【Adidas】タクミセン8レビュー│5km~ハーフに特化した新領域のシューズ! – Unattached Runner
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【Adidas】タクミセン8レビュー│5km~ハーフに特化した新領域のシューズ!

 前作から大幅アップデートされた、アディダスのアディゼロタクミセン(匠戦)8の特徴・用途を解説します。タクミセン7アディオスプロ2との違いも解説します。

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【Adidas】タクミセン9詳細情報│アッパーのみ変更で5g軽量化

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アディダスの超軽量レーシングモデルであるタクミセン9の特徴・用途をレビューします。前作のタクミセン8との違いについても解説します。

全体レビュー

アディゼロタクミセン8 特徴

本記事では、商品に関する画像は各メーカー公式HPより引用しています。

 タクミセンといえば薄底(25mm以下)が特徴のシューズでしたが、今作(タクミセン8)では大幅アップデートにより厚底化されました

 厚さは33mmと前作から11mm増加しました。25mmを超えたため、トラックのレースでは使用できなくなりました

 また、ミッドソールは軽くて弾力性のあるLIGHTSTRIKE PROに変更され、前足部にはグラスファイバー製エナジーロッド(5本骨状バー)が内蔵されました。

 重量は185g(27.0cm)超軽量です(アシックスのターサーと同じくらいです)。アディダス公式HPには185g(24.0cm)との記載がありますが誤りだと思います。

 主な用途はインターバルレペティジョンなどのスピード練習や、5km〜ハーフマラソンレースになります。

シューズの位置付け

ADIZERO レーシングシューズ

【ADIZERO】レーシングシューズの適正距離

 これまでトラックのレースならスパイクor薄底シューズで、ロードになった途端に40mm近い厚底シューズ(以下、超厚底シューズ)を使用するのが一般的でした。

 超厚底シューズは性能が高いため5km~10km程度の比較的短い距離もカバーできていますが、そもそもはフルマラソンに特化したシューズです。

 ここで、これらの距離(5km~10km)ではもっと適した構造があるのではないかと考えられて開発されたのがタクミセン8です。

 タクミセン8も厚底ですが、超厚底シューズよりは薄い33mmです。このためクッション性反発力は落ちますが、距離が短くなるほど軽さのメリットが大きくなります

 実際に、出雲駅伝6区(10.2km)では東京国際大のヴィンセント選手、クイーンズ駅伝5区(10.0km)では新谷仁美選手など多くのトップランナーが着用し、区間新記録を樹立しています。

 この位置付けのシューズは2021年12月地点では少ないですが、今後は他のメーカーからも発売されることが予想されます

タクミセン7との違い

タクミセン8と7の違い

 タクミセン7まではソールが25mm以下だったため、トラックでのスピード練習レース(800m~)での使用がメインでした。

 タクミセン8では33mmまで厚底化されトラックのレースでは使用不可となったため、レースでの使用はロードのみとなります。

 ミッドソールはLIGHTSTRIKEBoostの組み合わせでしたが、タクミセン8ではLIGHTSTRIKE PROにエナジーロードを内蔵した構造となりました。

 これによりクッション性反発力が増したため、レースでの適正距離は5km~ハーフマラソンとタクミセン7よりも長くなりました。

 厚さは11mmも増したものの、ミッドソールがタクミセン7よりも軽いため、重量増加は15gに抑えられています。このため、スピードの出しやすさは従来モデルと同様に優れています。

アディオスプロ2との違い

タクミセン8とアディオスプロ2の違い

 タクミセン8はアディオスプロ2を薄くしただけのようなイメージがありますが、エナジーロッドがカーボンからグラスファイバーに変更されています。

 このため、正確にはアディオスプロ2のソールにボストン10のエナジーロッドを搭載して薄くしたといえます。

 上級者向けのシューズにも関わらずグラスファイバーに変えた理由は、短い距離ではスピードを出しやすくするために屈曲性と接地感が重要なためだと思います。

 また、ミッドソールのLIGHTSTRIKE PROはタクミセン8の方が柔らかく軽量化されています。このため、重量はタクミセン8の方が20g程軽いです。

 アディオスプロ2と比較した時の注意点は、ミッドソールが柔らかくタクミセン8の方が安定性が低いことです。このため、タクミセン8は速めのスピード域での使用が適しています

メタレーサーとの違い

タクミセン8とメタレーサーの違い

 2021年12月地点ではタクミセン8と似ているシューズはほとんどありませんが、アシックスのメタレーサーがやや近いです。

 メタレーサーは厚さが29mmで、前足部〜中足部にカーボンプレートが内蔵されています。重量(27.0cm)も190gと非常に軽く、タクミセン8とかなりスペックが近いです。

 メタレーサーのミッドソールには軽量性に優れたFlyteFoamが使用されていますが、LIGHTSTRIKE PROのように反発力が高い素材ではありません

 アシックスにも、FF BLAST TURBOという軽くて高反発の素材がありますが、メタレーサーが発売された時期には開発中だったと思われます。

 ミッドソールがFF BLAST TURBOであれば5km~ハーフで活躍していたかもしれませんが、アシックス公式の説明にも用途に関する内容は書かれておらず、残念ながら立ち位置がよく分からないシューズでした

 個人的には、メタレーサーはタクミセン8よりも安定性が高いため、トラックを主戦場としているランナーのスピード練習に適していると思います。

まとめ

 タクミセン8の特徴・用途をまとめると以下のようになります。

  • 5km~ハーフに特化した新領域のシューズ
  • 多くのトップランナーが使用
  • 従来モデルよりも厚さが11mmアップ
  • 速めのスピード域での使用がおすすめ

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