【Mizuno】ハイパーワープピュア レビュー│ミズノらしい伝統モデルがスーパーシューズに!
ミズノのハイパーワープピュア(Hyperwarp Pure)は超軽量でスピードに特化したレーシングモデルです。
過去の尖ったモデルからは完全に脱却した新シリーズで、その性能に期待している方は多いと思います。
そこで本記事では、ハイパーワープピュアの特徴・使用感を他社の最速モデルと比較しながらレビューしていきます。
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目次
ハイパーワープピュア 基本情報
- 発売日:2025/12/19
- 定価(税込):¥35,200
- 重量:137g(27.0cm), 125g(25.5cm)
- 厚さ:34.5mm
- ドロップ:3mm
- ミッドソール:Mizuno Energy XP (PEBA) + Carbon Plate
- カテゴリー:レーシング
- 主な用途:ロードレース・マラソン(~サブ3)、駅伝、インターバル、LT走
- 超軽量の137g
- クセがなく扱いやすい
- ミズノエナジーXPが進化
- トラックとの相性が良い
- やや強気の価格設定
ハイパーワープピュアの特徴
ミズノの新シリーズであるハイパーワープ(Hyperwarp)は3モデルありますが、その中でもピュアは「軽さ・スピード」に特化したシューズです。
25.5cmサイズで測定
重量は代表サイズ(27.0cm)で137g、25.5cmサイズで実測で125gでした。
アディオスプロEVO(Adidas)、メタスピードレイ(Asics)と同等レベルの軽さで、超軽量シューズの域に入ってきました。
この重量ゾーンのマラソン向けレーシングモデルは主要メーカーではこの3社しかなく、後出しが多かったミズノとしてはスピーディーで開発体制が明らかに変わったような印象です。
2007年にミズノはウエーブユニバース100という100g(25.5cm)のシューズを発売していましたが、超薄底でクッションは皆無でした。
ミッドソールは引き続きミズノエナジーXPを採用していますが、旧モデルにあたるリベリオンシリーズとは異なる配合に変更されています。
国内サイトにはMIZUNO ENERZY XP (LIGHTWEIGHT)と記載されていますが、海外サイトには「MIZUNO ENERZY XP PEBA VERSION」と明記されています(今まではTPEEでした)。
また、リベリオンシリーズの特徴だったスムーズスピードアシスト(かかとが削れたソール形状)が廃止され、一般的なフラットな形状になりました。
独自路線をやめて王道のアプローチを取ったことで安心でき、今まで以上に選ばれやすくなった(敬遠されにくくなった)ように思います。
カーボンプレート(SMOOTH SPEED PLATE)は中足部内側が折り曲がっていて、この手の込んだ形状により安定性を高めています。
縦方向で見れば一般的なU字の形状をしていますが、従来のS字形状ではなくなり、ついにモデル名からウエーブがなくなっています。
ミズノの歴史が変わった、は言い過ぎかもしれませんが、最速モデルがウエーブシリーズではなくなったことは割と大きな出来事に感じます。
アウトソールはミズノ独自のG3ソールですが、ついに必要な部分のみに配置されるようになりました。
今までは特殊なソール形状のために接地面を広く取り全域にG3ソールを配置していたため、この変更も軽量化につながっています。
実走レビュー
サイズ感・履き心地
サイズ感は普通でした。リベリオンシリーズと大きくは変わらないような感覚です。
アッパーの伸縮性はあまりないため、しっかりホールドされます。リベリオンプロ3・LOWは硬めでチクチクしていましたが、柔らかくなったため足当たりが良くなっています。
厚さが34.5mmとやや薄いためか、超軽量ではあるものの脆さはそこまで感じませんでした。
思っていたよりも弾力感がある
厚さが34.5mmしかないため反発力はそこまで期待していませんでしたが、想像以上に弾みました。
新素材のミズノエナジーXPがそこそこ柔らかく、クッションもしっかりと感じられます。
これで硬いというレビューが出てきたならそれは厚底シューズに慣れすぎているためだと思われ、踏み込んだ分しっかり圧縮して反発が返ってきます。
厚さが近いマジックスピード5(Asics)・タクミセン11よりも弾力感は高いです。35,200円するだけあって、かなり良いです。
平林選手(ロジスティード)がタクミセンを履いているように、体重が軽い方であればフルマラソンでも全然使えると思います。
ハイパーワープシリーズではピュアのみインソールがないですが、これが厚さの割に弾力感を感じる理由かもしれません。
インソールはレーシングモデルでも(薄くても)3mm前後あるので、フォームの量でいえば厚さ37.5mmのシューズと同じくらいになるはずです。
最近はインソールの素材にスーパーフォームを採用したモデル(On, Asics)もありますが、まだ数は多くなく、同様のアプローチでミズノとしては速い対応だと思います。
そもそも何でレーシングモデルにインソールが必要なのか分からなくなってきましたが、走ってみて違和感は全くなく、大きなデメリットはないように感じました。
ミズノらしさを上手く活かしている
(左)Hyperwarp Elite (右)Hyperwarp Pure
新しいミズノエナジーXPは応答性も良いため、超軽量な重量と合わせてスピードはかなり出しやすいです。
シューズでいえばストリークフライ2(Nike)に次ぐレベルで、スパイクに近いところまでペースを上げられます。
ストリークフライ2はスパイクの構造に近く高速ペース以外では使いづらいですが、ハイパーワープピュアはフラットで安定するため、扱いやすい点で大きなメリットになると思います。
メタスピードレイやアディオスプロと比較しても、安定感がありトラックとの相性が良い点か嬉しいです。
最終的に60秒(/400m)ペースまで上げましたが、楽しくなってしまうくらい簡単に足が回りました。
記事前半で王道のアプローチを取ったと書きましたが、軽量かつフラットなソールで足を回していく点でいえば、伝統の薄底モデルに近いものを感じます。
伝統モデルを現代風のスーパーシューズ進化させたと売り出しても良いほどで、上手く王道レーシングモデルとミズノらしさを組み合せたように思います。
長くても20km強の駅伝であればかなり選ばれやすいと思われ、そこそこシェアを取り返せるポテンシャルはあると思います。
どんなランナーにおすすめ?
ハイパーワープピュアは以下のようなランナーにおすすめできるシューズです。
- 安定感がある超軽量シューズを求めていた
- ピッチを上げることでペースを上げたい
- 体重が軽い方など、強力なクッションを必要としない
- ミズノ伝統の薄底モデルが好きだった
逆に、以下のようなランナーには合わない可能性があります。
- 40mm近い厚底シューズの反発力を想像している
- トレーニングでマラソンペースを超えることが少ない
