【ASICS】マジックスピードレビュー│メタスピードスカイとの比較も
アシックスのサブ3向けシューズであるマジックスピード(MAGIC SPEED)のレビューをします。
サブ2.5向けのメタスピードスカイ/エッジや、サブ3.5向けのハイパースピードとの違いも解説します。
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全体レビュー
本記事では、商品に関する画像はASICS公式HPより引用しています。
マジックスピードは2021年にアシックスから発売されたサブ3ランナー向けのレース用シューズです。
程良い反発とクッション性があるので、トップランナーのトレーニング(インターバル、テンポラン、距離走など)にも活用できます。
ミッドソールの材質には、FlyteFoam Blastというアシックス最高の反発力を誇る素材が採用されています。
また、ソールは弓形状のガイドソールとなっていて、前足部にカーボンプレートが内蔵されています。
このガイドソールとカーボンプレートの役割によって、効率的に前に進む力が働くようになっています。
重量は230g(27.0cm)と軽量ですが、ヴェイパーフライ(NIKE)のようなトップランナー向けシューズと比較するとやや重いです。
ペースは3'30"/km〜4'30"/kmくらいが一番合っています。ただ反発力はあるので、重量は少し気になるもののキロ3切りも対応できます。
厚さは32mmと厚底の部類に入ります。ただし、カーボンプレートによってある程度の剛性があるため、沈み込みすぎることはなく素早く跳ね返ってきます。
メタスピードスカイ/エッジとの違い
対象レベル
メタスピードスカイ | メタスピードエッジ | マジックスピード | |
---|---|---|---|
レベル | サブ2.5 | サブ2.5 | サブ3 |
推進力 | ★★★ | ★★★ | ★★ |
走行効率性 | ★★★ | ★★★ | ★★★ |
クッション性 | ★★★★ | ★★★★ | ★★★ |
重量(27.0cm) | 199g | 188g | 230g |
ASICS公式による比較表
アシックス公式では、メタスピードスカイ/エッジ(以下メタスピード)はサブ2.5、マジックスピードがサブ3向けのシューズと紹介されています。
サブ2.5のペースはキロ3分半(3'30"/km)くらいになりますが、これより速いペースになるほどカーボンプレートの恩恵が大きくなるように設計されています。
そのため、キロ3分半より遅いペースではカーボンプレートの恩恵が薄れてしまいます。
(カーボンプレートは、マジックスピードは前足部のみですが、メタスピードはソール全域に広がっています。)
ゆっくりなペースでも安定して走れるので大きな弊害はありませんが、価格や耐久性を考えるとメタスピードを履くのはもったいないです。
ミッドソール
重量を比較すると、メタスピードの方が30g以上軽いことがわかります。この理由はミッドソールの材質が異なるからです。
ミッドソールの材質は、マジックスピードがFlyteFoam Blast(FF Blast)、メタスピードがFlyteFoam Turbo(FF Turbo)となっています。FF Blastは先ほども書いたようにアシックス最高の反発力をもつ材質です。
ノヴァブラストに使用されている材質と同じですが、カーボンプレートの影響なのかノヴァブラストよりも硬く感じます。
一方でFF Turboは、アシックス公式に「軽量フォーム材の中で最も反発性が高い」との記載があります。
この書き方から分かるように、アシックスで最も反発が高いFF Blastは軽量フォーム材ではないことになります(重い訳ではないです)。
このようにFF BlastよりもFF Turboの方が軽いことが、マジックスピードよりもメタスピードの方が軽い理由になります。
ハイパースピードとの違い
マジックスピードとハイパースピードの主な違いはミッドソールです。
ミッドソールの素材はマジックスピードはFF Blastですが、ハイパースピードはEVAという標準的な素材が使われています。
FF Blastの方がEVAより反発力もクッション性も高いですが、重量はやや重いです。
そのため、ハイパースピードは反発力・クッション性でマジックスピードに劣りますが、重量はマジックスピードよりも20g軽いです。
また、価格にも大きな差があります。ハイパースピードは定価(税込)9,790円とマジックスピードの半額程度となっています。
ハイパースピードは軽くて様々な場面で使用できるため、コスパの高い万能なシューズといえます。
メタレーサーとの違い
メタレーサーはマジックスピードよりも薄くて軽量なため、適正距離が短くスピード寄りのシューズといえます。
具体的な数値は、重量が190g(27.0cm)、厚さが29mm程度で、マジックスピードよりも40g軽く3mmほど薄いです。
さらに、カーボンプレートがソール全域に内蔵されているため安定性が高く、この点でもマジックスピードよりも速いスピードに適しているといえます。
マジックスピードより40gも軽い理由は、ミッドソールに軽量フォームのFlyteFoam(マジックスピードはFF Blast)が使用されているためです。
FlyteFoamはFF Blastと比べて反発力は劣りますが、メタレーサーは反発力をソール全域のカーボンプレートで補っている形になります。
クッション性はマジックスピードの方が高いので、10km以下のレースならメタレーサー、ハーフマラソンなら迷いどころ、フルマラソンならマジックスピードといったところです。
他社の似たシューズと比較
マジックスピードと同様に、カーボンプレートが使用されているものの上位モデルが存在するシューズと比較します。
重量(27.0cm) | 厚さ | カーボン | |
---|---|---|---|
マジックスピード | 230g | 32mm | 前足部 |
ズームフライ3 | 262g | 36mm | 全域 |
FuelCell TC | 260g | 34mm | 全域 |
ボストン10 | 280g | 39.8mm | 前足部(5本指形状) |
※ボストン10のみ、カーボン製ではなくグラスファイバー製
他のメーカーのシューズと比べると軽さが目立ちますが、対象レベルが少し違います。
マジックスピードはサブ3レベルのシューズでしたが、ズームフライ3(NIKE)、FuelCell TC(New Balance)、アディゼロボストン10(Adidas)はサブ3.5〜サブ4レベルのシューズです。
マジックスピードと比べると、ズームフライ3は安定性が高く、FuelCell TCはクッション性が高いです。
また、ボストン10は安定性・クッション性・耐久性の全てが高いですが、重量がやや重いのが気になります。
このように、マジックスピードは上位モデル(メタスピード)が存在するのにサブ3レベルという今までになかったようなシューズになります。
まとめ
マジックスピードの特徴や用途をまとめると以下のようになります。
- 用途はフルマラソン(サブ3)、距離走、テンポランなど
- ペースは3'30"/km〜4'30"/kmが最適
- ASICS最高の反発力を持つFF Blastを使用
- ガイドソールと前足部のカーボンプレートにより走行効率性が向上