【Asics】メガブラスト レビュー│新素材のFF Turbo Squareは硬め?

アシックスのメガブラストは、バウンス感が特徴のブラストシリーズの最上位モデルです。
新素材のFF Turbo Squareを採用し、スーパーブラストよりも上位の位置付けとされています。
本記事ではメガブラストのレビューを行いつつ、スーパーブラスト2との違いも解説します。
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メーカー別 | |
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レベル別 | |
用途別 |
目次
メガブラスト 基本情報

- 発売日:2025/9/4
- 定価(税込):¥27,500
- 重量:230g(27.0cm)
- 厚さ:46mm
- ドロップ:8mm
- ミッドソール:FF Turbo Squared
- カテゴリー:トレーニング
- 主な用途:ジョギング、ロング走、リカバリー、LT走、ロードレース・マラソン(サブ3〜サブ5)
- 46mmのソールを活かしたバウンス感
- 圧倒的な軽さ
- ノンプレートで脚に優しい
- あらゆるトレーニングに対応
- レーシング並の価格
メガブラストの特徴
「FF Turbo Squared」とは?

メガブラストは超厚底の46mmのソールを備え、その全域に新たなスーパーフォームである「FF Turbo Squared」を採用しています。
材質はPEBAではなく、メタスピード東京シリーズに採用されている「FF Leap」と同じA-TPU(脂肪族TPU)をベースにしているとされています。
材質に関してはメタスピードエッジ東京の記事で細かく触れているので、参考にしてみてください。
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ミッドソールには「FF Turbo2」と印字されているように、Square(d)には「2乗」の意味があります。
既に「FF Turbo Plus (足し算)」が使われているので、より高性能であることを示すためにSquared(2乗)を使ったのかもしれません。
算数の問題のようになってしまいますが、反発力に関してアシックス公式サイト(海外含む)には以下のような記載がありました。
- FF Turbo Plus:FF Turboよりも反発力が8.2%高い
- FF Turbo Squared:FF Turboよりも反発力が32.5%高い
- FF Leap:FF Turbo Plusよりも反発力が8.7%高い
FF Turboはメタスピードプラスシリーズ(メタスピード第2世代)で使用されていたフォームです!
まず上の2つから、FF Turboの反発力を100としたとき、FF Turbo Plusは108.2、FF Turbo Squaredは132.5と計算されます。
あくまでニュアンスですが、予想通り足し算よりも2乗した方が反発力が大きくなっていました。
次にメタスピード東京シリーズ使用されているFF Leapの反発力は、
108.2×1.087 = 117.6
と計算できます。計算上ですが、まさかのFF Turbo Squareの方が反発力が高い結果となりました。こう見ると32.5%は凄まじいです。
ただし軽量性やクッションに関する記載はないですし、厚さ・クッションなどの違いにより実際に感じる推進力は数値と異なることもあります。
デイリー用としても使えるように硬めに調整して安定性を高めるていることは何となく予想できますが、実際の感じ方については記事後半で触れていこうと思います。
圧倒的な軽さ
厚さ40mm超のスーパートレーナーと重量を比較してみます。
メーカー | 厚さ | 重量(27.0cm) | |
---|---|---|---|
Megablast | Asics | 46mm | 230g |
Sonicblast | Asics | 46mm | 256g |
Neo Vista 2 | Mizuno | 44.5mm | 265g |
Prime X 3 | Adidas | 50mm | 275g |
Vomero Plus | Nike | 45mm | 279g |
比較表には載せていませんが、この厚さだったらマックスクッションモデルでは300g前後になります。
このように比較してみると、メガブラストが圧倒的に軽量であることが分かると思います。
230gがどれくらいかというと、ノヴァブラスト5、マジックスピード4、S4+、ズームフライ6(Nike)、ボストン13(Adidas)よりも軽量です。
厚さが46mmもあるシューズは大半がリカバリー用、速くてもマラソンペースくらいで使うことが多いですが、この軽さならさらに速いペースまで対応できそうです。
実走レビュー
サイズ感・履き心地
左右にスライド可能です。
サイズ感は普通でした。同時に発売されたソニックブラストなど、他のアシックスのシューズと大きく変わりません。
アッパーはザラザラとした質感ですが柔らかく、透けるほど極薄の部分と、少しだけ補強されている部分があります。
アッパーだけで重量230gは達成できないと思うので、FF Turbo Squaredも相当軽いはずです。
幅は狭すぎず余裕があり、厚さに対して超軽量なのにかかと周りのパッドもしっかり入っていました。
チート級の性能でひたすら楽しい

ブラストシリーズ最上位ということだけあってバウンス感は凄まじく、簡単にペースが上がってしまいます。
新素材のFF Turbo Squaredの硬度はFF Turbo Plusよりも若干柔らかいくらいで、FF Leapよりはしっかりとしていました。
思っていたよりも硬かったとい投稿も見かけますが、FF Leapを想像しているとそう感じるのかもしれません。
記事前半で計算上はFF Leapよりも反発力が高くなると書きましたが、走ってみると大きく圧縮するFF Leapの方がグインクイン進んでる感はあります。
それでもソールの厚さと形状の効果でそこそこ圧縮はするため、反発力が高いことには変わりありあせん。
圧縮後に解放される速度が速いためテンポ良く走れ、また安定感はFF Leapよりもあるのでメガブラストの方が進みやすいと感じる方もいると思います。

それに加えて超軽量というメリットもあり、大半のシューズを全パラメータで上回るようなチート級の性能に感じました。
ポケモンでいうならガブリアスのように高火力で圧倒できるのに、素早さの個体値も高く先攻すらしてしまうようなイメージです。
LTペースまでなら全然使えそうで、3分ペース前後のインターバルで使っても良いくらいの感触でした。
アシックス(ランステ)のサイトでは選びやすさのためか対象レベルをサブ4〜4.5と記載していますが、そんな訳がなくサブ3も余裕を持って達成できる性能です。
サブ4レベルのランナーで、レース後半にプレートの硬さ・強制感が気になってくる方はノンプレートのメガブラストを選んでも良いかもしれません。
待望のノンプレートスーパーシューズ

(左)ソニックブラスト (右)メガブラスト
プレートを内蔵せず、スーパーフォームのみを使用したシューズはアシックスではメガブラストが初めてです。
同時に発売されたソニックブラストはPebaxプレートを内蔵し、ソール下層にはスーパーフォームではないFF Blast Maxを配置しています。
スーパーブラスト2はプレートがないですが、こちらもソール下層にFF Blast Plus Ecoを配置していたため100%スーパーフォームではありません。
超厚底ソールにスーパーフォームを使用することでチート級の性能を実現しつつ、またプレートがないため脚への負担が減らせることが大きなメリットです。
待望のノンプレート100%スーパーフォームのシューズで、トレーニングにはメガブラスト1足あれば大半がカバーできてしまいます。
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他社製品で一番脅威になるのは、アディダスのアディゼロEVO SLだと思います。
EVO SLは正確にはプラスチックシャンクが内蔵されてはいますが、さほど大きくはないためノンプレートの感覚に近いです。
厚さは38.5mmとメガブラストよりは薄いですが、定価は19,800円で重量は224gと軽量です。
この厚さでも反発力は十分得られるので、欲をいえばメガブラストを40mm以内で再設計し、200gを切るようなスーパートレーナーも並行して発売してほしいです。
高速ペース(5000mRP〜)では厚底すぎず軽量な方が扱いやすく感じるので、この穴を埋めるようなシューズがあると嬉しいです。
スーパーブラスト2との違い
同じバウンスシリーズのスーパーブラスト2との違いを解説します。
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![]() |
|
---|---|---|
Megablast | Superblast 2 | |
¥27,500 | 定価 (税込) |
¥24,200 |
230g | 重量 (27.0cm) |
250g |
46mm | 厚さ | 45mm |
8mm | ドロップ | 8mm |
FF Turbo Square | ミッド ソール |
FF Turbo Plus + FF Blast Plus Eco |
商品画像の引用元:asics.com
どちらも40mm超のソールを備え、かつプレートを内蔵していない点で、構造が似たシューズといえます。
公式サイトではメガブラストの方がコンセプトレベルが上位とされていますが、確かに履き比べてみるとバウンス感はより強く感じます。
さらに重量はメガブラストの方が20gほど軽いため、上位モデルとしてしっかりペース域は広くなったといえます(スーパーブラスト2もかなり多用途ではあります)。
もう1点大きな違いとしてはメガブラストの方がロッカーが強く、反発力と合わせて勝手にペースが上がっていくような感覚になります。
ただし安定感はスーパーブラスト2の方があるため、自分のペースでリラックスし、気軽に走りたい場面では適しているように感じます。
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どんなランナーにおすすめ?
は以下のようなランナーにおすすめできるシューズです。
- 極厚ソールのバウンス感を楽しみたい
- 圧倒的な軽さと推進力でスピードを出したい
- ノンプレートのスーパートレーナーが欲しかった
- 脚へのダメージを抑えつつトレーニングを積みたい
逆に、以下のようなランナーには合わない可能性があります。
- 40mm前後で良いから価格とのバランスも考えたい
- シューズに走らされず自分のペースを守りたい