ランニングシューズの相場を解説!5つの価格帯の特徴は?
ランニングシューズを選ぶ際に性能はもちろんのこと、価格・コスパを重視する方も多いと思います。
基本的に価格と性能は比例しますが、どの価格帯のシューズを選べば良いか分からない方は多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、ランニングシューズの価格帯を5つに分け、各価格帯の特徴を解説します。
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目次
価格を左右する要素
各シューズメーカーは独自技術を搭載することにより、シューズの性能・価値を高めていきます。
独自技術の中で、シューズの価格を左右する主な要素は以下の通りです。
- アッパーの材質
- ミッドソールの材質
- ミッドソールの使用量
- プレートの有無
- アウトソールの材質
この中では、ミッドソール(フォーム材)の材質・使用量が最も価格に影響するように感じます。
ミッドソールは性能に直結するため、最速モデルに使用される軽量でクッション・反発力に優れたフォーム材を使用したシューズは高価になります。
また、厚底シューズのようにミッドソールの使用量が多いほど価格は高くなる傾向もあります。
ここでシューズに搭載される独自技術について、ナイキの最速モデルであるアルファフライ3(定価39,655円)を例に見てみます。
- アトムニット(アッパー)
- ズームX(ミッドソール)
- Air Zoomユニット(ミッドソール)
- カーボンプレート(ミッドソール)
- ファストショット(アウトソール)
ミッドソールにはナイキで最も反発力に優れたズームXを採用し、厚さ40mmのソールに贅沢に使用しています。
さらにAir Zoomユニット・カーボンプレートを組み合わせることでエネルギーリターンを最大限まで高めています。
アッパーは軽量で通気性が高く、アウトレットはグリップ力に優れています。
このように多くの独自技術を搭載しているため定価は4万円近くしますが、性能が高いため多くのランナーが購入しています。
各価格帯の特徴
ランニングシューズを5つの価格帯(レンジ)に分け、その特徴や性能について解説します。
【レンジ1】9,000円未満
レンジ1(9,000円未満)のシューズは、以下のような特徴を持つことが多いです。
- メーカー最安
- 幅が広めで履きやすさ重視
- 独自技術はほとんどない(最低限の性能)
ランニング専門店よりも、通常のシューズショップ(ABCマートなど)やデパートで見かけるようなシューズが多いです。
陸上経験者やトレーニング志向の方は見向きもしないようなシューズですが、Amazonのランキングなどを見る限り、この価格帯のシューズが最も売れています。
理由はもちろん安さで、ランニング人口全体でみれば趣味やダイエットで気軽に走る方が多く、性能よりも安さが求められているためだと思われます。
安いとはいってもスニーカーよりは軽くてクッションがあるので、軽めの運動・ランニング(〜10km程度)なら十分です。
ただし独自技術はほとんど搭載されていないため性能は最低限で、フルマラソンやトレーニングには向いていません。
レンジ1には以下のようなシューズが挙げられます。
- JOLT 4 (Asics):¥5,940
- マキシマイザー26 (Mizuno):¥5,940
- レボリューション7 (Nike):¥7,150
- ギャラクシー6 (Adidas):¥7,150
これらの安いシューズについては以下の記事でまとめているので参考にしてみてください。
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▼Amazonでランキング1位のシューズ
【レンジ2】9,000円〜14,000円未満
レンジ2(9,000円〜14,000円未満)のシューズは、以下のような特徴を持つことが多いです。
- シンプルな設計(部活用が多い)
- コストパフォーマンスに優れる
- ソールは厚くない
- 1万円以下で購入できる
レンジ2のシューズからはメーカー独自のフォーム材が使用されることが多いです。
ただし使用量が多くないため厚さは30mm前後となり、軽量でシンプルなシューズが多くなります。
これらは部活用シューズとも呼ばれ、他にも通学・体育の授業など様々な場面で使われることが多いです。また、実売価格は1万円を切ることが多いです。
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また、レンジ2上限付近のシューズには、レンジ3と同等の性能を持つシューズが紛れていることもあります。
このようなシューズはモデルチェンジのタイミングなどでレンジ3になることも多いので、気になったら性能や実売価格をチェックしておくことをおすすめします。
エボライドスピード(初代モデル)はレンジ3のシューズと比べて遜色ない性能ですが、定価は13,200円とレンジ2にギリギリ収まっていました。
ただしマイナーチェンジの2代目モデルでは、定価は14,300円とレンジ3となってしまいました。
レンジ2には以下のようなシューズが挙げられます。
- デュラモスピード (Adidas):¥9,350
- ライバルフライ3 (Nike):¥9,900
- ライトレーサー5 (Asics):¥9,900
- デュエルソニック3 (Mizuno):¥9,900
- Propel v4 (New Balance):¥12,100
- ダイナブラスト4 (Asics):¥13,200
上の4つは典型的な部活用シューズです。レンジ1よりは少し高いものの、部活で使うならこれらのシューズがおすすめです。
ニューバランスのPropel v4は厚めのソールにプレートが内蔵されており、私はレンジ3と同等の性能があると思っています。
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【レンジ3】14,000円〜18,000円未満
レンジ3(14,000円〜18,000円未満)のシューズは、以下のような特徴を持つことが多いです。
- 各社の代表モデル・スタンダードモデル
- レンジ2よりも厚底だが、比較的シンプル
- デイリートレーナーとして日常的に使用される
- フルマラソンでも十分使用可能
レンジ3のシューズは各メーカーの代表的なスタンダードなシューズが集まります。
数年前までは普通に12,000円台で売られていましたが、最近は値上がり傾向のため安くても14,000円台となってしまいました。
レンジ2と同様にシンプルなものが多いですが、ソールは30mmを超えることが多く、フルマラソンでも十分使える性能となります。
陸上経験者をはじめとする上級者もデイリートレーナーとして少なくとも1足は持っていることが大半で、レベルを問わず幅広いランナーに使用されます。
レンジ3には以下のようなシューズが挙げられます。
- アディゼロSL2 (Adidas):¥14,300
- ヴェロシティニトロ3 (Puma):¥14,300
- ウエーブライダー27 (Mizuno):¥14,850
- ノヴァブラスト4 (Asics):¥15,400
バランスの取れたシューズが多い中、ノヴァブラスト4が反発力、Rebel v4が軽量性で突出しています。
このような特徴のあるシューズはレンジ4で見られるため、私はコスパを求めて選ぶことが多いです。
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【レンジ4】18,000円〜25,000円未満
レンジ4(18,000円〜25,000円未満)のシューズは、以下のような特徴を持つことが多いです。
- 特徴のあるデイリートレーナー
- 各社2番目以降のレーシングモデル
- 最速モデルと同じフォーム材を使用
- 目的に応じてプレートを内蔵
レンジ4のシューズはレンジ3よりも高機能で、軽量性・反発力・クッション・安定性のいずれか(または複数)に特徴を持たせています。
HOKA・On・Brooksのように、レンジ4以上の価格帯しか扱わないメーカーもあります。
レンジ4は大きく2つのカテゴリーに分かれます。1つ目はデイリートレーナーで、以下のようなシューズが挙げられます。
- 1080 v13 (New Balance):¥18,700
- インフィニティラン4 (Nike):¥18,700
- ゲルカヤノ30 (Asics):¥19,800
- クリフトン9 (HOKA):¥20,900
- クラウドモンスター2 (On):¥21,780
いずれもレンジ3のシューズに付加価値を加えており、レンジ3よりも性能を求める方に選ばれることが多いです。
レンジ3よりも弾むシューズが多く、初心者にとってはフルマラソンを完走するために心強く、中〜上級者にとっては疲労を軽減したり速めのペースに対応したい場面で役立ちます。
このようなシューズは以下の記事で多く紹介しています。(初心者おすすめシューズとしていますが、中〜上級者のデイリートレーナーとしても参考になる内容です!)
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▼ふかふかなクッションでおすすめです!
レンジ4の2つ目のカテゴリーは、各社2番目以降のレーシングモデルで、以下のようなシューズが挙げられます。
- S4 (Asics):¥22,000
- ズームフライ5 (Nike):¥19,800
- ディヴィエイトニトロ2 (Puma):¥19,800
- ウエーブリベリオンフラッシュ2 (Mizuno):¥18,700
- アディゼロボストン12 (Adidas):¥18,700
これらのシューズは厚底ソールにプレートを内蔵し、最速モデル(レンジ5)と同じフォーム材が採用されることが多いです。
ただし、安定性を高めるために硬めのフォーム材を組み合わせたり、接地面積を広めに設定することが多いです。
サブ3〜サブ4向けのレース/トレーニングモデルが典型的で、これらのシューズは以下の記事で多く紹介しています。
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【レンジ5】25,000円〜
レンジ5(25,000円〜)のシューズは、以下のような特徴を持つことが多いです。
- 各社最速モデル
- PEBAベースのフォーム材を採用
- 厚底ソールにカーボンプレートを内蔵
- 耐久性・安定性よりも性能重視
各社の最速モデルが揃う価格帯で、高いものでは定価4万円前後に設定されます。
ミッドソールにはPEBAベースの軽量で高反発・高クッションのフォーム材が採用され、エネルギーリターンを高めるためカーボンプレートが内蔵されます。
柔らかいフォーム材のため耐久性・安定性は犠牲になり、初心者には割に合わないことが多いです。
初心者向けに設計された高機能シューズがレンジ5に入ることもありますが、数は多くありません。
- アルファフライ3 (Nike):¥39,655
- Cloudboom Strike (On):¥36,300
- Fast-R ニトロエリート2 (Puma):¥35,200
- メタスピードEdgeパリ (Asics):¥27,500
- アディゼロアディオスプロ3 (Adidas):¥26,400
- ウエーブリベリオンプロ2 (Mizuno):¥25,300
各社の最速モデルについては以下の記事でまとめています。
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どの価格帯がおすすめ?
各価格帯のシューズの特徴・用途を以下にまとめました。
- レンジ1:軽めのジョギング・運動
- レンジ2:部活用、コスパ重視
- レンジ3:スタンダードモデル、フルマラソンまで対応
- レンジ4:高機能デイリートレーナー、サブ3〜サブ4向けのレース/トレーニングモデル
- レンジ5:最速モデル
ハーフマラソンやフルマラソンには出場予定がなく、軽く走れればよいならレンジ1〜2で十分です。
一方で、これから大会などに向けてランニングを頑張りたいと考えている方は、レンジ3〜4から選ぶことをおすすめします。
ちなみに、現役ランナーの私の家にあるシューズを数えてみたところ、以下のような分布になっていました。
- レンジ1:0足
- レンジ2:1足
- レンジ3:9足
- レンジ4:11足
- レンジ5:10足
意識はしていませんが、性能を求めてレンジ3以上のシューズが大半になっていました。
ジョギングではレンジ3〜4、スピード練習・レースではレンジ5のシューズ、またはスパイクを使用しています。