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【Mizuno】ウエーブライダー30 レビュー│伝統を尊重しつつ旧世代の設計は破壊

ウエーブライダー30 レビュー

 ウエーブライダーはミズノを代表するランニングシューズで、高い安定感とスムーズな履き心地が特徴のシリーズです。

 記念すべき30代目では完全新作といえるほどアップデートされ、その性能に期待している方は多いと思います。

 本記事ではウエーブライダー30と特徴・使用感をレビューするとともに、ウエーブライダー29との比較も行います。

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ウエーブライダー30 基本情報

ウエーブライダー30 メインビュー
  • 発売日:2025/6/16
  • 定価(税込):¥19,800
  • 重量:265g(27.0cm), 241g(25.5cm)
  • 厚さ:42.5mm
  • ドロップ:8mm
  • ミッドソール:Mizuno Energy NXT (超臨界EVA) + Mizuno Energy NXT (EVA) + Wave Plate
  • カテゴリー:ニュートラル
  • 主な用途:ジョギング、ロング走、ロードレース・マラソン(サブ4~完走)、テンポ走、ウォーキング
メリット
  • より楽しいライド感
  • クッションが大きく向上
  • 安定感を損なうことなく厚底化
  • 厚さを考えれば軽量
デメリット
  • 2,200円の値上げ
  • 人によっては慣らし期間が必要

ウエーブライダー30の特徴・スペック

ソール構成・クッション

ウエーブライダーシリーズ

(手前)ウエーブライダー30 (奥)ウエーブライダー29

 ウエーブライダーシリーズは28代目までは大きく構成が変わらず、硬めのしっかりとした安定感が特徴でした。

 ただし伝統のライド感を大切にし過ぎた結果、トレンドのバウンス感・軽量化に大きく遅れを取っていました

 ウエーブライダー29ではそこそこ大きな変化があり、昔ながらの12mmドロップを廃止したり、柔らかいフォームをソール全域に採用するなど現代風のシューズに近づきました。

 正直これだけでも他社製品に追いついたと言って良いと思いますが、ウエーブライダー30ではさらに大きなアップデートがされています。

ウエーブライダー30 ミッドソール

 ウエーブライダー30のミッドソールは2層構成で、その間にはシリーズ初のフルレングスのウエーブプレートを内蔵しています。

 2層フォームにはどちらもミズノエナジーNXTが採用されていますが、同じ名前でも複数の材質があり、これまで以下のような材質が採用されてきました。

材料 採用例
超臨界TPU ネオビスタ3(上層)、ネオゼン初代
超臨界EVA ウエーブライダー29、ネオゼン2
EVA ネオビスタ3(下層)、ネオコスモ

 一番上の超臨界TPUが最も弾力感が高く、一番下のEVAは程良い硬度があり安定感ために使われることが多いです。

 ウエーブライダー30のミズノエナジーNXTは、ソール下層は(超臨界ではない)EVAで、上層は新素材であることが明かされています。

 ミズノエナジーNXTの硬度(5回平均値)は常温環境で36.7HA(上層)、37.2HA(下層)でした。触ってみても違いはほとんど分かりません。

ウエーブライダー30 ソール硬度

     上層は非公式情報では超臨界EVAとの記載がありますが、ウエーブライダー29のミズノエナジーNXTが34.3HAだったので、同じ超臨界EVAだったとしても少しだけ硬くなったことになります

     それでもウエーブライダー28以前の通常のミズノエナジーと比べれば柔らかく、調整程度の変化に感じられます。

     ソールの厚さは公表値が42.5mmで、実測値は40.5mmでした。

    ウエーブライダー30 ソール厚さ

         公表値では4mmも厚底化されており、スタンダードモデルとしては相当な厚さになりました。

         また、スムーズスピードアシストのようにかかとの部分が少しカットされているため、中足部で測れば公表値(42.5mm)に近い厚さになります。

        【参考値】反発力・曲げ剛性

         反発力の簡易的な指標として鉄球を1mの高さから自由落下させ、反発時の高さを測定しました。

        ウエーブライダー30 反発力

             結果はインソールありで33.5cm、インソールなしで43.5cmで、そこまで高い値ではありませんでした。

             インソールありではほとんど跳ねていませんが、ミズノのスポンジ系インソールが柔らかく、他のモデルも同様の結果になっています。

            ウエーブライダー30 インソール

             インソールなしでも平均値を下回るくらいでウエーブライダー29と同等であることから、新素材の上層が超臨界EVAであることに矛盾はなく、製造条件のみが異なるだけの可能性があります。

             次に曲げ剛性の簡易的な試験として、前足部を固定した状態から15度曲げるために必要なモーメントを測定しました。

            ウエーブライダー30 曲げモーメント

               厚底化とプレートがフルレングスになった影響で、数値としても3.33Nmと大幅に上昇したことが分かりました。

               ウエーブライダー29の測定結果が2.43Nmだったため、40%近く曲げ剛性が増した計算になります。

              重量

               重量は公表値が265g(27.0cm)で、実測値(左右平均)は241g(25.5cm)でした。

              ウエーブライダー30 重量

                   公表値の265gは前作と同じ値ですが、実測値では11g重くなっていました。

                   それでも単位体積あたりでいえば明らかに軽くなっており、デイリートレーナーとしては平均的〜やや軽いくらいです。

                   おそらく新素材のミズノエナジーNXT(上層)の密度が従来の超臨界EVAよりも低く、これにより重量増加が抑えられていると思います。

                  サイズ感(内寸・外寸)

                   25.5mmサイズにおける内寸(全長・前足部高さ・前足部幅・後足部幅)の測定結果は以下のようになりました。

                  ウエーブライダー30 サイズ感

                           サイズ感はぴったりで、ウエーブライダー29と比較して数値はほぼ同じ〜若干小さいくらいです。

                           アッパーはネオゼン2とほぼ同じような素材で、前作よりは伸縮性が落ちているので、ホールド感はやや強まったように感じました。

                           外寸(アウトソールの幅)の測定結果は以下のようになりました。

                          ウエーブライダー30 アウトソール

                               結果は前足部が101.8mm、後足部が82.5mmでした。前作と比較して後足部はほぼ同じですが、前足部は5mmほど狭くなっていました。

                               厚底化も合わさり安定感が低下してしまいそうですが、プレートを前足部まで伸ばし、フォーム硬度を高くしたことでバランスを取っているように思えます。

                              実走レビュー

                              トレンドを取り入れつつ懐かしさもある

                              ウエーブライダー30 バウンス感が向上

                               ソールの厚さが公表値では4mmの増加でしたが、フォーム硬度の影響なのか履いてみると数値以上の差に感じられました。

                               厚底感が大きく増しているためバウンス感は今まで以上に感じられ、昔のシューズのような印象は一切ありません

                               また、ドロップがスタンダードな8mmとなり、かつプレートが伸びたことで前〜中足部接地時の足離れも良くテンポ良く走れます。

                               重量もそこそこ軽いため快適にペースが上がり、スピードの出しやすさ・楽しさでいえば歴代最高だと思います。

                              ウエーブライダー30と29の比較

                              (手前)ウエーブライダー30 (奥)ウエーブライダー29

                               ただしウエーブライダー29から劇的に変わったかと聞かれればそうではなく、そのまま厚くしたような感覚に近いです。

                               新素材のミズノエナジーNXT(上層)は反発力はそこまで高くはなく、どちらかといえばクッションに寄った性能に感じました。

                               また、プレートは推進力というよりも安定感の向上に大きく効いていて、積極的に前に押される感覚はありません。

                               ロッカーはウエーブライダー29と同時に履けば強くなっている印象ですが、単体で履けばフラットに感じられます。

                               無理に推進力を生み出すようなシューズではなく、伝統のスムーズなライド感から外れない範囲内でアップデートされています

                               バウンス感が加わったとはいっても、ネオゼン2・ノヴァブラスト6(Asics)といった跳ねるシューズに慣れていれば大人しく感じられる可能性すらあります。

                               従来のライド感に慣れている方であっても、現代のシューズとしてやり過ぎ感は一切ないので、比較的受け入れられやすいと思います。

                              プレミアムデイリートレーナーにシフト

                              ウエーブライダー30 着用写真

                               ウエーブライダーといえばミズノのスタンダードモデルとして続いてきましたが、今作はプレミアムデイリートレーナーにシフトしたように思えます。

                               良い例えではないかもしれませんが、アシックスならGT-2000がゲルカヤノになってしまったような感覚です。

                               スタンダードと言っているのは基本的には厚さが35mm〜40mmほどで、かつプレートがない(少なくともフルレングスではない)構成で、各メーカーに大体1足は存在します。

                               価格はミドルレンジの16,500円〜17,600円あたりになることが多く、この範囲からも外れたことからもプレミアム感があります。

                               今作が19,800円になったことはそこそこインパクトがありますが、プレミアムデイリートレーナーとしては決して高い価格ではありません

                               例えば、ゲルカヤノ33(Asics)、1080v15(New Balance)、ストラクチャープラス(Nike)の定価は全て22,000円です。

                               一方で前作と同じ価格帯(¥17,600)のスタンダードモデルに穴があいたため、そこを埋める派生モデルがあっても良いように思いました(むしろそれがウエーブライダー30でも良かった)。

                               この価格帯でスタンダードなシューズを探しているなら、ややバウンス感・クッションは強いもののネオゼン2やネオコスモが現地点では選択肢になります。

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                              ウエーブライダー30と29の比較2
                              Wave Rider 30 Wave Rider 29
                              ¥19,800 定価
                              (税込)
                              ¥17,600
                              265g 重量
                              (27.0cm)
                              265g
                              42.5mm 厚さ 38.5mm
                              8mm ドロップ 10mm
                              Mizuno Energy NXT (超臨界EVA) + Mizuno Energy NXT (EVA) ミッド
                              ソール
                              Mizuno Energy NXT (超臨界EVA)
                              全域 ウエーブ
                              プレート
                              中〜後足部

                               ここまで比較しながらレビューしてきたため簡潔に記載しますが、厚底化されたことによるバウンス感の向上が一番のポイントです。

                               それに加えて、プレートが全域に広がったことによる剛性アップも分かりやすい違いだと思います。

                               ただし無理に前に押されるような感覚はなく、従来のライド感から大きくは離れていません。

                               安定感やスムーズさはそのままにプレミアムデイリートレーナーにグレードアップしており、進化した29代目からさらに現代風の楽しい要素が追加されたことが大きなメリットだと思います。

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