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【Asics】マジックスピード5 レビュー│もはや数年前のエリートシューズ

マジックスピード5 レビュー

 アシックスのマジックスピード5は前作から大幅にアップデートされ、スーパーシューズ・スーパートレーナーと呼べる性能となりました。

 今作は重量が200gを下回り、スーパーフォームのFF Leapも採用し、その性能が気になっている方も多いとも思います。

 とにかくコスパが高いので、その性能について歴代モデルと比較しながらレビューしていきます。

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マジックスピード5 基本情報

  • 発売日:2025/12/11 (12/5 公式先行)
  • 定価(税込):¥19,800
  • 重量:196g(27.0cm)
  • 厚さ:37.5mm
  • ドロップ:7mm
  • ミッドソール:FF Leap + FF Blast Plus + Carbon Plate
  • カテゴリー:レーシング
  • 主な用途:ロードレース(サブ2.5〜サブ4)、インターバル、LT走、ロング走、ジョギング(速め)
メリット
  • FF Leap搭載
  • 200gを下回る軽さ
  • 圧倒的なコスパ
  • 広いペース域で使える
デメリット
  • 圧倒的な推進力ではない
  • 前作のようなロッカーはない

マジックスピード5の特徴

 歴代モデルと比較しながら、マジックスピード5の進化した点を解説していきます。

重量(27.0cm) 厚さ ミッドソール
マジック
スピード1
230g 32mm FF Blast
マジック
スピード2
240g 36mm FF Blast Plus + FlyteFoam
マジック
スピード3
220g 36mm FF Blast Plus
マジック
スピード4
245g 43.5mm FF Blast Plus + FF Turbo
マジック
スピード5
196g 37.5mm FF Leap + FF Blast Plus

 初期のマジックスピードはFF Blastを使っていましたが、当時としては反発力が強く、サブ3向けとされていました。

 ただし今の基準では軽量フォームとはいえず、厚さは32mmしかないものの重量は230gありました。

 2代目では軽量なFF Blast Plusを採用しつつ厚底化され、ソール下層には安定感のためにFlyteFoamを配置していました。

 3代目では全域がFF Blast Plusとなり、大きく軽量化されてスピード寄りの性能となりました。

 ただしFF Blast Plusがそこまで柔らかくなく、プレートの影響もあって比較的硬めの接地感だったと思います。

 この時期にサブ4向けのS4が発売されていましたが、公式のチャートは前作までの一貫性がなく、S4より下の「スピードエントリー」という謎の位置付けになっていました。

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 4代目では大きく厚底化されて40mmを超え、今までの用途からは少しズレてマラソン寄りのシューズになりました。

 ミッドソールにはFF Turboが内蔵されましたが、少量だったためスーパーシューズとは呼べないスペックでした。

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マジックスピード5 ミッドソール

 そして今作(5代目)では、スーパーフォームであるFF Leapをミッドソール上側全域に配置し、スーパーシューズと呼べる構成に進化しました。

 FF Leapはメタスピード東京シリーズにも使われていて、FF Blast Plus・FF Turboと比べると弾力感が強いフォームです。また、メタスピードシリーズ以外に採用されるのは初めてです。

 厚さは2〜3代目と同等の37.5mmに戻りましたが、重量(27.0cm)は196gと前作から50g近く軽量化されています。

 最速モデルではない限り重量が200gを下回ることはほとんどなく、この軽量化が一番のアップデートともいえます。

     立ち位置的にはズームフライ6(Nike)・ボストン13(Adidas)・リベリオンフラッシュ3(Mizuno)と同じですが、これらは240g〜260gほどあり、200gを切ることの凄さが伝わると思います。

     同等の軽さのシューズを見ても、3万円近くする最速モデルや、ターサー・ライトレーサーといった薄底シューズばかりです。

     FF Blastのみを使っていた初代モデルがサブ3向けとされていたなら今作はサブ2.5向けとされていても矛盾がないレベルで、比較してみると大きく性能が進化していることが分かります。

    実走・性能レビュー

    サイズ感・履き心地

    マジックスピード5 サイズ感
    マジックスピード5 アッパー

    左右にスライド可能です。

     サイズ感は普通でした。アシックスのシューズは大きく外れることはないので、今回も普段のサイズで大丈夫でした。

     小さめというレビューを数件見かけましたが、全くそんな印象はなく、ぴったりフィットしているように感じました。

     サイズ感で懸念点を挙げるならアッパーで、メタスピードシリーズと同じモーションラップアッパーに見えますが、公式サイトにはエンジニアードメッシュと記載されています。

     モーションラップアッパーは硬い素材と柔らかいを組み合わせることで伸縮性・復元性を持たせていますが、マジックスピード5の糸は1種類に見えます。

     モーションラップアッパーは拡大すると半透明の糸を見ることができます!

     このためメタスピードシリーズがギリギリで履けていた場合、マジックスピード5は大きくは伸縮しないため小さく感じる可能性があります

    マジックスピード5 シューレース

     また、シューレースはメタスピードシリーズと同様で、凹凸があり解けづらい仕様のものを使っていました。

    もはやサブ2.5レベルの性能

    マジックスピード5 正面図

     厚さが37.5mmまで戻ったため、履いた感触はマジックスピード3に近いと思いました。

     下層のFF Blast Plusの存在感は結構あり、他のモデルではS4+ YOGIRIの安定感のような感覚もあります。

     スピードを上げるとFF Leapが存在感を出し始め、前に押される感は控えめですがしっかり反発力が返ってきます

     マジックスピード4のようなロッカーはなくなったため扱いやすく、とにかく軽量なので3分ペースでも全然走れます

     公式サイト(ランステ)では今作も「〜サブ4(カーボンエントリー)」という扱いですが、サブ2.5〜サブ4まで対応できると考えて良いと思います。

    マジックスピード5 背面図

     FF Leapの割合は前足部の方が大きいため、レース後半でヒールストライク気味になったとしても、反発力は落ちるものの安定はします。

     クッションはメタスピード初代・プラスシリーズをそのまま2.5mm薄くしたくらいのイメージで、フルマラソンまでしっかり使えると感じます。

     フォームの構成的にはメタスピードエッジ東京に似ていますが、マジックスピード5の方がフラットで、ライド感は結構異なります。

     メタスピードエッジ東京の反発力に耐えられるか不安だけどエリートモデルが履きたい(がっつりサブ4向けは嫌だ)、みたいに思っているなら、性能アップしたマジックスピード5がぴったりだと思います。

    値上げを完全無効にするコスパ

     マジックスピード4から1,100円値上げされてはいますが、値上げよりも性能向上が大きく上回るように感じます。

     性能的には数年前のエリートモデルと変わらないと書きましたが、その観点からも19,800円は安すぎます。

       コスパは10点中8点としました。6点を基準として、1割安く感じるごとに1点上げています。

       9点をつけるか迷いましたが、マジックスピード5は2割高くても正当化できる性能で、他社製品なら24,200円とかで売られていても不思議ではありません。

       2万円を超えるシューズにはペガサスプラス(Nike)、SC Pacer v2(New Balance)、クラウドモンスターハイパー(On)、ハイペリオンマックス3(Brooks)、マッハX3(HOKA)などがありますが、同等(orそれ以上)の価値はあると感じます。

       2万円以下のシューズではアディゼロEVO SL(Adidas)が唯一張り合えると思いますが、重量・扱いやすさを考えるとマジックスピード5の方が好みです。

       個人的にはダイナブラスト5(ほぼノヴァブラスト3)が13,200円で発売されたときくらいの衝撃で、それだけぶっ飛んだ性能アップだと感じます。

      S4+、ソニックブラストとの違い

       アシックスのラインナップが多いので、プレート内蔵モデルであるS4+ YOGIRI、ソニックブラストとの違いを整理します。

      マジックスピード5 S4+ YOGIRI ソニックブラスト
      Magic Speed 5 S4+ Sonicblast
      定価
      (税込)
      ¥19,800 ¥22,000 ¥22,000
      重量
      (27.0cm)
      196g 240g 256g
      厚さ 37.5mm 39.5mm 46mm
      ドロップ 7mm 8mm 6mm
      ミッド
      ソール
      FF Leap + FF Blast Plus + Carbon Plate FF Turbo Plus + FlyteFoam + Carbon Plate FF Turbo Square + FF Blast Max + Pebax Plate

      商品画像の引用元:asics.com

       どれもアシックスのプレート内蔵型のレース/トレーニングモデルで、対象レベルも被っています。

       S4シリーズとの上下関係は不安定でしたが、今作ではマジックスピード5の方が明らかに上です。

       S4+の方が安定感に寄っているため、より安全にサブ4を達成したい方に合っていると思います。

       ソニックブラストは極厚ソールが特徴で、緩めのペースならマジックスピード5よりも楽に走れると思います。

       ただし、主に重量の観点からスピードを上げるほどマジックスピード5の方が走りやすいと感じます。

       なかなか理解できないのが価格差で、総合的にはFF Leapを搭載したマジックスピード5が最も高性能だと思いますが、唯一20,000円以内に収まっています。

       S4+やソニックブラストを買う人が減ってしまわないか心配になるレベルで、実際に実売価格ではマジックスピード5を下回っている印象です。

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      どんなランナーにおすすめ?

       マジックスピード5は以下のようなランナーにおすすめできるシューズです。

      こんなランナーにおすすめ
      • エリートモデルに近い性能のシューズを2万円以下で買いたい
      • 3分ペースまで余裕で使えるトレーニングシューズが欲しい
      • 過度にシューズに走らされず、自分でペースをコントロールしたい
      • マジックスピード3が好きだったが、少しクッションが足りなかった

       逆に、以下のようなランナーには合わない可能性があります。

      こんなランナーには不向き
      • マジックスピード4のようなロッカーで楽に進みたい
      • ふかっと沈むようなクッションに慣れている