【Garmin】Forerunner 265 レビュー│255、55との違いは?

ガーミンのランナー向けモデルのForerunner(フォアランナー)は、265・965より初めて有機ELディスプレイが採用されました。
本記事ではForerunner 265/265Sをレビューするとともに、旧モデルの255/255Sや、エントリーモデルの55と比較を行います。
(本記事で使用している写真は、Forerunner 265S Whiteになります。)
スペック比較表
265 | 265S | 255 | 255S | |
---|---|---|---|---|
定価(税込) | ¥62,800 | ¥60,800 | ¥49,800 ※ | ¥47,800 ※ |
重量 | 47g | 39g | 49g | 39g |
バッテリー(通常時) | 13日 | 15日 | 14日 | 12日 |
バッテリー(GPS時) | 20時間 | 24時間 | 30時間 | 26時間 |
ディスプレイ方式 | AMOLED | AMOLED | MIP(液晶) | MIP(液晶) |
ディスプレイ直径 | 32.5mm | 28.1mm | 33.0mm | 27.5mm |
解像度 | 416x416 px | 360x360 px | 260x260 px | 218x218 px |
※音楽モデルは+3,000円
Forerunner 200番台はミドルレンジモデルの位置付けですが、最近は搭載される機能が増え、高価格化が続いています。
今作もその流れは続いていて、定価は通常モデル(265)が62,800円、スモールモデル(265S)が60,800円と、旧モデルから1万円程値上がりしました。
255までは音楽機能がないモデルを選ぶことで価格を3,000円抑えることができましたが、265では全てのモデルに音楽機能が搭載されているため、ランニング中に音楽を聴かない方にとっては選択肢が減ってしまったといえます。
値上がりの理由は、ディスプレイ方式が本モデルの一番の特徴でもあるAMOLED(有機EL)に変わり、さらに解像度が上がったことが大きいです。
ただし記事執筆時(2025/1)ではAmazonのGPSの売れ筋ランキングでForerunner 265が1位となっており、それだけ有機ELディスプレイが魅力的で値上げの影響はそこまで大きくないのかなと思います。
デメリットもあり、バッテリーの消費が早くなります。GPSモードのバッテリー稼働時間は、255/255Sよりも通常モデル(265)で10時間、スモールモデル(265S)で2時間短いです。
それでも絶対的な数字で見れば通常モデルが20時間、スモールモデルが24時間と短かったところが、今作ではディスプレイが大きい通常モデル(265)の方がバッテリーが短いです(結構重要なポイントだと思います)。
今まではバッテリーを重視して通常モデルを選んでいた方もいると思いますが、今作は265Sが安くてバッテリーも長いので、画面の大きさを気にしないならおすすめです。
使用感レビュー
記事後半では一世代前の255・55との比較を行っていますが、ここでは今まで使っていたForeAthlete 245と比較したレビューになります。
2019年に購入していたため5年ぶりの買い替えとなりましたが、同時期のモデルを買い替えの方も多いのではないかな?と思います。

(左)Forerunner 265S (右)ForeAthlete 245
今までが液晶ディスプレイだったこともあり、明るさ・解像度の違いは明らかに感じられました。
FA245の液晶ディスプレイが暗く粗く感じられ、ひと昔のウォッチに感じてしまうレベルです。
ランニング用として考えれば正直安価な液晶で良いと思っていましたが、実際に見るとそこそこ満足感はあります。
液晶ディスプレイ搭載のモデルは今後発売されるか分からないですが、廃盤となったとしても「まあ良いかな」と思えました。
画面の明るさは3段階で調整可能でした。バッテリー重視で1段階目にしましたが、液晶に慣れていると十分明るいです。
他に変更した設定として、アクティビティ中の操作音、自動ラップの音が不要なので、これらをオフにしました。
自動ラップの音をオフにする設定は分かりづらいですが、「システム → 音/バイブ → アラートタイプ(オフ)」でいけました。
もう1点、トラックランの自動ラップをオフにしました。
トラックでは手動ラップを取りたい派ですが、今まで使っていたForeAthlete 245ではトラックがなく、毎回自動ラップの設定をしていました。
今回はトラックランの自動ラップのみをオフにすることで、毎回設定を変える必要がなくなりました。

(左)トレーニングレディネス (右)睡眠スコア
新たな機能としては、モーニングレポート・トレーニングレディネス・睡眠スコア・おすすめワークアウトがすぐに分かりました。
とはいっても、ディスプレイの変化と比較すれば、機能面は劇的に変わった感覚はないです。
機能比較
トレーニング機能

商品画像の引用元:garmin.co.jp
左上から、トレーニングレディネス、パフォーマンスコンディション、トレーニングステータス、トレーニング効果、VO2max/予想タイム、リカバリータイム
265 | 255 | 55 | |
---|---|---|---|
トレーニングレディネス | 〇 | × | × |
パフォーマンスコンディション | 〇 | 〇 | × |
トレーニングステータス | 〇 | 〇 | × |
トレーニング効果 | 〇 | 〇 | × |
VO2max/予想タイム | 〇 | 〇 | 〇 |
リカバリータイム | 〇 | 〇 | 〇 |
トレーニング機能では新たにトレーニングレディネスが追加されました。
トレーニングレディネスでは、トレーニングへの準備がどれだけできているかを1~100までのスコアで確認することができます。
リカバリータイム(画像右下)と似たような機能ですが、睡眠状態や短期的負荷なども考慮される点で異なります。
デイリースマート機能

商品画像の引用元:garmin.co.jp
左から、Garmin Pay/Suica、音楽モード、通知機能
265 | 255 | 55 | |
---|---|---|---|
タッチパネル | 〇 | × | × |
Garmin Pay/Suica | 〇 | 〇 | × |
音楽モード | 〇 | Musicのみ | × |
通知機能 | 〇 | 〇 | 〇 |
デイリースマート機能で新たに搭載された機能はありませんが、タッチパネルに対応しました。
ただし、Apple Watchなどと比較するとボタンが多いため、タッチパネルを使う機会はほとんどないと思います。
965などの地図機能が搭載されたモデルではタッチパネルが活躍しますが、それ以外はボタン操作で不便に感じることは少ないです。
また、265では音楽対応機種のみとなりました。音楽を聴かない方は、値段を落とすために255/255S、55も選択肢に入ります。
ヘルス機能

商品画像の引用元:garmin.co.jp
左から、睡眠スコア、HRVステータス、血中酸素トラッキング
265 | 255 | 55 | |
---|---|---|---|
睡眠スコア | 〇 | 〇 | × |
HRVステータス | 〇 | 〇 | × |
血中酸素トラッキング | 〇 | 〇 | × |
ヘルス機能に関しては、255が充実していたこともあり大きな追加機能はありません。
睡眠スコアは睡眠の質を0~100で数値化、HRVステータスは睡眠中の心拍変動を測定する機能です。
血中酸素トラッキングはパルスオキシメーターと同じく酸素飽和度を測定する機能です。通常95%〜100%となり、健康状態の把握に利用します。
常時オンにするとバッテリーの消費が激しいので、基本的には手動測定(約30秒)で使用することがで多いです。
【まとめ】6万円の価値はある?
Forerunner 265の主な変更点を以下にまとめます。
- AMOLED(有機EL)ディスプレイを搭載
- GPSモードでのバッテリーは短くなった
- 定価は約10,000円上昇
- 機能面で大きなアップデートはなし
全体として、スマートウォッチとしての側面が強くなったような印象を受けます。
画面は旧モデルよりも鮮やかで解像度も高いので、ディスプレイを重視する方にとっておすすめのモデルです。
バッテリー(GPS時)は短くなりましたが、それでも20時間は持続します。気になる場合は265Sの方が若干バッテリーは長いのでおすすめです。
同価格帯で有機ELディスプレイ搭載の他社製品にはApple Watch Series 8(GPSモデル)がありますが、こちらは通常使用でもバッテリーは1~2日しかもちません。
このように考えると旧モデルよりは高いものの、特段高い価格設定ではないように思われます。
ただし、あくまでランニングウォッチとして使用する場合、AMOLEDに10,000円値上がりした価値を感じない方もいると思います。
そのような場合は旧モデルの255/255Sでも全然良いと思います。安くてバッテリーも長く、機能にほとんど差がありません。
また、音楽を聴かない方は音楽非対応モデルを選択することで出費を抑えることもできます。
255/255の定価は50,000円近くしますが、それでも高いと感じる場合はエントリーモデルの55が選択肢に入ります。
定価(税込)は32,000円と265のほぼ半額ですが、バッテリー(GPS時)は20時間で同等の長さです。
また、自動ラップ・光学心拍計・VO2max/予想タイム・ライフログなど基本的な機能は一通り搭載されています。
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