新体力テスト1500m/1000mの平均タイム│記録を伸ばすコツは?
新体力テストで行う持久走(男子1500m, 女子1000m)の平均タイムを年齢別にまとめました。陸上部との比較や、タイムを伸ばすコツも紹介します。
平均タイム・タイム分布の記事リンク
年齢別
中学 | |
---|---|
高校 | |
一般 |
大会別
MKディスタンス | |
---|---|
日体大記録会 |
目次
調査方法
スポーツ庁が公開している体力・運動能力調査の令和3年度のデータを元に作成しました。
12~19歳は実際のデータ(タイム)があるためデータそのものを使用しましたが、6~11歳・20歳以上はデータがありません。
ただし、持久走と同じく有酸素運動能力(スタミナ)を測定する20mシャトルランのデータは公開されています。
このため、12~19歳の持久走のタイムと20mシャトルランの回数から回帰式を作成し、これ以外の年齢では20mシャトルランの回数から持久走のタイムを推測しました。
詳しい式は上図の通りです。横軸はシャトルランの回数、縦軸は持久走(男子1500m, 女子1000m)のタイムです。
回帰式から求まるタイムの単位は[秒]にしたので、縦軸の単位[分]と合わせるには60で割る必要があります。
持久走(1500m/1000m)の平均タイム
まずは全年代の平均タイムをまとめたグラフを示します。
男子も女子も14歳、17歳あたりで2回ピークがきていることが分かります。これは部活を引退して運動量が減った影響だと思われます。
また、女子は2度目(高校時)のピークが1度目(中学時)のピークを超えられず、一度落ちた体力を元のレベルまで戻すのが難しいことが考えられます。
小学生(6~11歳)
小学生の平均タイムは、20mシャトルランの回数から推測しています。
年齢 | 男子1500m | 女子1000m |
---|---|---|
6歳 (小1) | 8'53"83 | 5'56"56 |
7歳 (小2) | 8'32"61 | 5'44"54 |
8歳 (小3) | 8'14"59 | 5'34"80 |
9歳 (小4) | 7'57"09 | 5'24"27 |
10歳 (小5) | 7'38"79 | 5'13"32 |
11歳 (小6) | 7'19"29 | 5'04"87 |
小学生では男女ともに年齢が上がるほど持久走のタイムは順調に伸び続けています。
タイムの価値は同じくらいで、男女間の体力差はほとんどないといえます。
中学生(12~14歳)
陸上部の平均タイムは、春に開催される東京都の大会2年分の記録から算出しました。女子1000mは1500mの記録の相関から推測しています。
男子1500m
年齢 | 全体 | 陸上部 |
---|---|---|
12歳 (中1) | 6'50"21 | 5'30"73 |
13歳 (中2) | 6'29"08 | 5'03"82 |
14歳 (中3) | 6'14"31 | 4'50"29 |
女子1000m
年齢 | 全体 | 陸上部 |
---|---|---|
12歳 (中1) | 5'00"80 | 3'46 |
13歳 (中2) | 4'46"56 | 3'33 |
14歳 (中3) | 4'47"16 | 3'29 |
小6からタイムはさらに速くなり、男子は6分台、女子は4分台まで伸びました。
男子は記録が伸び続けていますが、女子は中3でタイムが落ちました。女子はどの年も中3で記録が落ちており、タイムが伸び悩む方が多いと思います。
全体と陸上部の平均タイムの差は男子1500mで1分25秒前後、女子1000mで1分15秒前後と大きいです。
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高校生〜大学2年生(15~19歳)
中学生と同様に、陸上部の平均タイムは春に開催される東京都の大会2年分の記録から算出しました。女子1000mは1500mの記録の相関から推測しています。
男子1500m
年齢 | 全体 | 陸上部 |
---|---|---|
15歳 (高1) | 6'28"06 | 4'44"32 |
16歳 (高2) | 6'03"66 | 4'44"63 |
17歳 (高3) | 6'05"26 | 4'36"20 |
18歳 (大1) | 6'52"36 | - |
19歳 (大2) | 6'54"11 | - |
女子1000m
年齢 | 全体 | 陸上部 |
---|---|---|
15歳 (高1) | 4'58"66 | 3'28 |
16歳 (高2) | 4'53"07 | 3'33 |
17歳 (高3) | 4'51"94 | 3'27 |
18歳 (大1) | 5'26"28 | - |
19歳 (大2) | 5'13"84 | - |
受験のブランクで高1でタイムが落ちたあと、高3までタイムは伸びています。ただし、伸び幅は中学時よりも小さいです。
ただし、陸上部の記録の伸び幅は全体よりも大きく、タイム差は更に広がりました。
高校を卒業した18歳以降は急激にタイムが落ち、男子は12歳(中1)、女子は10歳(小5)と同等のタイムになりました。
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大人(20歳以上)
年齢 | 男子1500m | 女子1000m |
---|---|---|
20-24歳 | 6'52"71 | 5'19"32 |
25-29歳 | 7'12"38 | 5'25"60 |
30-34歳 | 7'24"33 | 5'33"56 |
35-39歳 | 7'38"85 | 5'38"05 |
40-44歳 | 7'40"33 | 5'40"86 |
45-49歳 | 7'54"12 | 5'44"52 |
50-54歳 | 8'08"51 | 5'45"32 |
55-59歳 | 8'19"81 | 5'49"32 |
60-64歳 | 8'30"26 | 5'54"09 |
当然ではありますが、20歳以降では年齢が進むほどタイムは落ち続けています。
学生時に男子の方がタイムの伸び幅が大きかったため、タイムの落ち幅も男子の方が大きいです。
ちなみに、フルマラソン3時間のペースは「4分15秒/km」なので、平均的な20歳以上の方は3時間ペースで1kmも走れないことになります。
記録を伸ばすコツ
ここまで見てきたように、陸上部の平均タイムは全体よりも1分以上速いです。
理由は当然トレーニングをしているからですが、特に有酸素系の能力は初めに伸びやすく、何もしていない方との差が現れやすいことが大きいです。
記録を伸ばす練習方法(コツ)ですが、まず最初はジョギングから始め、ゆっくりでも良いので長い距離を走れるようにすることがおすすめです。
本当にトレーニングをしていない人であれば、数回で距離やペースが伸びて成長を感じられると思います。
ある程度(3~5km前後)走れるようになったらジョギングの後に7割程度のダッシュ(陸上用語で流し)を数本入れるようにします。
単純にスピード強化にもつながりますが、ランニングエコノミー(走行効率)が改善して速いペースでもリラックスして走れる効果があります。
練習頻度は週3回以上、期間は1ヶ月程継続して行えばかなりのタイム短縮につながると思います。
また、練習のみならずシューズの見直しも大切です。そんなときにおすすめなのが、いわゆる「部活用シューズ」という安くて軽量なモデルです。
陸上部がレースで使用するシューズほど軽量で反発力は高くありませんが、スニーカーと比較すれば段違いに走りやすいです。
旧カラー・旧モデルであれば5,000円前後で買え、通学にも使えるため非常にコスパが高いです。部活用シューズは以下の記事にまとめているので気になる方は参照してください。
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