【オムロン】スポーツ用低周波治療器 HV-F080 レビュー│マイクロカレントの効果は?
オムロンのスポーツ用低周波治療器「HV-F080シリーズ」を購入しました。現役で陸上競技(中距離)を続けているので、特にスポーツ選手視点での使用感をお伝えします。
商品概要
マイクロカレント(微弱電流)モード搭載のスポーツ用低周波治療器です。ほとんど刺激を感じない程度の電流を流し、損傷部の修復を促進します。
2か所同時に治療可能で、パッド(筋肉用)は1枚、パッド(関節用)は2枚1組で使用します。
仕様
- 型式: HV-F080/HV-F081(仕様は全く同じ)
- 定価(税込): ¥22,000
- 重量: 290g
- 電源: 充電式
- 使用可能回数: 30分治療×約6回
- 強さ調整: 20段階
- 特徴: マイクロカレント搭載、2か所同時治療可能
付属品
- 専用パッド(筋肉用)×2: HV-SPAD-MU
- 専用パッド(関節用)×4: HV-SPAD-JO
- ケーブル(白): HV-CODE-BW
- ケーブル(グレー): HV-CODE-BGY
- パッドホルダー×2: HV-SPAD-EHOLD
- 専用ACアダプタ: HHP-AM11
- パッドホルダー×2: HV-SPAD-EHOLD
- 収納ケース: HV-F080-SOCA
- 取扱説明書
3つの治療モードを搭載
HV-F080シリーズでは、低周波モードの「リカバリー」「ペインケア」と、本製品の特徴でもある「マイクロカレント」の3つの治療モードを搭載しています。
低周波モード
オムロンHPによると、痛みの発生源の要因の1つに血行不良があります。酸素が行き渡らなり、発痛物質を含む老廃物が蓄積されるためです。朝一が最も痛い現象が分かりやすいと思います。
低周波治療器では、一般的に1200Hz以下(筋肉が反応しやすい周波数)の電流を流すことで、皮膚表面の筋肉の収縮・弛緩を引き起こします。このときに血流が促進され老廃物を排出するため、鎮痛作用や疲労回復効果が期待されます。
これは怪我をしていても運動中(または運動後)に一時的に痛みが和らぐ現象に近いと思います。アクティブレストに近い考え方でもあります。
ちなみに高周波治療という方法もあるようですが、こちらは低周波よりも筋肉の奥まで浸透できる特徴があります。刺激が少ない上に即効性もありますが、治療後の持続性が短いといわれています。
本製品では、痛みが強くない場合は「リカバリーモード」、痛みを和らげたい場合は「ペインケアモード」と使い分けるのが良いと思います。
マイクロカレントモード
マイクロカレントモードでは、μA(Aの100万分の1)単位の微弱電流を利用します。低周波モードと異なり、刺激はほとんど感じないレベルです。
トップアスリートがコンディショニングに利用することも多く、ダルビッシュ選手がSNSで挙げたこともあります(WBCで流行っていたそうです)。
周波数について記載はないですが、低周波に入るのではないかと思います。最大パルス幅が2.5秒との記載はあるので、直流に近いのかもしれません(推測です)。
効果は低周波モードの痛みを和らげる「ペインケア」に近いですが、「マイクロカレント」は損傷部を修復(治療)する効果があります。
ランナーの怪我でありがちな腸脛靭帯炎(ランナー膝)には、低周波モードよりもマイクロカレントの方が適しています。
通常モデルとの違い
HV-F080 | HV-F128 | |
---|---|---|
定価(税込) | ¥22,000 | ¥9,680 |
重量 | 290g | 155g |
電源 | 充電式 | 単4電池×2 |
使用可能回数 | 30分治療×約6回 | 15分治療×約90回 |
強さ調整 | 20段階 | 10段階 |
チャンネル数 | 2つ | 1つ |
マイクロカレント | 〇 | × |
Amazonの売れ筋ランキング第1位の「HV-F128」との比較を行います。こちらはスポーツ用ではなく通常の低周波治療器です。
価格は安いですが、スポーツ用ではないためマイクロカレントモードが搭載されていません。このため、治療・コンディショニングを優先したいスポーツ選手には物足りないと思います。
チャンネル数はHV-F128は1つのみです。HV-F080は2つあるため2か所同時に治療可能で、それぞれ別の治療モードにすることもできます。このため、2人で使うこともできます。
価格はHV-F128の方が1万円以上安いです。HV-F080はやや高いですが、治療院に通うコストを考えれば安く感じるかもしれません。スポーツ選手へのプレゼントにも良いと思います。
使い方
使い方は簡単で、まず本体にケーブルを差し込みます。2箇所同時に治療する場合は両方差し込みます。
パッドとケーブルを接続し、治療部位に貼り付けます。パッドの粘着面には導電性ゲルが使用されています。関節用パッドは2枚1組で使用します。
あとは本体の操作のみです。電源を入れ、治療モードをチャンネルごとに選び、スタートボタンを押せば治療開始です。
中央が残り時間、両端が各チャンネルの電流の強度を示しています。
30分の治療が終了すると本体電源は自動でオフになります。1か所のみ治療していた途中から2か所目を追加した場合も、1か所目の開始時間を基準に終了します。
パッドを取り外し、専用ホルダーに貼り付けます。専用ホルダー表面には接触面積が小さくなるように凹凸があります。
最後にコードを緩めに巻きつけて収納ケースに入れます。コンパクトにまとまるので、レースの遠征先にも持って行きやすくて便利です。
実際の使用感
膝をかなり痛めてしまったので、怪我発症から3日後に「ペインケア」を使用しました。足を引きずる程の怪我で、周りの方に心配されるくらい深刻でした。
強さは20段階のうち「15」に設定しました。一度Maxの20まで上げてみましたが、膝が大きく振動してつりそうになったのですぐに15に戻しました。
肝心の効果ですが、30分の治療で痛みはかなり和らぎました。治ったというより麻痺して痛みが感じにくくなったイメージですが、即効性があり効果を感じやすいです。
2日連続でペインケアで治療し、その翌日にはゆっくりではありますが7km走れるところまで戻りました。2~3週間は走れないことも覚悟していたので驚きでした。
次に、本製品の特徴である「マイクロカレント」を使用しました。膝の痛みは和らぎましたが、まだ違和感が残っているのでしっかりと治療することが目的です。
刺激はわずかに感じる程度で、くすぐったい・痒い感覚に近いです。人によっては全く刺激を感じないかもしれません。
効果は即効性があるというよりは損傷部の修復を早めるようなイメージを持ちました。気持ちが入っているかもしれませんが、回復速度は早まったと感じます。
トレーニングをしていると怪我になりそうな違和感(予感)がすることがありますが、そのときに悪化するのを防止できるのも良いと感じました。
次に、低周波モードの「リカバリー」をふくらはぎに使用しました。スピード練習からの回復が目的です。
強さは20段階のうち8に設定しました。膝では強度15まで耐えられましたが、ふくらはぎは13まで上げたところでつりかけました。
朝起きたときは明らかに疲労は抜けていました。これも気持ちの問題かもしれませんが、自然回復よりも効果はあったと感じました。
陸上をやっていた方なら分かりますが、週に2~3回強度の高い練習を入れる必要があります。この間はジョギング・休息で挟みますが、トレーニング効果を高めるためにできるだけ回復することが望ましいです。
リカバリーモードはこの回復期での使用に有効で、より質の高いトレーニングを継続するために使えるのではないかと感じました。
パッドの寿命延長は30回が推奨されていますが、丁寧に扱えば50回くらいは使えます。実売価格が2,000円程度なので、治療1回あたりの価格は2か所同時治療で100円以下となります。
始めはこれでも高く感じましたが、治療院に行くことを考えると安く感じてしまうので絶妙な価格設定です。
価格の面だけではなく、通わずに済むのが大きいです。自宅なら座りながら作業ができますし、待ち時間もないので大きなメリットだと感じます。時間を買うと考えれば安いです。
まとめ
「HV-F080シリーズ」の特徴をまとめると以下のようになります。
- スポーツ用の低周波治療器
- 損傷部の修復に効果がある「マイクロカレントモード」を搭載
- 2か所同時に治療可能
- 1回の治療費は2か所同時で100円以下