陸上スパイクピンの選び方│長さ、形状、材質の違いは?

 陸上のスパイクピンには様々な長さ・形状のものがあります。これは各競技で最大限のパフォーマンスを発揮するために設計されてるためです。

 本記事では、陸上のスパイクピンの長さや形状の違いや選び方について解説します。

スパイクピンの長さと規格

 スパイクピンの長さの規格で9mm(走り高跳びとやり投げは12mm)を超えてはならないとされています。これは日本陸連・世界陸連(WA)ともに共通の値です。

 基本的には、以下の表に示した長さのピンが使用されることが多いです。

種目 タータン 土トラック
短距離・フィールド 8mm 12mm
中距離 7mm 9mm
長距離 5mm 7mm

 ピンが長いほど大きなトラクションがかかり、筋肉への負担が大きくなるといわれています。そのため、距離が短い種目ほど長いスパイクピンを使用することが一般的です。

 ただし、私はピンの長さはあまり気にしなくて良いと思っています。なぜかというと、スパイクの特性は主にプレートの長さ(全体の硬さ)ソールの形状によって決まるためです。

 そもそも海外メーカー(ナイキやアディダスなど)のピンは種目に寄らず1/4インチ(6.35cm)が基本で、日本のようにあまり長さを気にしてはいないようです。

METASPRINT

METASPRINT (ASICS公式HPより引用)

 さらにアシックスは2020年にピンレス(METASPRINT)や5mmの短距離スパイク(SONICSPRINT ELITE 2)を発売しています。接地時間を短縮する目的があるようですが、メーカー側もピンの長さの正確な答えは検討中のようです。

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スパイクピンの形状

スパイクピンの形状

 スパイクピンの主な形状には、平行ピン、2段平行ピン、ニードルピンがあります。日本メーカー(アシックス、ミズノ)は平行ピンまたは2段平行ピン、海外メーカーはニードルピンが最初からついている場合が大半です。

 上に挙げた形状以外にも、クリスマスツリー(3段以上の平行ピン)、クリスマスツリー(改)、土トラック用のとんがりピンといった形状もあります。

 また、ねじの径とピッチはメーカーによらず統一されているため、ナイキのスパイクにアシックスミズノのピンを取り付けることは可能です。

 日本で購入しやすいタータン(オールウェザートラック)専用のスパイクピンはアシックスのパウピラという商品で、型番AS-Aが平行ピン、AS-Bが2段平行ピン、AS-Fがクリスマスツリー(改)の形状です。多くの選手が使用しているのは、最初からついていることが多いAS-B(2段平行ピン)です。

 どの形状を選べばいいか気になるところですが、研究によるとエネルギーリターンは大きい順にクリスマスツリー(改) > ニードルピン > 平行ピン = クリスマスツリー > とんがりピンとなっています(2段平行ピンは使用していませんでした)。

 ただし、これは1本のピンを垂直方向に5mm押し込んだ場合の結果であり、実際のスパイクは複数本のピンがあらゆる場所に配置されているため単純比較はできません。トップ選手は海外メーカーのスパイクを履いていることが多いためか、ニードルピンを使用している場合が多いです。

 研究では、どの形状のピンでもタータンサンプルを貫通していました。平行ピンはタータンを貫通しないため大きな反発が得られると聞くこともありますが、あまり根拠がないといえます。

 また、土トラック校庭で使用する場合は、アンツーカー専用と書いてあるピンを購入してください。アシックスならランスパークという商品名で販売されています。

 さらに、アンツーカー専用のスパイクピンはネジ山が長いため、必ずアタッチメントを取り付けなければなりません。アタッチメントはアシックスならレジナスガードという商品名で販売されています。

 スパイク自体にもアンツーカー対応/未対応のものがあるので、ピンを購入する前には確認しておくようにしましょう。

スパイクピンの材質

 スパイクピンの材質としては主にスチール(鉄)、アルミニウム、セラミックが挙げられます。それぞれの材質のメリットデメリットは以下の通りです。

材質 メリット デメリット
スチール 高耐久 比較的重い
アルミ 軽量 低耐久
セラミック 高耐久・軽量 感覚が鈍い

 日本メーカーの平行ピンはスチール製で、スチール製以外の平行ピンは見たことがありません。一方、海外メーカーのニードルピンはアルミ製です。アルミは鉄の比重の1/3しかないため重量では有利ですが、結構脆くて数回の使用で先端が丸くなってしまいます

 そのため、私は練習ではスチール製の2段平行ピン、レースや重要な練習のときのみアルミ製のニードルピンを使用しています。平行ピンもニードルピンも1000円程度で手に入れることができるので、どちらも揃えておくのはありだと思います。

 セラミック製のスパイクピンはアルミと同等の重量でかつ高耐久です。ただし、金属製のピンと比べると走行時に伝わってくる感覚が鈍いです。ランナーにとっては地面から伝わる感覚も非常に重要で、人によってはデメリットにもなり得ると思います。

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