【Asics】グライドライドマックス レビュー│新素材のFF Blast Maxを採用!
アシックスから2024年10月に、超厚底シューズのグライドライドマックスが発売されました。
旧モデルにあたるグライドライド3の発売から2年以上空いたため、廃盤を心配していた方にとっては嬉しい知らせだったと思います。
本記事では、グライドライドマックスのレビューを行うとともに、グライドライド3・ゲルニンバス26との比較も行います。
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目次
グライドライドマックス基本情報
まずはグライドライドマックスのスペック、メリット・デメリットを紹介します。
- 発売日:2024/10/10 (2024/10/1 公式ストア先行販売)
- 定価(税込):¥17,600
- 重量:290g(27.0cm), 255g(24.0cm)
- 厚さ:44mm(M), 43mm(W)
- ドロップ:6mm
- ミッドソール:FF Blast Max + FF Blast Plus Eco + EVA Plate
- カテゴリー:クッション
- 主な用途:ジョギング、リカバリー、ロング走、ロードレース・マラソン(サブ4.5〜完走)
- 超厚底のクッション
- ロッカーのサポート(楽に走れる)
- 価格そのまま
- グライドライド3よりも重い
- 他のモデルとの差別化が難しい
グライドライドマックスの特徴
超厚底ソールにロッカー形状を採用
グライドライドマックスの厚さは、メンズで44mmと超厚底です。グライドライド3が約40mmだったので、さらに4mm厚くなりました。
この超厚底ソールに、グライドライドシリーズの特徴でもあるロッカー形状(ガイドソール)が採用されています。
つま先が大きく反り上がっているため、接地時にカーブの形状に沿って転がり、エネルギーを抑えて楽に走ることができます。
楽に走れるうえに超厚底でクッションが高いため、フルマラソンやロング走との相性が良いといえます。
新素材のFF Blast Maxを採用
グライドライドマックスのミッドソールは2層構造で、上層には新素材のFF Blast Maxを採用しています。
FF Blast Maxは柔らかく弾力感のある素材で、足元のクッションを高める役割があります。
下層はFF Blast Plus Ecoを配置しており、こちらも弾力感のある素材ですが、FF Blast Maxよりは硬めです。
FF Blast Plus Ecoはゲルカヤノ31、GT-2000 13、ノヴァブラスト4にも採用されているフォーム材です!
下層を相対的に硬めにすることで形状を維持し(極端に圧縮せず)、よりロッカーによる転がりを感じることができます。
ちなみに、FF Blast Plus Eco(正確にはFF Blast Plus)はグライドライド3では上層(柔らかい側)で使用されていました。
それが今回は下層(硬い側)に変わったので、履く前は柔らかくなり過ぎていないかが気になりました(ライド感は実走レビューに記載します)。
また、2層ミッドソールの間には前回同様にEVAプレートが内蔵されています。
柔軟性が高いため推進力を高めているというよりは、ロッカー形状を維持することに役立っているといえます。
実走・性能レビュー
サイズ感・履き心地
サイズ感は丁度良いです。後で比較するゲルニンバス26など、他のアシックスのシューズと変わらないです。
アッパーは全体的にボリュームがあり、ソールと同様にふかふかです。
上側も下側もボリュームがあり見た目は大きいですが、重量は300gを下回っているため、想像よりも重く感じることはないと思います。
FF Blast Maxは反発よりもクッション
超厚底ソールから想像していた通り、マックスクッションといえる柔らかさを感じました。
新素材のFF Blast Maxは反発よりもクッションが感じられ、接地時に大きく圧縮して衝撃が吸収されました。
柔らかさが際立っていて、内蔵されているはずのEVAプレートはほとんど感じませんでした。
ちなみに、FF Blast Maxの柔らかさは、グライドライド3の上層(FF Blast Plus)とほとんど変わらない気がしました。
というのも、グライドライド3の上層は本来のFF Blast Plusよりも柔らかい印象があり、既にFF Blast Maxに近い素材が使われていたのではないかと予想しています。
単純に厚くなったことがクッションの向上に寄与していて、アシックスのシューズの中でもトップレベルで柔らかく感じました。
ただし、クッションがしっかりと効いているうえに軽くはないため、速めのペースでは使いづらいです。
今回はキロ4〜キロ5ペースで走りましたが、4分半ペースくらいまでであれば脱力状態でも勝手に走れるような感覚でした。
キロ4まで上げると重さや上層(FF Blast Max)の圧縮が気になり始めたので、分かってはいたもののスピード用途には不向きです。
クッションよりも軽量性・スピードを求めている場合は、兄弟モデルのエボライドスピード2がおすすめです(私はこちらが好みです)。
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ロッカーは前作よりは控えめ
最大の特徴ともいえるロッカーは前に体重をかければ転がるものの、グライドライド3よりは弱くなったように感じました。
初めてグライドライド3で走ったときは転がり感に驚いた記憶がありますが、今回はそこまで極端ではありません。
このことを確かめるために、グライドライドマックスとグライドライド3の商品画像を重ねて、ソール形状を比較してみました。
商品画像の引用元:asics.com
上の画像では、グライドライドマックスの商品画像に、グライドライド3のソール形状を赤色の点線で重ねています。
見ての通り、グライドライドマックスはソールが厚くなったにも関わらず、ロッカーは緩くなったことが分かります。
これに加えて厚底化の影響で圧縮量が大きくなっているため、よりロッカー形状が伝わりづらくなっていると感じました。
ただし前作よりは弱いだけであって、標準的なシューズと比べれば転がります。
走ってみると想像していたよりは楽にペースが上がるので、程々にロッカーの恩恵を受けていたのだと思いました。
グライドライド3・ゲルニンバス26との比較
旧モデルのグライドライド3と、立ち位置が近いゲルニンバス26との比較を行います。
GlideRide Max | GlideRide 3 | GEL-Nimbus 26 | |
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定価(税込) | ¥17,600 | ¥17,600 | ¥19,800 |
重量(27.0cm) | 290g | 266g | 305g |
厚さ | 44mm | 40mm | 41.5mm |
ドロップ | 6mm | 6mm | 8mm |
ミッドソール | FF Blast Max + FF Blast Plus Eco + EVA Plate | FF Blast Plus + FF Propel + EVA Plate | FF Blast Plus Eco + PureGEL |
商品画像の引用元:asics.com
いずれも高いクッションが特徴で、用途はほとんど変わりません。
グライドライドマックスはグライドライド3を厚くしたことでクッション性は向上しつつも、それだけ重量は増しました。
また、フォーム材の使用量が増えたにも関わらず、グライドライド3から価格が変わらなかったのは予想外でした。
ゲルニンバス26との違いはロッカーの強弱で、ゲルニンバス26の方がカーブが緩いので、自身の力で進む感覚があります。
ロッカーの強弱は個人の好みに寄りますが、例えばゆっくり走る場面で転がる必要性を感じないなら、ペースをコントロールしやすいゲルニンバス26の方が合っていると思います。
ただしグライドライドマックスのロッカーは従来よりは弱いので、そこまで気にする必要はないとも思いました。
ロッカーの有無が決め手にならなければ、単純に定価が安いグライドライドマックスを選ぶのが良いと思います。
本サイトでは様々なシューズをレビューしていますが、厚くて軽くてプレートも内蔵されているグライドライドマックスの方が安くなる決定的な理由は思いつきません。
そもそも、厚さが40mmを超え、かつプレートを内蔵しているシューズとして、定価の17,600円はかなり安く感じます。
このようなシューズとして他社製品ではネオビスタ(Mizuno)がありますが、こちらは定価22,000円です。
ネオビスタの方が軽量でスピードは出ますが、それでもグライドライドマックスの17,600円は安いと感じました。
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どんなランナーにおすすめ?
グライドライドマックスは以下のようなランナーにおすすめできるシューズです。
- 楽に長い距離を走りたい
- 超厚底のクッションを感じたい
- 超厚底シューズを安く手に入れたい
- マラソン本番用としても使いたい
逆に、以下のようなランナーには合わない可能性があります。
- 速めのペースでも使いたい
- ふかふか感が苦手