【Adidas】アディゼロタクミセン11 レビュー│ソールのサイレント修正で反発力が向上

アディダスのタクミセン11は、5km〜10kmの高速ペースで活躍するレーシングモデルです。
純粋なスピードの観点ならアディオスプロ4と同等以上のレベルで、その性能が気になっている方は多いと思います。
本記事では、タクミセン11の特徴・性能について、他のレース・トレーニングモデルと比較しながらレビューします。
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目次
アディゼロタクミセン11 基本情報

- 発売日:2025/9/1
- 定価(税込):¥24,200
- 重量:188g(27.0cm)
- 厚さ:33mm
- ドロップ:7mm
- ミッドソール:Lightstrike Pro + Energy Rods 2.0(Glass Fiber)
- カテゴリー:レーシング
- 主な用途:ロードレース(5km~ハーフマラソン)、駅伝、インターバル、テンポ走、ジョギング(速め)
- 200gを切る軽量設計
- 弾力感のあるフォームに改良
- シューズに走らされる感がない
- アッパーのフィット感が向上
- スピードを出すには幅が広い
- 2,200円値上げ
アディゼロタクミセン11の特徴

タクミセンは5km〜10km前後の高速レースに適したモデルで、マラソン最速モデルのアディオスプロを薄底化したような構造をしています。
ミッドソールにはアディオスプロ4と同じライトストライクプロが使用され、グラスファイバー製のエナジーロッド2.0(5本指形状バー)を内蔵しています。
厚さは33mmと厚すぎないため重量は188g(27.0cm)と軽量で、タクミセン10(200g)からも10gほど軽量化されています。
アディダスのレース・トレーニングモデル(EVO2を除く)では、厚さ27mmのジャパン9に次ぐ2番目の軽さになりました。
厚さ | 重量(27.0cm) | |
---|---|---|
Japan 9 | 27mm | 177g |
Takumi Sen 11 | 33mm | 188g |
Adios Pro 4 | 39mm | 200g |
EVO SL | 38.5mm | 224g |
Boston 13 | 36mm | 255g |
ストリークフライ2(Nike)のように150gを切るところまで軽ければかなり嬉しいですが、クッション・扱いやすさを考慮すれば良いところだと思います。
フルモデルチェンジのためどこが軽量化に寄与しているかは明確ではないですが、アウトソールの変更もある程度影響していそうです。
(1枚目)タクミセン11 (2枚目)タクミセン10
この変更もアディオスプロ4を踏襲していて、コンチネンタルラバーの範囲を限定し、軽量なライトトラクションを採用しています。
(アッパーやミッドソールのアップデートについては、実走レビューに記載していこうと思います。)
実走レビュー
サイズ感・履き心地

サイズ感はかなり大きいです。レーシングモデルとは思えないほどの大きさで、1.5cm下のサイズでも無理なく履けるレベルでした。
普段のサイズでぴったり合う方はほぼいないと思われ、0.5cmは確実に下げた方が良いように感じます。

ヒールカウンターはなく、かかとの固定用のパッドも気持ち程度なので、ホールド力は強くないです。
スピードを出すシューズなのでアッパーの緩さはかなりもったいないですが、サイズを下げてフィットするなら軽くもなるので良い点ともいえます。
私の場合は1.0cm下げればしっかり固定されましたが、それはそれでどこかしら当たる不安もあったので、0.5cm下げにしました。
それでも、アッパーはアディオスプロ4と同じライトロック(柔らかい素材)になり、フィット感は良くなりました。
ちなみにタクミセン10のアッパーは以下のような感じで、通気性は良いものの硬めでチクチクするような質感でした。

ライトロックは詰まっているので通気性はやや落ちますが、極薄なので足の形状にしっかり追従します。
ただサイズ感が合わないとホールドしてくれないので、サイズに迷ったら短い距離用と割り切って小さい方を選択しても良いかもしれません。
ミッドソールが明らかに変化している

ミッドソールは前作と同じ名前のライトストライクプロですが、明らかに弾力感が増しています。
アディオスプロ4も同様でしたが、ライトストライクプロの材質がサイレント修正されており、これがタクミセン11のアップデートにも適用されていると思われます。
明らかに性質が異なるため名称は変えてほしいところですが、良い方向へのアップデートにはなっています。
このミッドソールの変更が一番のアップデートと感じられ、タクミセン10のがっちりした接地感が少し和らいでいます。
これにより反発力・クッションがともに向上していて、軽量化も合わさりスピードがさらに出しやすくなったように感じました。
アディオスプロ4と比べてもタクミセン11は強いロッカーがないためピッチを上げやすく、純粋なスピードなら上回るように思います。
基本的には10km以内が良さそう

厚さ33mmの表記
ミッドソールは柔らかくなったものの、エナジーロッド2.0(グラスファイバー製)の硬度がそこそこあるため、接地感は和らいだとはいえしっかり残っています。
アディオスプロ4のような厚底シューズに慣れていると、ペースが落ちた際に硬さを感じるかもしれません。
クッションはアディゼロジャパン9よりはありますが、アディゼロSL2よりは硬く感じました。
キロ4を超えてくると曲げづらくなり、そこまで違和感はないものの、距離が伸びるにつれて気になり始めました。
エリート選手がハーフ・フルマラソンで使っている場面を見かけますが、まずは10kmまでと考えておいた方が無難だと思います。
高速ペースならアディオスプロ4よりも使いやすく、何よりトラックとの相性が良いので、インターバルで使うならタクミセン11が一番適しています。
2分40秒ペース(64秒/周)くらいまでであれば快適で、スパイクの代わりに使っても良いくらいです。
逆にロング走など距離が伸びてくるとEVO SLの方が使いやすいし、ジョギングでも使うとなるとボストン13をおすすめします。
ただ明確に境界線があるイメージでもなく、ストリークフライ2ほど極端でもないので、(もったいないけど)ジョギングで使えないこともないです。
厚底シューズ登場前なら厚さ33mmでも全然マラソンシューズといえるレベルなので、今の基準ではクッションが物足りないと感じるだけではあります。
基本は高速レース・インターバルですが、ある程度は幅広く使えるのがメリットともいえます。
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どんなランナーにおすすめ?
アディゼロタクミセン11は以下のようなランナーにおすすめできるシューズです。
- スピード・脚の回しやすさを重視
- トラックのスピード練習用に欲しい
- タクミセン10が若干硬かった
- 接地感を掴みながらペースをコントロールしたい
逆に、以下のようなランナーには合わない可能性があります。
- ハーフマラソン以上で使いたい
- 圧倒的な反発力で進みたい