【Brooks】ゴースト16 レビュー│DNA LOFT v3に移行してクッション性が向上
ゴースト16はブルックスを代表するランニングシューズで、シンプルながら信頼感があり人気のモデルです。
今作はミッドソールが一新されてクッション性が向上しましたが、その性能・ライド感が気になっている方は多いと思います。
そこで本記事では、ゴースト16の使用感をレビューするとともに、旧モデルのゴースト15や厚底モデルのゴーストマックス2との比較を行います。
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目次
ゴースト16基本情報
まずはゴースト16のスペック、メリット・デメリットを紹介します。
- 発売日:2024/7/19
- 定価(税込):¥17,600
- 重量:270g(27.0cm), 240g(24.0cm)
- 厚さ:35mm
- ドロップ:12mm
- ミッドソール:DNA LOFT v3
- カテゴリー:ニュートラル
- 主な用途:ジョギング、ロング走、ロードレース・マラソン(サブ4〜完走)
- 従来よりも弾むDNA LOFT v3を採用
- 前作よりも10g軽量
- アッパーのフィット感
- シンプルでスムーズなライド感
- 12mmドロップが(人によっては)高すぎる
- ヒールカウンターが硬い
DNA LOFT v3を採用
ブルックスの主なミッドソールには、クッション性が特徴の「DNA LOFT」と、反発力が特徴の「DNA FLASH」があります。
DNA LOFTは2度改良されており、それぞれ以下のような特徴があります。
- DNA LOFT:標準フォーム材であるEVAにラバーをブレンド。EVAよりも柔らかく、耐久性も向上
- DNA LOFT v2:配合と製造方法の見直しにより約10%軽量化
- DNA LOFT v3:液化窒素を注入するプロセスを取り入れ、弾力感が向上
前作ではDNA LOFT v2が使用されていましたが、今作ではDNA LOFT v3に変更されたことが大きなアップデートです。
EVAに液化窒素を注入する製造方法はブルックスだけでなく、HOKAが「スーパークリティカルフォーム」呼んでいるもの(マッハ6などに採用)と同様です。
このプロセスにより、元々反発力が高くないEVAが弾むようになり、かつ軽量化も実現することができます。
厚底モデルのゴーストマックス2もDNA LOFT v3に変更されており、現行モデルでDNA LOFT v2を採用したシューズは完全になくなりました。
他社も軽量で弾むフォーム材を採用しており、ブルックスもようやく最近のトレンドを取り入れたといえます。
実走・性能レビュー
サイズ感・履き心地
サイズ感は丁度良かったです。ブルックスのシューズを履く機会は少ないですが、履き慣れたようなフィット感でした。
デイリートレーナーのため厚めではありますが、ペースを上げてもブレることはなく、かといって窮屈に感じる部分もありません。
唯一気になる点を挙げるならヒールカウンターで、両側から押してもほとんど変形しないくらい硬いです。
ドロップが12mmであることも合わせて、ヒールストライカー向けの設計であるといえます。
それでも過度なサポートではないため重量増加は最小限で、重さはほとんど気になりませんでした。
シンプルイズベスト
手前:ゴースト16(DNA LOFT v3 使用)、奥:ゴーストマックス初代(DNA LOFT v2 使用)
新たに採用されたDNA LOFT v3はクッショニングモデルのグリセリンと同じフォーム材ですが、ゴースト16の方が少し硬めに調整されているるように感じました。
DNA LOFT v2と比べればポップ感が増しているものの、従来のライド感からかけ離れてはいません。
今までのゴーストが好みだった方にも合うように、程良くクッション・反発をプラスしているようなイメージです。
厚さは35mmと厚すぎず、ミッドソールは1層で反発もクッションも程良く、良い意味で突出した特徴がなくシンプルです。
シンプルとは言いつつ前作よりも反発があるうえに軽量なため、キロ4ペースまで簡単に上げることができました。
他社のフォーム材と比較すると、FF Blast(Asics)、React(Nike)と同じくらいの硬さに感じました。
このためペガサス41(Nike)のライド感に近く、価格帯も同じため競合モデルといえそうです。
ペガサス41の方が若干反発が強い印象ですが、ゴースト16の方が軽量です。一長一短で、大きな差異はないように思います。
最近はノヴァブラスト(Asics)やFresh Foam X 1080(New Balance)のようなふかふかで弾むシューズを履く機会が増えていましたが、このようなシンプルなシューズもローテーションで回していきたいと思いました。
ドロップは12mmも必要?
ゴースト16のドロップは12mmですが、こちらは前作からずっと受け継がれています。
この12mmのドロップは高ドロップに分類され、現行モデルではウエーブライダー(Mizuno)など限られたモデルでしか見られず、13mm以上のシューズは知っている限りありません。
高ドロップのシューズはヒールストライカー(かかと接地)には体重移行がスムーズになるメリットはありますが、それ以外のランナーには不自然に感じることもあります。
また、ドロップが高くなるほど前足部の厚さが薄くなり、ゴースト16の前足部の厚さは23mm(=35mm-12mm)になってしまいます。
ロッカー構造はそれほど強くないため、つま先が大きく前に傾く感じは少ないですが、普段履いているシューズとドロップの差が気に掛かりました。
ゴースト15、ゴーストマックス2との違い
旧モデルのゴースト15、厚底モデルのゴーストマックス2との違いを整理します。迷った際は、こちらの比較表を参考にしてみてください。
Ghost 16 | Ghost 15 | Ghost Max 2 | |
---|---|---|---|
定価(税込) | ¥17,600 | ¥17,600 | ¥22,000 |
重量(27.0cm) | 270g | 280g | 305g |
厚さ | 35mm | 35mm | 39mm |
ドロップ | 12mm | 12mm | 6mm |
ミッドソール | DNA LOFT v3 | DNA LOFT v2 | DNA LOFT v3 |
タイプ | ニュートラル | ニュートラル | クッション |
商品画像の引用元:brooksrunning.co.jp
ゴーストマックス2もミッドソールがDNA LOFT v3に移行したため、単純にゴースト16の厚底モデルといえます。
ドロップが6mmと小さいため、前足部でよりクッションを感じることができると思います。
中上級者も扱いやすいシューズですが、重量が300gを超えているためジョギング・リカバリー用途に限られます。
旧モデルのゴースト15はミッドソールがDNA LOFT v2なので、ゴースト16よりもさらにシンプルなライド感です。
ゴースト16の方が軽量でクッションもあるため、価格に大きな差がなければゴースト15を選ぶ必要性は低いと感じます。
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どんなランナーにおすすめ?
ゴースト16は以下のようなランナーにおすすめできるシューズです。
- シンプルなデイリートレーナーを探している
- そこそこ軽量で、程良いクッション・反発があれば良い
- 今までのゴーストが合っていた
- ヒールストライカー向けのシューズが欲しい
逆に、以下のようなランナーには合わない可能性があります。
- 強い反発力を求めている
- 高ドロップのシューズが合わない