【Asics】メタスピードLD2 レビュー│1500mで使用!ドラゴンフライとの差は?
アシックスの長距離スパイクであるメタスピードLD2を1500mのレースで使用しました。
パリオリンピック男子5000m5位・女子10000m2位といった実績があり、購入を考えている選手は多いと思います。
本記事ではメタスピードLD2の性能について、普段履いているドラゴンフライ(Nike)と比較しながらレビューします。
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メタスピードLD2の基本情報
スペック
まずはメタスピードLD2のスペックを紹介します。
- 発売日:2024/7/5
- 定価(税込):¥29,500
- 重量:143g(25.5cm)
- 厚さ:〜20mm
- ミッドソール:FF Turbo + Carbon Plate
- カテゴリー:長距離用スパイク
アシックスのトップモデルのスパイクには、メタスピードSP(短距離)・MD(中距離)・LD2(長距離)があります。
LD(初代モデル)はソールの厚さが20mmを超えており2024年11月以降は公認記録会では使用不可となるため、これに対応するためにLD2では20mm以下に調整されました。
また、LDはスパイクピンがないピンレス構造が特徴でしたが、LD2では6本のスパイクピンが搭載されました。
ソール構成
ミッドソールは前作同様にFF Turboです(FF Turbo Plusではありません)。
内部にはカーボンプレートが内蔵されていますが、メタスピードMD・SPと異なり外から目視することはできません。
フルレングスとのことですが、幅を狭くしているのか、切り欠きを入れるなどして、柔軟性を高くしているように思います。
アウトソールのプレートは前足部で露出しており、中足部ではソール内部に位置します。ドラゴンフライと同じような配置です。
初代モデルはシューズのようなフラットなソール形状でしたが、今作ではピンが搭載されたこともあり中足部が浮いています。
スパイク感が増して、ミッド〜フォアフットで走りやすくなったように思います。
ピンは取替可能な2段平行ピンです。公式サイトの商品画像はニードルピンに見えますが、海外のみかもしれません。
プレートやかかと部分のトゲトゲは触ると結構痛く、しっかりとグリップが発揮されそうな印象でした。
実走レビュー
サイズ感
初代モデルのメタスピードLDのサイズ感はかなり小さかったものの、今作は通常のサイズ感になったと思います。
初代モデルを持っている方は、0.5cm上げた方が良いと思いました。
アッパーの素材はメタスピードParisシリーズと同じモーションラップアッパー2.0です。
前作は通気孔が細かく薄いシートのような素材でしたが、今作では反対側がしっかりと視認できるほど粗くなりました。
比較的柔らかい素材で、つま先の空間は狭くないので、窮屈感は全く感じませんでした。
履き口も広めなので、足がブレないようにするには、しっかりと靴ひもを締める必要があります。
重量は気にならないものの...
重量(25.5cm)はピン込みで実測143gでした。
流しを数本入れてみましたが、軽くて重量はほとんど気になりません。第一印象はかなり良いです。
ただし、同サイズのドラゴンフライ(初代モデル)が実測128gだったので、メタスピードLD2の方が15g重いです。
どこで差がついているのか考えてみましたが、かかと周りのパッドが多くて厚いためだと思いました。
単純にメタスピードLD2の方が幅が広い(フォーム材の使用量が多い)ため、という可能性もあります。
走ってみて気にならないとはいえ、ドラゴンフライよりも約10%重いことは頭の中に引っかかってしまいます。
個人の好みに寄ると思いますが、私はもう少し幅を狭くしたり、より軽量なFF Turbo Plusを使用するなどして軽量化されれば嬉しいです。
1500mで使用
1500mの記録会で使用しました。前日のスピード練習で疲労が残る中、4分01秒で走りました。
(自己記録より15秒以上遅いですが、練習の一環で9割程度の出力で走っています。)
走ってみた感覚としては、クセがなくて扱いやすいことが一番印象に残っています。
初代モデルほどではないもののシューズの感覚に近く、フォアフットが強制されるような感覚はありません。
エリート向けのスパイクとされてはいるものの、大半の方が走りやすいと感じると思います。
グリップ力は、ピンが搭載されたことで初代モデルよりも大幅に改善されています。
(私は面で接地するイメージの初代モデルではカーブが曲がりづらく感じていました。)
反発力は、ドラゴンフライよりは弱いと感じました。爆発的な反発ではないため、中距離にはやや物足りない感覚です。
ただしクッションはしっかりと効いているので、後半の失速は抑えられそうです。
反発力よりもクッションが特徴的なので、コンセプト通り5000m~10000mに適したスパイクだと思いました。
定価は3万円近くと高いですが、脚へのダメージが残りづらいので、中距離選手も練習用に1足持っておくのはアリだと思います。
▼中距離スパイクまとめ