【Asics】GT-2000 14 レビュー│絶妙に欲しかったノヴァブラストの安定版

アシックスのGT-2000シリーズといえばゲルカヤノの軽量版の立ち位置で、程良いサポートと軽量性のバランスが取れたシューズです。
今作ではミッドソールにノヴァブラスト5と同じFF Blast Maxを採用し、バウンス要素を取り入れた大幅アップデートとなりました。
そこで本記事では、GT-2000 14と特徴・使用感について、主にノヴァブラスト5と比較しながらレビューしていきます。
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目次
GT-2000 14 基本情報
- 発売日:2025/8/21
- 定価(税込):¥16,500
- 重量:273g(27.0cm M), 239g(25.0cm W)
- 厚さ:36.5mm(M), 35.5mm(W)
- ドロップ:8mm
- ミッドソール:FF Blast Max + PureGEL
- カテゴリー:スタビリティ
- 主な用途:ジョギング、ロング走、ロードレース・マラソン(サブ4~完走)、ウォーキング
- ブラストシリーズの要素を追加
- 反発力が向上
- 程良い安定性
- スタビリティモデルとしては軽量
- スピードを出すには幅が広い
- 550円値上げ
GT-2000 14の特徴
安定性と軽量性のバランス

GT-2000シリーズは程良い安定性を備えつつも、スタビリティモデルとしては軽量でスピードが出しやすいのが特徴です。
重量は273g(27.0cm)でスタビリティモデルとしては軽量で、ニュートラルなシューズとしても重くはありません。
重量イメージとしてはクリフトン10(HOKA)・スーパーノヴァライズ2(Adidas)と同等レベル、ペガサス41(Nike)・クラウドモンスター2(On)よりも10〜20g程度軽量です。
サポート機能には前作同様に「3Dガイダンスシステム」が設けられています。
簡単にいうと、ソールの幅を広げることで安定性を高め、適切な傾斜をつけることで前方への体重移動をガイドする機能です。
ゲルカヤノほど強力なサポートではないですが、軽量でスピードは出しやすく、さらに安く手に入るメリットがあります。
ブラストシリーズの要素を追加

スタビリティモデルは一般的には柔らかすぎないフォームを使用しますが、GT-2000 14はノヴァブラスト5と同じ、弾力感があり柔らかい「FF Blast Max」を新たに採用しています。
GT-2000 13ではゲルカヤノ32・ゲルニンバス27などと同じ「FF Blast Plus」を使用していました!
初代モデルからは追えていませんが、少なくともここ数モデルでは一番大きなアップデートだと思います。
ミッドソール全域にFF Blast Maxを配置しているのは、現状ノヴァブラスト5とGT-2000 14のみです。
ノヴァブラスト5と比較すると、GT-2000 14の方が5mmほど薄く、また後足部(かかとの裏)にクッション性に優れた「PureGEL」を内蔵しています。

さらにアウトソールを見てピンときた方もいると思いますが、ブラストシリーズと同じようなパターンに変更されています。
中央部のラバーが独立している部分が若干突出していますが、この突出部が大きく圧縮することでバウンス感が強く得られます。
このパターンはブラストシリーズ特有だったので、他シリーズに採用されたのは初めてです。
スタビリティモデルとバウンス要素は面白い組合せで、ありそうであまりなかったシューズだと思います。
実走レビュー
サイズ感・履き心地
左右にスライド可能です。
サイズ感は普通です。アッパーは少し伸縮性があるので、普段のサイズで問題ないと思います。
かかと周りはゲルカヤノと同じくらいの硬さで、後ろから見ると上に行くにつれて細くなっていることが分かります(写真2〜3枚目)。
これにより、かかとから接地してもしっかりとホールドされている感覚がありました。
また、3Dガイダンスシステムもゲルカヤノと同等程度感じられ、特に内側の傾斜(プロネーション抑制)は分かりやすいと思います。
思っていたより安定要素は残っている

ノヴァブラスト5の安定版ともいえる構成ですが、どちらかというと前作のGT-2000 13に近かったです。
スタビリティモデルらしさはしっかりと残っていて、ノヴァブラストを30%程度組み合せたようなイメージです。
反発力は明らかに向上しているものの安定感の印象が強く、かといってGT-2000 13のがっちり感でもないくらいです。
FF Blast Maxの硬度を調整している可能性も考えましたが、ノヴァブラスト5と同時に触ってみても明確な違いはありませんでした。
ソールの厚さ・形状のみで大きくライド感が変わっていて、しっかり別のシューズになっているように思います。
ゲルカヤノ32と比較すると、厚さはGT-2000 14の方が薄いものの、フォーム(FF Blast Max)の差で反発力・クッションは同等レベルに感じられました。
もちろん安定感は敵いませんが、それほどサポートを必要としないなら問題にならないと思います。
ノヴァブラスト5がふかふか過ぎる、またはゲルカヤノ32が重いと感じていた方にとっては、丁度良い安定感・反発・軽量性で絶妙に欲しかったシューズになっていると思います。
スタンダードモデルとして選びやすい

GT-2000シリーズはアシックスのラインナップの中ではバランスが良く、ペガサス(Nike)のようなスタンダードモデルとして選びやすいと思います。
特に今作はクッション・反発力が強化されたことで、ニュートラルなシューズに近づいています。
スピードを出すには少し幅が広いですが、反発力と軽量性で補えるためキロ4前後までなら全然使って良いと思えました。
ゲルカヤノと同じくサブ5〜完走レベルとされていますが、5分40秒ペースであるサブ4までなら問題なく対応すると思います。
(個人的には、さらにサポートを削って軽量になったら嬉しいですが、それなら隠れた名作でもあるダイナブラスト5もあります。)
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アシックスのシューズは多くて迷うと思いますが、ミドルレンジの価格帯(おおよそ16,500円前後)から探しているなら、どの性能を重視するかで考えると分かりやすいと思います。
安定性を求めるならGT-2000 14で、クッションならゲルキュムラス27、スピードならエボライドスピード3、反発力ならノヴァブラスト5がまず選択肢に入ります。
GT-1000 14との違い
下位モデルのGT-1000 14との違いを解説します。
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GT-2000 14 | GT-1000 14 | |
¥16,500 | 定価 (税込) |
¥12,000 |
273g | 重量 (27.0cm) |
265g |
36.5mm | 厚さ | 35.5mm |
8mm | ドロップ | 8mm |
FF Blast Max + PureGEL | ミッド ソール |
FF Blast + PureGEL |
商品画像の引用元:asics.com
GT-1000は下位モデルですが、3Dガイダンスシステムを搭載するなど12,100円のシューズとしては機能が充実しています。
大きな違いはミッドソールで、FF Blast Maxよりは硬めのFF Blastを使用しています。
ただしFF Blastも決して安価な材料ではなく、数モデル前のゲルカヤノやGT-2000などに使用されていました。
そういった意味ではGT-2000 11 (3年前)に追いついたともいえ、コスパ面では悪くないように思います。
GT-1000 14はなぜか公式サイトではGTX(ゴアテックス)のみしか掲載されていませんでしたが、ECサイトでは通常版も購入可能です。
ちなみに、GT-1000 14 GTXの定価はGT-2000 14と同じ16,500円なので、防水性を求めるなら考えてみても良いと思います。
どんなランナーにおすすめ?
GT-2000 14は以下のようなランナーにおすすめできるシューズです。
- スタビリティモデルの中でも軽い方が良い
- ゲルカヤノは重く感じる
- ノヴァブラスト5に安定感がほしかった
- サブ4に向けてステップアップしたい
逆に、以下のようなランナーには合わない可能性があります。
- ノヴァブラストのようなバウンスを期待している
- ゲルカヤノのような強力なサポートがほしい