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【Asics】マジックスピード4 レビュー│ターゲットは変わらずマラソン寄りの性能に!

マジックスピード4 レビュー

 アシックスのマジックスピード4は、初めてカーボンシューズを履くランナーにおすすめされているトレーニングモデルです。

 前作よりも大幅に厚底化され、その性能やライド感の違いが気になっている方は多いと思います。

 そこで本記事では、マジックスピード4のレビューを行うとともに、サブ4モデルのS4との違いについても解説します。

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マジックスピード4の基本情報

 まずはマジックスピード4のスペック、メリット・デメリットを紹介します。

  • 発売日:2024/8/1
  • 定価(税込):¥18,700
  • 重量:245g(27.0cm), 210g(25.0cm)
  • 厚さ:43.5mm(M), 42.5mm(W)
  • ドロップ:8mm
  • ミッドソール:FF Blast Plus + FF Turbo + Carbon Plate
  • カテゴリー:トレーニング
  • 主な用途:ロードレース(サブ3.5〜サブ5)、LT走、インターバル、ロング走、ジョギング
メリット
  • 反発力・クッション性が向上
  • 強めのロッカーで楽に走れる
  • 比較的安い
デメリット
  • 前作よりも約25g重い
  • バウンス感はやや抑えられている

マジックスピード4の特徴

高反発材のFF Turboを内蔵

マジックスピード4 ミッドソール

 マジックスピード4のミッドソールの側面には「FF Turbo」と印字されています。

 FF Turboはアシックスで2番目に反発力が高いフォーム材で、かつての最速モデルであるメタスピード+シリーズにも使用されています。

 初めてマジックスピード4を見たときは、全域もしくは上層がFF Turboになっていると思いましたが、公式サイトを見てみると以下のような分解図がありました。

マジックスピード4 ミッドソール分解図

商品画像の引用元:asics.com

 見ての通り、FF Turboが使用されているのは前足部内部のみでした。FF Turboと印字されている部分は、前作と同じFF Blast Plusです。

 サイトを見ていなかったら勘違いする人もいるだろうなと思いつつも、良いアップデートであることには間違いありません。

厚底化により40mmオーバー

マジックスピード4 厚さ

 FF Turboが採用されたこと以外では、厚さが40mmを超えたことが大きなアップデート内容です。

 今作は2,200円値上がりしましたが、フォーム材の使用量の増加と高反発材のFF Turboを採用したことが大きな要因だと考えられます。

 厚さが40mmを超えたため公認記録としては残りませんが、エリート層をターゲットにしているシューズではないので気にする方はいないと思います。

 ちなみに、人気モデルのノヴァブラスト4の厚さも40mmを超えています。

 厚底化により重量は25gほど重くなりましたが、反発力・クッション性は向上しています。

 実走レビューで詳しく記載しますが、より長い距離で使いやすいシューズとなりました。

実走・性能レビュー

サイズ感・履き心地

マジックスピード4 サイズ感・履き心地

 サイズ感は少しだけ小さく感じましたが、ハーフサイズ下げるほどではない程度に思いました。

 アッパーは透け透けのモーションラップアッパーが廃止され、2代目と同じエンジニアードアッパーに戻りました。

 理由は、今作では長い距離でも使いやすくするために、快適性を重視したためだと考えられます。

 クッション性が向上してジョギング・ロング走でも使いやすくなったと感じましたが、このような緩めのペースではモーションラップアッパーは不要だと感じます。

 価格の観点から、厚底化・FF Turbo採用によりグレードアップした埋め合わせとして、モーションラップアッパーが廃止されたとも思いました。

バウンス感よりもロッカーを感じる

マジックスピード4 ロッカー形状

赤点線のようにロッカーは強め

 ミッドソールのFF Blast Plusは、ノヴァブラストにも使用されている弾力感のあるフォーム材です。

 ただしカーボンプレートが内蔵されている影響なのか、40mmを超えるソールとしては柔らかすぎず安定感があります

 ただし、前作のマジックスピード3と比べると、特に前足部でのバウンス感が強くなったように思います。

 理由は内蔵されているFF Turboの影響というよりは、単純にプレート上部のフォーム材が増えたためだと感じます。

 このように反発力は増しているものの、走ってみるとロッカー(転がり感)の方が強く感じられました

 前にカクッと転がされる感覚は非常に強く、ソールの厚さはロッカー形状のカーブ量を稼ぐために使われていると感じました。

 キロ5前後のジョギングペースで走ってみても、体重移動がサポートされて違和感なく楽に走ることができました。

 さらに蹴り出し時に前足部が圧縮することで推進力が得られるため、その点においても楽に感じました。

 ただし、3分半ペース(3'30"/km)あたりからは転がるプロセスがワンクッション挟まれることにロスを感じ、スピード練習では前作の方が扱いやすいと思いました。

前作とターゲットは変わらない

マジックスピード4 11.1kmjog

 マジックスピード4は厚底化によりジョギング・マラソン寄りになったものの、前作で記載されていた「スピードエントリー」というターゲットは変わらないように思います。

 およそ7.5mmも厚くなったもののソールは柔らかすぎず安定感が考慮されており、幅広いレベルのランナーをターゲットとしています。

 ミッドソールの構成からもS4(サブ4向けシューズ)よりも下に位置することは明らかで、具体的にはサブ3.5〜サブ5あたりの方に適していると感じます。

 厚くなったことでシューズの立ち位置が変わったことはなく、あくまでマジックスピードの枠の中でのアップデートと考えるのが良いと思います。

値上げされたもののコスパ◎

 マジックスピード4のような、プレートを内蔵したトレーニングモデルとの比較表を作成しました。

メーカー 定価(税込) 重量(27.0cm)
マジックスピード4 Asics ¥18,700 245g
リベリオンフラッシュ2 Mizuno ¥18,700 245g
ボストン12 Adidas ¥18,700 257g
ズームフライ5 Nike ¥18,700 272g

 マジックスピード4は厚底化で重くなったものの、同カテゴリーのトレーニングモデルと比較すれば重量面で優位であることが分かります。

 最も競合するのは、同等の重さであるミズノのリベリオンフラッシュ2だと思います。

 ズームフライ5やボストン12はジョギング寄りの性能であるため、レース・スピード用途ではマジックスピード4の方が使いやすいと感じます。

 サブ4〜サブ5を目指すのであれば大半のトレーニングはカバーできるので、1足持っておけば幅広く活躍できると思います。

マジックスピード3との違い

 改めて、マジックスピード4と3の違いを整理します。

マジックスピード4 マジックスピード3
Magic Speed 4 Magic Speed 3
¥18,700 定価(税込) ¥16,500
245g 重量(27.0cm) 220g
43.5mm 厚さ 36mm
8mm ドロップ 7mm
FF Blast Plus + FF Turbo + Carbon Plate ミッドソール FF Blast Plus + Carbon Plate

商品画像の引用元:asics.com

 ここまで書いてきたように、マジックスピード4は厚底化により反発・クッションともに向上しました。

 私はマジックスピード3はフルマラソンで使うにはクッションが足りないと感じていましたが、マジックスピード4なら問題ないように思います。

 ただし、ロッカーがより強くなったことでスピードは少しだけ出しづらくなった印象です。

 このため、スピード練習メインで使いたいと考えている方は、型落ちで安くなったマジックスピード3でも良いと思います。

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S4(エスフォー)との違い

マジックスピード4 アシックス S4
Magic Speed 4 S4
¥18,700 定価(税込) ¥22,000
245g 重量(27.0cm) 240g
43.5mm 厚さ 39mm
8mm ドロップ 6mm
FF Blast Plus + FF Turbo + Carbon Plate ミッドソール FF Turbo + FlyteFoam + Carbon Plate

商品画像の引用元:asics.com

 S4はミッドソール上層全域に高反発材のFF Turboが配置されており、マジックスピード4よりも上位に位置します

 バウンス感はマジックスピード4よりも明らかに高く、サブ3〜サブ4を狙うならS4の方が向いていると思います。

 マジックスピード4はバウンス感よりもロッカーによる転がり感が特徴なので、ペースが落ちても楽に走れることがメリットです。

 サブ4〜サブ5を狙う方、またはジョギング・ロング走メインで使う予定の方は、価格差も考えてマジックスピード4を選ぶのが良いと思います。

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どんなランナーにおすすめ?

 マジックスピード4は以下のようなランナーにおすすめできるシューズです。

こんなランナーにおすすめ
  • 1足で幅広い用途に対応したい
  • マジックスピード3ではクッションが物足りなかった
  • メタスピードシリーズでは足が残るか不安
  • ペースが落ちても楽に走りたい

 逆に、以下のようなランナーには合わない可能性があります。

こんなランナーには不向き
  • 上位モデルのようなバウンス感を期待している
  • カクッと転がされる感覚が苦手