【Adidas】アディゼロペーサー レビュー│EVO SLというよりデュラモスピード
アディダスのアディゼロペーサーは、普段履きとしても使いやすいように設計された新モデルです。
EVO SLの足型を元に設計されてつつも低価格で抑えられていることもあり、その性能が気になっている方は多いと思います。
本記事ではアディゼロペーサーの特徴・使用感について、EVO SLとの違いも踏まえつつレビューします。
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目次
アディゼロペーサー 基本情報
- 発売日:2025/6/25
- 定価(税込):¥11,000
- 重量:256g(27.0cm), 237g(25.5cm)
- 厚さ:38mm
- ドロップ:6mm
- ミッドソール:Lightstrike
- カテゴリー:ニュートラル
- 主な用途:ジョギング、部活、タウンユース、ウォーキング、ロードレース(~ハーフマラソン)
- 普段履きにも適した性能
- EVO SLのようなシルエット(安っぽくない)
- 安くてシンプルで扱いやすい
- 用途を考えれば軽量
- ミッドソールは硬め
- 反発力はあまり感じられない
アディゼロペーサーの特徴・スペック
ソール構成・クッション
アディゼロペーサーは、ランニング〜普段履き用に設計された新モデルです。
人気のスーパーシューズであるEVO SLの足型がベースとなっており、その他のスペックもEVO SLに寄せています。
EVO SLとの決定的な違いはミッドソールで、一般的なEVAベースのライトストライク(Lightstrike)がソール全域に使用されています。
ライトストライクの硬度(5回平均値)は39.4HAでした。
ライトストライクは硬度の違いで2種類ありますが、恐らく硬い方(いわゆるバージョン1.0)が使われていると思われます。
同価格帯のアディゼロデュラモスピード2・BKともほぼ同じ数値で、下位モデル用のライトストライクとしては標準的な硬さといえます。
それでも平均値は上回っているためふかふかではなく、押せば軽く圧縮する程度の質感です。
ソールの厚さは、公表値がEVO SL(38.5mm)とほぼ同じ38mmで、実測値は38.2mmでした。
私のサイズ(25.5cm)では実測値が公表値より低く出ることがほとんどなので、下回らないのは珍しく、しっかり厚みがあります。
ちなみにドロップは6mmで、こちらもEVO SL(6.5mm)とほぼ同じです。また、前足部の厚さは同じ32mmとなります。
数値以外にもソールやアッパーの外観、アウトソールの配置までEVO SLに寄せており、遠くから見れば区別が難しいかもしれません。
フォームの違いで反発力やクッションが大きく異なることは想像できますが、フォーム量の観点なら価格を考えれば十分多いと思います。
【参考値】反発力・曲げ剛性
反発力の簡易的な指標として鉄球を1mの高さから自由落下させ、反発時の高さを測定しました。
結果はインソールありで36cm、インソールなしで41.5cmと、ほぼ平均値でした。
ライトストライクはEVA系フォームなので予想通りの結果で、ソールに弾んでもらうというより、押した分だけ素直に返ってくるタイプです。
次に曲げ剛性の簡易的な試験として、前足部を固定した状態から15度曲げるために必要なモーメントを測定しました。
カーボンプレート搭載のディヴィエイトニトロエリート4(3.86Nm)に迫る値で、プレート非搭載のシューズとしては断トツの硬さです。
特別な剛性パーツはないはず(実はEVO SL同様にナイロンシャンクがある?)なので、切り欠きのないアウトソールに、硬めのフォームと38mmの厚さが組み合わさった結果だと思われます。
ペラペラの安いシューズよりは推進力を感じやすくなるメリットはありますが、足なりに曲がるタイプではないことは頭に入れておいた方が良いと思います。
重量
重量は代表サイズが256g(27.0cm)で、実測値(左右平均)は237g(25.5cm)でした。
アディゼロボストン13とほぼ同じ平均的な重量で、用途(普段履き〜ジョギング)を考えれば軽く感じられると思います。
この価格帯のシューズはフォームの密度やアッパーの厚さで300g近い重量になることが多いので、この軽さは大きな強みになると思います。
サイズ感(内寸・外寸)
25.5cmサイズにおける内寸(全長・前足部高さ・前足部幅・後足部幅)の測定結果は以下のようになりました。
結果は長さが258mmと計測平均あたりですが、前足部は幅・高さともに平均を少し下回りました。
実際に履いてもつま先まわりはそこまで広くなく、普段履きを推した設計に反してフィット感はランニングシューズそのものです。
走る分には普段のサイズで問題ありませんでしたが、普段履きメインでゆったり履きたいならハーフサイズ上でも良いと思います。
外寸(アウトソールの幅)の測定結果は以下のようになりました。
結果は前足部が109.2mm、後足部が81.5mmで、平均的〜若干狭いくらいの接地面です。
ただしソールが硬く変形しにくいため、厚底でも不安定さは感じられませんでした。
実走・性能レビュー
EVO SLというよりもデュラモスピード
普段履きも想定して設計されているためか過剰な機能はなく、ライド感はかなりシンプルでした。
シンプルながらも不思議と走りやすさがあり、最初はEVO SL譲りのフィット感のおかげだと思っていました。
しかし後から曲げ剛性(3.75Nm)を測定したことで納得でき、プレート級の硬さがソール全体を一枚の板のようにして転がるようなスムーズさを作っていました。
写真では結構力を入れているものの、ほとんど曲がっていません
数千円程度のシューズでは得られない感覚で、価格差として最も正当化できる部分に感じます。
重量は普段履き〜ジョギング用途なら軽く感じられ、厚さと価格帯を考えればかなり抑えられていると思います。
ただし、ソールの構成をみて購入前から想像できていましたが、EVO SLのバウンス感・軽快性からは程遠いです。
曲げ剛性の影響で推進力は程々にあるものの反発力はあまり感じられないので、そこそこ軽いとはいってもスピードはそこまで出せません。
快適なペースでいえばキロ4分半(4'30"/km)あたりまでで、部活やウォームアップ程度なら軽いスピードでも使っていいと思えるくらいです。
やはり同等スペック(厚さ40mm弱 + ライトストライク)のアディゼロデュラモスピード2に近く、デュラモスピード3として発売されていても違和感はありません。
それでも先程書いたようにフィット感はアディゼロペーサーの方が良く、デュラモスピード2で感じられたゴツさやアッパーの緩さはありません。
デュラモスピード2は発売から1年半以上経ち相当値下がりしていますが、価格差がそこまでないなら確実にアディゼロペーサーがおすすめできます。
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部活用シューズと考えるのが自然
EVO SLのワードだけ見ると性能を期待したくなりますが、安さ・シンプルさを考えれば部活用シューズと考えるのが自然です。
部活用といっているのは程良く軽量でシンプルなシューズを指していて、競合となり得るのもこのカテゴリーだと思います。
部活用と考えればアディゼロペーサーは厚くてクッションはありますが、デイリートレーナーとして走行距離を積むような目的とは少し外れる気がします。
差別化できるポイントは先ほども触れた曲げ剛性で、フィット感・外観も強みになると思います。
ソールの剛性が高いため、楽に淡々と走るのに向いた性格で、中長距離の選手のジョグ用ならシンプルながらも良い選択肢になります。
逆にソールが硬く曲がらないため、短距離や他の部活で使うならアディゼロBKなど薄く柔らかいシューズの方がおすすめです。
(手前)アディゼロペーサー (奥)ハイパースピード5
最も競合となるのはアシックスのハイパースピード6(¥12,100)で、軽さ・スピードの出しやすさでは劣るものの、フォーム量と普段履きも兼ねられる外観ではアディゼロペーサーが上回ります。
ハイパースピードもロッカーで進むことが特徴のシューズではありますが、前作(ハイパースピード5)の計測では曲げ剛性が2.05Nmと、アディゼロペーサーと比較すれば足なりに曲がる感覚が強いです。
このため、自然な感覚で軽快に走るならハイパースピード、転がして楽に淡々と走るならアディゼロペーサーという選び方で良いと思います。
どんなランナーにおすすめ?
アディゼロペーサーは以下のようなランナーにおすすめできるシューズです。
- 部活・通学・普段履きを1足で済ませたい
- 転がるようなスムーズさで楽にジョギングしたい
- EVO SLのようなデザインを低価格で楽しみたい
- シンプルで扱いやすいシューズを探している
逆に、以下のようなランナーには合わない可能性があります。
- EVO SLのバウンス感・軽快性を期待している
- スピード練習やレースでも使いたい
- 柔軟性が高いシューズが好み

