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ガーミンの乳酸閾値(LT)テストを実施!測定方法がキツすぎた

ガーミンの乳酸閾値(LT)テストを実施

 ガーミンの機能の乳酸閾値テスト(LTテスト)を実施してみました。想像以上にきつかった測定内容の紹介や、結果の考察を行います。

乳酸閾値(LT)とは?

 ランニングのペース(運動強度)を上げていくと、エネルギー生成の過程で多くの乳酸が生成されます。

 乳酸の除去速度を生成速度が上回ると急激に血中乳酸濃度が上昇しますが、このときのランニングペースを乳酸閾値(LT)と呼びます。

 LTを超えるペースからは一気に辛さが増すため、このタイミングを遅らせる(LTを向上する)ことができればパフォーマンスの向上が期待されます。

 LTはLTペースのトレーニングによって向上可能で、トップ選手では最大心拍数の90%前後でLTに到達します。

 LTについては以下の記事で詳しく紹介しているので参考にしてみてください。

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対応モデル

 2024年2月地点において、Amazonで購入可能なランニングモデルの中で乳酸閾値テスト機能を搭載しているのは以下の通りです。

  • Forerunner 965
  • Forerunner 955/955 Dual Power
  • Forerunner 265/265S
  • Forerunner 255/255S

 このように、現行のミッドレンジモデル(200番台)以上であれば乳酸閾値テストは搭載されています。

 ただし、末尾が2桁のエントリーモデル(ForeAthlete 55など)や、旧モデル(ForeAthlete 245など)には搭載されていないので注意です。

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乳酸閾値テスト(LTテスト)実施

開始方法

乳酸閾値テスト 開始方法

 乳酸閾値テストを行うためには、別売の胸ベルト式心拍計(HRM-Pro Plusなど)が必要です。

 ウォッチ内臓の光学式心拍計は速いペース・ペース変動に弱く、正確に乳酸閾値を測定することができないためです。

 また、乳酸閾値の推定には最大心拍数VO2maxが利用されます。最大心拍数は強度を測るために使用されるので、正確に設定しておくべきです。

 測定を開始するにはアクティビティのメニューページから、トレーニング→乳酸閾値テストと選択します。

 アクティビティは可能であればトラックランを推奨します。トラックランでは400mトラックに沿ってGPSがきれいに修正されるため、正確に距離・ペースを測定することができます。

 また、テスト中は停止することが想定されていないので、信号がある道路では測定が難しいと思います。

 乳酸閾値テスト選択後は、画面の指示に従って決められた心拍数の範囲で走ります。

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測定内容

 測定内容は以下の通りでした。上から連続して走ることになりますが、徐々に要求される心拍数が上がっていき、最後はほぼ全力になります。

  • ①:10-15min(心拍数の指定なし)
  • ②:4min(136-156bpm = 70-80%)
  • ③:4min(136-156bpm = 70-80%)
  • ④:4min(157-165bpm = 80-85%)
  • ⑤:4min(166-175bpm = 85-90%)
  • ⑥:3min(176-185bpm = 90-95%)
  • ⑦:3min(186-195bpm = 95-100%)

 このように合計で7回の指示がありました。以下では各セクションのペースや辛さを書いていきます。

①:10-15min(心拍数の指定なし)

 テストを開始すると、まずは10-15分間のウォームアップを行うように指示されます。

 走行時間は目安のため、ラップボタンを押ことで次のセクションに移ります(以降は時間指定があるので、自動で次のセクションに移るようになります)。

 既にアップは済ませており面倒だったので、5分間だけ走ることにしました。

②③:4min(136-156bpm = 70-80%)

乳酸閾値テスト 測定内容

 ウォームアップを済ませると、最大心拍数の70-80%の範囲で4分間走るように指示されます。

 上の画像(右)のように、走行中は心拍数の範囲を示すページが追加されています。

 緑色が指示された心拍数の範囲で、ここから外れて赤色の領域に入るとバイブレーションで警告されてしまいます。

 やや速めのジョギングペース(モデレートペース)に相当し、私の場合はキロ4(4'00"/km)を切るくらいでした。

 4分間経過すると自動的に画面が切り替わりますが、全く同じ指示が2回続いたため、この心拍数で合計8分間走ることになりました。

 また同じことをするのかとは思いましたが、まだまだ楽なペースなので特に気にせず走り続けました。

④:4min(157-165bpm = 80-85%)

 キロ4で8分間走った後(②③)、次は最大心拍数の80-85%の範囲で4分間走るように指示されました。

 私の場合はキロ3分半(3'30"/km)前後でした。ハーフマラソンとフルマラソンの間のペースで、まだ余裕で走れます。

 初心者の方は既にLTに到達している可能性があるため、このセクションで辛くなるかもしれません。

⑤:4min(166-175bpm = 85-90%)

 続いて、最大心拍数の85-90%の範囲で4分間走るように指示されました。

 気が緩むと心拍数が落ちてしまうようになったので、指定された範囲に入っているか注視するようになり、ペースを計算する余裕はなくなってきました。

 ペースは3'10"/km前後で、ハーフマラソンのレースペースよりも少し速いくらいでした。

 このペースで4分間走るだけなら楽ですが、ここまでゆっくり走ってきたこともあり体感よりも速めのペースに感じられました。

⑥:3min(176-185bpm = 90-95%)

 さらに指示は厳しくなり、最大心拍数の90-95%の範囲で3分間走ることになりました。普通にきついので、走行時間1分短くなって嬉しいです。

 ペースを上げても前のセクション(⑤)からなかなか心拍数が上がらないので、最低ライン(176bpm=90%)に到達するまで何も考えずにスピードを上げています。

 キロ3(3'00"/km)は切っているだろうなと思いながらもペースを計算する余裕はなく、ひたすら3分間走り続けました。

 テスト終了後に確認しましたが、このセクションでのペースは2'53"/kmでした。おおよそ5000mのレースペースに相当します。

⑦:3min(186-195bpm = 95-100%)

 これでテスト終了かと思いきや、まさかの最大心拍数の95-100%の範囲で3分間走る指示が表示されました(絶望)。

 軽い気持ちでテストを開始したうえに、この後にスピード練習の予定があったため、ペースを上げるメンタルは残っておらずペース維持で妥協してしまいました。

 心拍数は183bpmまでしか上がらず、最低ラインの186bpmには3分間で一度も届きませんでした。

 後悔したのは最大心拍数を195bpmと設定していたことで、この値は光学式心拍計で測定された値が自動設定されたものでした。

 胸ベルト型の電気式の心拍計では最大192bpmまでしか上がったことがなく、さらに192bpmを記録したのは夏でした(乳酸閾値テストは冬に行いました)。

 冬場は心拍数が上がりづらい感触があり、たった3bpmではありますが、この3bpmがなかなか上がらず、ペースを上げる気力は湧いてきませんでした。

 最後のセクションのペースは2'52"/kmでした。前のセクションと合わせたラスト2000mは5分45秒で、想像以上に頑張っていました。

測定結果

乳酸閾値テスト 測定結果

乳酸閾値テスト中の心拍数の推移(点線が目標値)

 5分間のウォームアップを含め、最終的に7650m走らされました。合計27分06秒(3'32"/km)で、ラップは以下のようになりました。

  • 2'45(650m)-4'06-3'59-3'50-3'28-3'13-2'53-2'52

 ラスト3000mは8分台で、そこそこ強度の高いトレーニングとなりました。

 軽い気持ちで始めると完遂できないので、しっかりと準備をしてからテストを開始することをおすすめします。

乳酸閾値テスト 測定結果2

 肝心の乳酸閾値は「3'26"/km → 3'22"/km」まで向上しました。最後は心拍数が上がりきらなかったものの、測定不能とならずに安心しました。

 ちなみに5kmの予想タイムは2秒しか上がっておらず、乳酸閾値と連動しないのは意外でした。

 自身の乳酸閾値は3'10"〜3'15"/kmあたりだと思っているので、今回3'22"/kmまで向上したことは良かったものの少し物足りない気持ちです。

 最大心拍数の設定がずれていた要因もありますが、誤差要因として気になったのは5kmの予想タイムが17分05秒(3'25"/km)となっていた点です。

 5000mの持ちタイムは14分30秒(2'54"/km)のため、ガーミンには2分半以上遅く思われていたことになります。

 ガーミンからすると乳酸閾値が5kmのレースペースを大きく超える訳がないと考え、初めから乳酸閾値の範囲を絞り込んでいる可能性があります。

 極端な例をいうと、5kmの予想タイムが25分00秒と設定されているガーミンを使ってトップランナーがテストを行ってしまうと、正確に走れていたとしても乳酸閾値が低く出てしまうことが考えられます(試してはいないので断定はできません)。

 乳酸閾値の推定にVO2maxが利用されているということは、連動している予想タイムも少なからず関連しているはずなので、できるだけ予想タイムが持ちタイムに近い状態でテストを開始すると精度が上がると思います。

まとめ

 ガーミンの乳酸閾値テストでは最終的に最大心拍数の95〜100%の範囲で3分間走ることが要求され、このためにはほぼ全力を出し切る必要がありました。

 実際の最大心拍数よりも高く設定していたり、心拍数が上がりづらい冬場では指定された心拍数で走ることが困難になり、場合によっては測定不能になることがあります。

 逆に、実際の最大心拍数よりも低く設定していると、最大心拍数に近い心拍数で頑張って走っていると見なされ、乳酸閾値が遅い側に推測されてしまう可能性があります。

 また、乳酸閾値にはVO2maxの設定値を利用しているため、関連指標である予想タイムが持ちタイムに近いほど測定精度が高まると推測されます。

 このため、最大心拍数を正確に設定し、VO2max(または予想タイム)が大きく外れていないことを確認したうえでテストを行うことで、精度良く乳酸閾値を測定することができそうです。

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