【試合補正】レースで練習より極端に速く走れる要因を考察 – Unattached Runner
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【試合補正】レースで練習より極端に速く走れる要因を考察

 レースで練習内容からは考えられないようなタイムが出たことはないでしょうか。この現象は試合補正とか呼ばれたりしていますが、私は試合補正の影響をかなり受ける体質で、なぜかレース当日だけ足が極端に速くなります

 そこで本記事では、試合補正の要因について調べたことや考察したことを紹介しようと思います。

試合補正の考えられる要因

ピーキング

 レースに向けてピーキングをしているので、練習より速くなるのは当然だと思います。しかしながら、5000mのレース4日前の1600m×2(3'10"/km)がかなり辛かったのに、レース当日は14分30秒(2'54"/km)で走れちゃったことがありました。

 もしピーキングが要因ならレース当日に近づくにつれて徐々に仕上がってくると思うので、当日だけ急激に速くなる説明にはなりません

ランニングフォーム

 練習ではペースを決めて時計を見ながら走りますが、レースではペースを気にせず集団についていくことがよくあります。

 このとき集団のペースに無意識に合わせていることが普段とは違う余裕を持ったフォームに変化させていて、ランニングエコノミーが向上してるんじゃないかと予想しました。

 この説ならレース当日のみ足が速くなる説明になりますが、ランニングフォームが変わったという物理的要因では極端に足が速くなるとは思えないです。

 私はピーク時に1500mで3分50秒を切るくらいですが、1度だけ独走で3分50秒を切ったことがあります。ピーキングをしたとしてもレースでなかったら1人で3分50秒は絶対に切れないので、ランニングフォームも試合補正の要因ではなさそうです。

 やはり物理的要因ではなく、体中で何かしらの反応が起きているとしか思えません。

アドレナリン

逃走本能

 体の内部で何かが起こっているとしたら、まずはアドレナリンが思い浮かびます。レース中にアドレナリンが分泌されるのは逃走本能と同じ現象で、大きなストレス(緊張感)がかかったときに血流に放出されます

 アドレナリンによるメリットは以下の通りです。

  • 心拍数収縮力を増加させる。
  • 必要とされる筋肉への血管を膨張させ、使用しない筋肉の活動を制限する。
  • 呼吸の経路を膨張させ、より多くの酸素を取り込んで必要な筋肉へ送る。
  • 尿の水分損失を発汗に回すことで、強度の高い動きを継続的に行えるようになる。

 逃走本能と同じ現象ということだけあって、アドレナリンは速く走るための反応を引き起こしていて、レース当日に速くなるのも納得がいきます。

カフェイン

カフェイン

 体内で反応が起こっているという観点で考えると、アドレナリンのほかにはカフェインが思い浮かびます。カフェインの効果については以下の記事で詳しく解説していますが、主にアドレナリン分泌の促進と疲労の自覚を遅らせる効果があります。

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 私は疲労の自覚を遅らせる効果はかなり感じていて、1500mのレース中は辛いと思ったことがほとんどありません。練習では1000mのインターバルでさえ辛くて妥協しているというのに、レースでは辛くなる前に足が動かなくなります。

 ただし、私はカフェイン単体だけではそれほど大きな効果は発揮できないと思っています。通常の練習前もカフェインを摂取したことが何回かありますが、レースのときほど試合補正がかからないためです。あくまでアドレナリンの効果が主体で、そこにカフェインで効果を増大させるイメージだと思っています。

まとめ

 レース当日に極端に足が速くなるのは、いろいろな要因を検討した結果アドレナリンによる効果が一番大きいという結論に至りました。また、アドレナリンの効果はカフェインでさらに増大できることも分かりました。

 特に練習があまり好きではない人ほど、練習とレースの間でメンタルの差が大きくて試合補正がかかりやすいんじゃないかと思いました。

参考記事

  1. Are You Scared? The Science of Running on Adrenaline, 2021/1/12閲覧

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