが、アッパー・ミッドソール・アウトソール全て変更されています。

 ライド感はほとんど変わらず、アッパーの変更による履き心地の差の方が大きいように感じました。

 最新モデルが良いなどのこだわりがなければ、安くなったゲルカヤノ30を選んでも問題ないと思いました。

どんなランナーにおすすめ?

 ゲルカヤノ31は以下のようなランナーにおすすめできるシューズです。

こんなランナーにおすすめ
  • フルマラソン完走を目指している
  • 怪我のリスクを減らしたい
  • ゆっくりペースを気にせず走りたい

 逆に、以下のようなランナーには合わない可能性があります。

こんなランナーには不向き
  • 気軽にランニングを楽しみたい
  • ペースを上げることが多い