【Nike】ストラクチャープラス レビュー│機能の足し算が多すぎる
ナイキのストラクチャープラスは、シリーズで初めてズームXを搭載したスタビリティモデルです。
高い安定感と弾力感は相反しそうでもあり、その性能が気になっている方は多いと思います。
本記事では、ストラクチャープラスの特徴・使用感について、ゲルカヤノ33など競合製品との比較も交えつつレビューします。
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目次
ストラクチャープラス 基本情報
- 発売日:2026/2/5
- 定価(税込):¥22,000
- 重量:291g(27.0cm), 267g(25.5cm)
- 厚さ:42mm
- ドロップ:10mm
- ミッドソール:ReactX + ZoomX
- カテゴリー:スタビリティ
- 主な用途:ジョギング、ロング走、ロードレース・マラソン(サブ5〜完走)、ウォーキング、普段履き
- 高い安定感にクッションを追加
- 強力なサポートシステム
- 通常版よりも楽しいライド感
- かかと接地に配慮した設計
- ゴツくて重い
- やや不自然なサポート
ストラクチャープラスの特徴・スペック
ソール構成・クッション
ストラクチャープラスは高い安定感に加えてクッションにも優れ、普段履き〜マラソン完走まで活躍するシューズです。
従来ストラクチャーシリーズは硬めのフォームのみ採用しており、発売前はインフィニティラン4の後継になる予想もしていましたが、本モデルで初めて弾力感のあるズームXが採用されました。
ベースとしては通常版(ストラクチャー26)と同じくリアクトXを使用していて、ソール下層から外側を包み込むように配置されています。
リアクトXの硬度(5回平均値)は30.4HAでした。
平均値を大きく下回っているものの、表面的な柔らかさを拾っているためか、触って想像される値よりも低い測定結果でした。
感覚的には35HA前後で、グリセリンマックス2(Brooks)のDNA Tunedのような柔らかいけど芯があるような質感です。
ソールの厚さは公表値が42mmで、実測値は41.3mmでした。
安定感を重視するシューズとしては珍しい超厚底ソールで、同カテゴリーでは測定値で初めて40mmを超えました。
ズームXを追加したことが厚底化につながっていると思いますが、これにより通常版よりもクッションが大きく増加しています。
【参考値】反発力・曲げ剛性
反発力の簡易的な指標として鉄球を1mの高さから自由落下させ、反発時の高さを測定しました。
※落下地点の表面性に大きく左右されるため、実際に感じられる反発力とは必ずしも一致しません。
結果はインソールありで38.5cm、インソールなしで47cmで、インソールなしでは平均値を超えました。
ズームXはレーシングモデルとは異なる配合ではありますが、厚底ソールを活かしてゴリ押しで反発させているような印象でした。
次に曲げ剛性の簡易的な試験として、前足部を固定した状態から15度曲げるために必要なモーメントを測定しました。
結果は2.77Nmと平均値を上回りましたが、スタビリティカテゴリーにありがちなガチガチな硬さではありません。
アウトソールに横方向の溝が走っていることからも、ある程度は自然な動きを阻害しないように設計されているといえます。
重量
重量は代表サイズが291g(27.0cm)で、実測値(左右平均)は267g(25.5cm)でした。
厚さが40mmを超えておりサポート機能も搭載していることから、当然平均値を超える重さでした。
実測値ではゲルカヤノ33(266g)、ボンダイ9(267g)と同等で、重量感はあるもののカテゴリー内で特別に重い訳ではありません。
サイズ感(内寸・外寸)
25.5cmサイズにおける内寸(全長・前足部高さ・前足部幅・後足部幅)の測定結果は以下のようになりました。
パラメータごとに平均値からやや上下しているものの、全体的には丁度良いサイズ感でした。
42mmという厚みの割に内寸そのものは標準的で、極端に窮屈だったり余裕があったりということはありませんでした。
外寸(アウトソールの幅)の測定結果は以下のようになりました。
結果は前足部が113.8mm、後足部が92.5mmでした。
スタビリティモデルのため平均値は上回っており、厚底ソールとがっちりしたアッパーによりゴツさがあります。
アウトソールは色で判別できるように2種類使用されていて、後足部(オレンジ色)には耐摩耗性に優れた高硬度のラバーが配置されています。
実走・性能レビュー
想像よりは強力で正攻法のサポート
40mmを超える厚底ソールとズームXを使っていることからパフォーマンス寄りの性能を期待していましたが、想像よりもしっかりとサポート系のシューズでした。
特に内側のサイドウォール(ミッドソールが盛り上がった部分)が強力で、足裏の盛り上がっている部分もかなり分かります。
最近増えつつある自然なサポートというよりは正攻法なアプローチで、物理的・強制的に支えられている感覚でした。
クッションはズームXの搭載によりクッションカテゴリーとも言えるくらいの水準で、リカバリー用シューズとしてもしっかり機能すると思います。
ただし反発力はそこまで高くはなく、ストラクチャー26よりはバウンス感や楽しさはありますが、レーシングモデルよりは鈍くてスピードを出す気にはなりません。
ペースでいえば5分ペース(/km)を切るくらいのジョギングまでが良さそうでしたが、そもそもペースを気にしない使い方が一番合っています。
接地感もフラットで積極的に推進力を生み出す構造ではないので、ストラクチャー26にクッション(+若干のバウンス感)を追加したと考えるのが自然で分かりやすいと思います。
機能の足し算で方向性が分からない
左からストラクチャープラス、860v15、ゲルカヤノ33
40mm前後の厚底スタビリティモデルという括りで、ゲルカヤノ33(Asics)や860v15(New Balance)と比較しました。
この中で一番近いのはゲルカヤノ33で、高い安定感を備えつつクッションも高めで重量もほとんど同じです。
ストラクチャープラスの方が実測で2.8mm厚い分クッションは強く、そのためサポート機能は強く設定されており自然な感覚からは外れます。
一方で推進力はゲルカヤノ33とほとんど変わらず、バウンス感やロッカーに振り切った860v15のようなアグレッシブさはありません。
強力なサポート機能をベースにしながら、そこへ強めのクッションと中程度の反発力が足し算された結果、重くてごついシューズに仕上がっている印象です。
ジョブチューンでいえば一流料理人に足し算のし過ぎで不合格を出されているのようなイメージです(適当)。
正直なところ、ストラクチャーシリーズにおいて何をもって「プラス」と呼んでいるのかが分かりにくく感じました。
ペガサスプラスならパフォーマンス、ボメロプラスならクッションと、各シリーズは元のコンセプトを明確に底上げしているのに対し、ストラクチャープラスは足された要素が多く方向性が絞り切れていません。
ターゲットを言葉にするなら安定感もクッションも高い水準で求め、反発力もちょっと欲しい方ですが、ナイキのファンでもない限り決め手に欠けるように思います。
いっそのこと通常版のストラクチャーを、GT-2000(Asics)のような軽量でマイルドなスタビリティに振り切ってしまった方が、シリーズとしての住み分けは明快になる気がします。
ストラクチャー26との違い
通常版のストラクチャー26との違いを解説します。
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|---|---|---|
| Structure Plus | Structure 26 | |
| ¥22,000 | 定価 (税込) |
¥16,500 |
| 291g | 重量 (27.0cm) |
298g |
| 42mm | 厚さ | 36mm |
| 10mm | ドロップ | 10mm |
| ReactX + ZoomX | ミッド ソール |
ReactX |
商品画像の引用元:nike.com
価格・厚さ・ミッドソール構成のいずれもストラクチャープラスが明確に上位で、ズームXの追加によるクッション向上が最も分かりやすい違いです。
ストラクチャー26は良くも悪くも王道なスタビリティモデルで、シンプルさや接地感を求める方におすすめですが、少しでも刺激・楽しさを求めていると物足りなさを感じるかもしれません。
一方でストラクチャープラスは厚底化とズームX採用により、強力な推進力ではないものの楽しく走れるようになったことがメリットにも感じられます。
このため、価格差を許容してでもクッション性・バウンス感を上乗せしたい方にストラクチャープラスがおすすめできます。
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どんなランナーにおすすめ?
ストラクチャープラスは以下のようなランナーにおすすめできるシューズです。
- 強力なサポートと厚いクッションを両立したい
- ジョギングやロング走を安定してゆったり走りたい
- プロネーションが気になり、しっかり支えられる感覚が欲しい
- 王道なサポート系シューズはシンプルで物足りない
逆に、以下のようなランナーには合わない可能性があります。
- 自然で強制感のないサポートが好み
- ゴツさ・重量感が苦手


