【NB】FuelCell SuperComp Pacer レビュー|新世代の薄底シューズ
★2022/12/31更新:トラックでの使用感を追記しました★
ニューバランスのスピードモデルであるFuelCell SuperComp Pacer(フューエルセルスーパーコンプペーサー)の特徴・使用感をレビューします。厚底モデルのFuelCell RC Elite v2との比較も行います。
商品概要
スペック
- 定価(税込): ¥19,800
- 重量: 189g(27.0cm), 166g(25.0cm), 155g(24.0cm)
- 厚さ: 25.5mm(実測)
- ドロップ: 8mm
- ミッドソール: FuelCell + Carbon Plate
- 主な用途: 3km~10km、駅伝、インターバル、テンポ走
3km〜10kmまでのロードレース・駅伝に特化したスピードモデルです。クイーンズ駅伝2022では田中希実選手が1区(7.6km)で使用していました。
次世代の薄底モデルともいわれるカテゴリーに属しており、同カテゴリーとしてはタクミセン8(Adidas)、ズームXストリークフライ(NIKE)が挙げられます。
トラックの公認レースでは使用不可ですが、非常に軽くて脚が回りやすいためスピード練習には適しています。
重量は25.0cmで実測166gでした。ヴェイパーフライNext%初代(NIKE)や、ターサーRP3(Asics)と同等の重さです。
アッパー
アッパーは1層のエンジニアードメッシュが採用されており、スパイクのアッパーのように非常に薄いです。
耐久性が気になるところですが、それよりも軽量化と通気性を優先し、スピードに特化している印象です。
サイズ感はぴったりなので、普段と同じサイズで問題ないと思います。私はヴェイパーフライNext%(NIKE)と同じサイズがフィットしました。
ミッドソール
ミッドソールには高反発材のFuelcellが使用され、中には弓形状(短手中央部が凸)のカーボンプレートが内蔵されています。
Fuelcellの硬度はRC ELITEやREBEL v3よりも硬めに調整されていますが、これは柔らかすぎると接地時間が長くなってしまう(ピッチが上げにくくなる)ためだと推測されます。
ミッドソールの下部には大きな空洞が空いており、カーボンプレートは空洞の上に配置されています(アウトソールの画像参照)。
この空洞によりミッドソールが大きく変形することができるため、それだけカーボンプレートのしなりも大きくなり高い反発力が得られます。
アウトソール
▲ミッドソールの空洞からカーボンプレートの一部が露出
アウトソールもアッパーと同様に軽量化が優先されているため、ゴムの配置は最小限に留められています。
ミッド〜フォアフット接地が前提の配置のため、グリップ性能を引き出すためにはある程度のスピードが必要になります。
実際の使用感
(左)1000×4 (右)400×8
トラックでのスピード練習で使用しました。普段はスパイクを履きますが、怪我明け・冬季(オフシーズン)のため代用しました。
接地感は厚底よりも薄底に近いです。反発力は厚底シューズよりも低いですが、従来の薄底シューズよりも段違いに高くてクッションも感じます。
適度な反発力に加えて脚が回りやすいため、3分ペース(3'00"/km)は余裕で対応できました。厚底シューズでも良いかもしれませんが、スパイクに近い感覚で走れることがメリットだと感じます。
400mのインターバルは63秒前後で走りました。1500mのレースペースよりも遅く、3000mのレースペースよりは速いスピードです。
このスピードにも対応できますが、スパイクよりも幅が広いためカーブは若干きついです。ただ、冬季練習用としては十分な性能だと感じます。
奥多摩渓谷駅伝2区(約8.3km)
次に、奥多摩渓谷駅伝2区(約8.3km)で使用しました。初め25m下り、その後75m上りのコースです。
初めは下りのため2分台でテンポ良く走れましたが、上りになってから3分20秒ペース(ハーフより遅いペース)となってしまいました。
元々長い距離が得意ではないこともありますが、ペースを再度上げるのは厳しく、厚底シューズの助力が欲しくなりました。
10000mのレースペースよりも遅くなることが想定されるなら厚底シューズを選択した方が良いと思います。
RC ELITE v2との違い
商品画像の引用元:shop.newbalance.jp
SuperComp Pacer(以下、SCペーサー)とRC ELITE v2のソールはどちらもFuelCell+カーボンプレートの構成です。
ただし、同じFuelCellでもSCペーサーの方が明らかに硬く、厚さも10mm以上の差があります。
RC ELITE v2の方が反発力・クッション性に優れていますが、ソールが柔らかすぎるためビッチが上げづらいデメリットがあります。
このため、比較的距離が短い場合やトラックでスピード練習をする場合はSCペーサーの方が適しています。
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Fuelcell 5280との違い
商品画像の引用元:shop.newbalance.jp
Fuelcell 5280はSCペーサーよりもさらに薄くて軽く、スパイクに匹敵するほどスピードに特化したモデルです。
厚さは25mm以下なので、トラックの公認レース(800m~)で使用したい場合は5280一択になります。
ただし、トレーニングで多用するならクッション性が高いSCペーサーの方がおすすめです。ロードレース・駅伝ならどちらでも良いと思います。
まとめ
Fuelcell SuperComp Pacerの特徴・使用感をまとめると以下のようになります。
- 3km~10kmに特化したスピードモデル
- 非常に軽くてスピードが出しやすい
- どちらかといえば薄底の感覚に近い
- トラックのスピード練習にもおすすめ