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【Nike】ヴェイパーフライ3 レビュー│10kmのレースで使用!ヴェイパー2との違いも解説

ヴェイパーフライ3 レビュー

 ナイキの最速モデルであるヴェイパーフライ3を10kmのレースで使用しました。前作(ヴェイパーフライ2)と比較しながら特徴・使用感をレビューします。アルファフライ3との違いについては、以下の記事で解説しています。

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商品概要

スペック

  • 発売日:2023/4/13
  • 定価(税込):¥35,750
  • 重量:187g(27.0cm), 165g(25.0cm)
  • 厚さ:40mm
  • ドロップ:8mm
  • ミッドソール:ZoomX + Carbon Plate
  • カテゴリー:レーシング
  • 主な用途:ロードレース(~サブ3)、インターバル、LT走、ロング走

 スーパーシューズの代表ともいえるヴェイパーフライ(Next%)の3代目モデルです。今作からNext%の表記がなくなり、単にヴェイパーフライ3と表記されるようになりました。

 ヴェイパーフライ2ではアッパーのみの変更でしたが、今作ではソールユニットも再設計されました。

 重量(25.0cm)は実測165gでした。ヴェイパーフライNext%(初代モデル)と全く同じ重さで、前作のヴェイパーフライ2より数g軽量でした。

 厚底レーシングモデルの中でも軽量ですが、耐久性は低いのでトレーニングでは多用しづらいです。

 定価(税込)は35,750円で、ヴェイパーフライ2から8,800円値上げされました。非常に高価ですが、セール価格では2万円台で購入できることがあります。

アッパー

ヴェイパーフライ3 アッパー
ヴェイパーフライ3 アッパー2

左右にスライド可能です。

 アッパーはヴェイパー2と同様にフライニットが採用されていますが、大きな通気孔が設けられたことで通気性が向上しました。

 伸縮性はあるものの自立するだけの強度はあるため、アッパーの耐久性はそこまで気にしなくても良いと思います(アウトソールが先に擦り減る可能性が高いです)。

 ヒールカウンターも強度が増し、履き口には前作同様に固定用のパッドが配置されています。

 サイズ感は変更なく、通常通りのフィット感です。全体的に狭いですが、前足部はやや広くなりました。

ミッドソール

ヴェイパーフライ3 ミッドソール

 ミッドソールは軽量で高反発なフォーム材であるズームXカーボンプレートが内蔵された構成です。

 前作と同様の構成ですが、ズームXはエネルギーリターンが向上するように改良されたとの記載があります。

 ただし個人的には、エネルギーリターンが向上したというよりは、柔らかくなったことでクッション性が増したように感じました。

 メタスピードシリーズ(Asics)のFF Blast Turboに慣れている方にとっては、かなり柔らかく感じるとおもいます。

 アウトソールを含めた全体的な厚さは変更ありませんが、アウトソールが薄くなったためミッドソール(ズームX)は厚くなりました。

 また、アウトソールの写真から分かるようにソールの中央部が空洞となり、より変形(圧縮)を促進するような形状となりました。

アウトソール

ヴェイパーフライ3 アウトソール
ヴェイパーフライ3 アウトソール2

左右にスライド可能です。

 アウトソールは写真を見て分かるように、特に前足部が薄くなりました(その分だけズームXは増量されました)。

 前足部の形状は前作まではフラットでしたが、今作ではペガサスのようなワッフル形状となり、グリップ力が向上しました。

 また、素材(ラバー)の変更もグリップ力の向上に寄与していますが、柔らかくなったため耐久性は高くないと思われます(ナイキ公式では耐久性を損なわずに改良したとの記載はされてはいます)。

ヴェイパーフライ3 アウトソール3

 後足部には各パーツの重量がプリントされています。全サイズ共通ではなく、しっかりとサイズごとに数値は異なります。

 写真は25.0cmサイズで、ズームXが53.8g、ラバー(アウトソール)が20.1g、フライプレート(カーボンプレート)が16.0gであると分かります。

 また、シューズ全体の重量は165gだったので、アッパーは計算上75g程度となります。

 体積の大半はズームXが占めているので、薄いアウトソールがズームXの2/5ほどの重量もあるのは意外でした。

10kmのレースで使用(30'53)

ヴェイパーフライ3 10km

 10kmのレースで使用しました。結果は30分53秒で、10kmは滅多に走らないこともあり自己ベストでした。

 レース前はトレーニングで1回しか使用していなかったので、ほぼ初使用だったものの違和感なく普通に走れました。

 乗り心地は前作と比べるとクッション性・安定性が向上し、よりマラソン向けになったような印象を受けます。

 反発力は前作同様に高いものの前に押し出される感覚はやや控えめになり、クセが少なく扱いやすくなったように感じます。

 前作やアルファフライに慣れていると物足りなさを感じる可能性はあり、箱根駅伝2024でヴェイパー2を履いていた選手がいたように好みは分かれると思います。

 個人的には、乗り心地の違いはあるものの走ってみると普通にスピードは出ているため、どちらを選んでもほとんど変わらないように感じます。

 強いて言うならフルマラソンならヴェイパー3、10km以下ならヴェイパー1or2の方が走りやすいと思います。

ヴェイパーフライ2との違い

ヴェイパーフライ3と2の違い

商品画像の引用元:nike.com

 ヴェイパーフライ3のアップデート内容は以下の通りです。

  • 10gほど軽量化
  • アッパーの通気性が向上
  • ミッドソール(ズームX)が厚くなった
  • アウトソールは薄くなり、耐久性は(恐らく)低下
  • クッション性・安定性が向上し、前に押し出される感覚は控えめになった

 フルモデルチェンジとなりましたが、大幅アップデートというよりはマイナーチェンジに近いように感じました。

 今まで以上に万人受けする乗り心地になったと思いますが、前に押し出されるアグレッシブ感が好きな方は前作の方が合っているかもしれません。

 私はどちらでも速く走れると感じたので、セール価格になっていればヴェイパーフライ2を選んでも良いかなと思います。

まとめ

 ヴェイパーフライ3は前作同様にスーパーシューズの代表モデルで、依然として多くのランナーが使用しています。

 ただし乗り心地の変化からヴェイパーフライ2と好みは分かれており、個人的には万人受けするような乗り心地になったように感じます。

 ただし値上げされた上に耐久性は高くないので、コストパフォーマンスを考慮した上で購入することをおすすめします。