【Brooks】ハイペリオン3 レビュー│ノンプレートでは圧倒的なスピード性能
ブルックスのハイペリオン3は、ノンプレートでスピードが出しやすいトレーニングモデルです。
シリーズを通して徐々に厚底化されて重量は増していますが、想定以上にスピードが出しやすく良い方向へのアップデートとなっていました。
本記事ではハイペリオン3の特徴・使用感について、他社のノンプレートモデルと比較しながらレビューしていきます。
シューズまとめ記事のリンク
| メーカー別 | |
|---|---|
| レベル別 | |
| 用途別 |
目次
ハイペリオン3 基本情報
- 発売日:2025/7/25
- 定価(税込):¥22,000
- 重量:240g(27.0cm), 208g(24.5cm)
- 厚さ:37mm
- ドロップ:8mm
- ミッドソール:DNA FLASH v2
- カテゴリー:トレーニング、スピード
- 主な用途:レペティション、インターバル、LT走、ジョギング、ロードレース・マラソン(サブ3〜サブ4)
- ノンプレート最高のスピード性能
- レスポンスが良い
- 反発力が大きく向上
- デイリートレーナーとしても使用可能
- 大幅な重量増加
ハイペリオン3の特徴
2020年にハイペリオンテンポというスピードモデルがありましたが、その後継にあたるのがハイペリオンシリーズです。
ハイペリオンテンポは28mmほどの薄めのソールを備え、ハイペリオンシリーズも初めは硬めの接地感を引き継いでいました。
その後モデルが新しくなるごとに徐々に厚みが増していき、今作で37mm(実測37.5mm)と40mmに迫る厚さになりました。
スピードモデルとしてはやや厚く、スーパートレーナーの要素を取り入れたようになりました。
この変更を残念に感じる方も少なからずいると思いますが、硬めの接地感のシューズとしてはローンチ12が残されています(反発力は落ちます)。
重量は公表値(27.0cm)が240gで、実測値(24.5cm)は208gでした。
一番残念なポイントではありますが、ハイペリオン2よりも40gほど重くなってしまいました。
ただし、実走レビューで記載するように私は反発のメリットが大きく上回るように感じています。
ミッドソールにはハイペリオンエリート4以前と同じ「DNA FLASH v2」を全域に使用しています。
ショアA硬度は5回平均値が34.7HAでした。感触としてはグリセリンマックスの「DNA GOLD」に近いです。
ただしDNA FLASH v2の方が復元時のパワーが強く、しっかりと弾力感が感じられます。
弾力感はニューバランスのFuelCellフォームに似ていますが、そこから少し硬度を高めてレスポンスを速くしたようなイメージです。
厚さが大きく増加したことも合わせて、重量増加と引き換えに反発力・クッションが大きく向上したといえます。
実走レビュー
サイズ感・履き心地
24.5mmサイズにおける内寸の測定結果は以下のようになりました。
データ数が多くはないですが数値上は平均的で、普段のサイズで丁度良いと感じました。
アッパーは2層のメッシュ構造ですが、内側の層も外側と同じくらい大きな通気孔が設けられており、フィット感も通気性も抜群です。
ただし大きくは伸縮せず、かかと周りがしっかりと固定されるため、その部分で小さく感じるかもしれません。
スピードを出すためには最適なホールド感だと思いますが、デイリー用としてストレスフリーで走りたいなら0.5cm上げても良いかもしれません。
ノンプレートでは圧倒的なスピード性能
大幅に重量増加しているためほとんど期待していませんでしたが、むしろスピードが出しやすくなっていました。
もちろん重量増加はデメリットにはなり、実際に評価は割れていますが、私は反発力・クッションが向上したメリットが上回るように感じました。
この反発力を簡易的に数値化するために、鉄球を1m上から落下した際の反発高さを測定しました。
47cm反発しましたが、プレート非搭載のシューズとしてはかなり上位に入っています。
DNA FLASH v2はかつてスーパーフォームとして使われていただけあり、しっかり弾んでくれました。
この結果は実際に感じられる反発力とも一致していて、プレート非搭載のシューズとしてはトップレベルでスピードが出しやすいと感じます。
現在ブルックスはより弾力感のある「DNA GOLD」に移行していますが、プレート非搭載ならDNA FLASH v2の硬度がレスポンスの速さにつながり相性が良いように思いました。
37mmの厚底ソールになったことでロッカーも程良く効いていて、ある意味プレートの役割のように前に押し出してくれます。
このように高い反発力に加えてレスポンスも良いため足が回しやすく、60秒(/400m)のような高速ペースでも使えてしまいます。
クッションも高いためデイリートレーナーとしても使えるし、ノンプレートで万能なシューズを探しているならかなりおすすめできます。
スーパーフォーム×ノンプレートは貴重
ミッドソール全域にスーパーフォームに採用し、かつノンプレートのシューズは意外と多くありません。
特に、性能のバランスが取りやすい35mm前後の厚さに絞るとほとんどありません。
唯一思い浮かぶのはHOKAのシエロロードで、こちらは持っていないため性能は触れませんが、定価が26,400円と高価です。
アディダスのアディゼロEVO SLはドッグボーン(短いナイロンプレート)が内蔵されていますが、ノンプレートの感覚に近く、反発力が高いため最も脅威になり得ると思います。
アシックスのエボライドスピード3はスーパーフォームは備えていませんが、足の回しやすさでは似ているように思います。
ハイペリオン3は例えるならEVO SLとエボライドスピード3の良いところを組み合わせ、高い反発力・レスポンス・軽量性を両立したシューズだといえます。
ブルックスのシューズの多くは割高ですが、ハイペリオン3に関しては他社製品には見られない性能を考慮すれば22,000円はそこまで高価に感じません。
ちなみに海外での定価は140ドルで、ノヴァブラスト5(Asics)やペガサス41(Pegasus)よりも安く、かなり羨ましいです。
あまりにも安いため過大評価していないか心配になりますが、日本で17,600円前後だったらかなり売れると思うし、それくらい良いシューズです。
2代目までとは別のカテゴリーにはなりましたが、1足持っていて困ることはないので、気になったら試してみても良いと思います。
ハイペリオンマックス3との違い
超厚底スーパートレーナーであるハイペリオンマックス3との違いを解説します。
![]() |
![]() |
|
|---|---|---|
| Hyperion 3 | Hyperion Max 3 | |
| ¥22,000 | 定価 (税込) |
¥30,800 |
| 240g | 重量 (27.0cm) |
280g |
| 37mm | 厚さ | 46mm |
| 8mm | ドロップ | 6mm |
| DNA FLASH v2 | ミッド ソール |
DNA GOLD + DNA FLASH v2 + Pebax Plate |
商品画像の引用元:brooksrunning.co.jp
マックスシリーズは通常モデル(ここでいうハイペリオン3)を厚く、ドロップを小さく、ロッカーを強くしたようなシューズです。
ハイペリオンマックス3はそれだけでなく、Pebaxプレートを内蔵し、ソール上層にDNA GOLDを配置しています。
反発力はスーパートレーナーと呼ばれるカテゴリー内でも強力で、推進力はハイペリオン3すら大きく上回ります。
ただし重量が280gと軽くはないため、ハイペリオン3が得意とする高速ペースでは使いづらさがあります。
ジョギングより速いペース〜LTペースの範囲であればハイペリオンマックス3の方が楽に走れる印象で、力を入れなくても簡単にペースが上がってしまいます。
一方でハイペリオン3は高速ペースの他にデイリートレーナーとしても適していて、ハイペリオンマックス3では使いづらいペースで活躍します。
このため性能(スピード特化 or 反発力特化)で選んでも良いし、ペースによって使い分けるのも良いと思います。
関連記事
どんなランナーにおすすめ?
ハイペリオン3は以下のようなランナーにおすすめできるシューズです。
- ノンプレートでもスピードが出せるシューズを探していた
- 反発力もレスポンスも求めたい
- デイリートレーナーとしても使いたい
- ブルックスは気になるが、高くて手が出なかった
逆に、以下のようなランナーには合わない可能性があります。
- 前作までのような硬めの接地感が良い
- 重量増加がとにかく残念



