【HOKA】リンコン5 レビュー│クリフトンの廉価版みたいになった
リンコン5はHOKAのランニングシューズで最も安く、シンプルでスタンダードなデイリートレーナーです。
前作までは軽さが大きな特徴だったものの、今作は厚底化されたことで重量増加し、完全に別のシューズのようになりました。
本記事ではリンコン5の特徴・使用感について、前作のリンコン4やクリフトン11と比較しながらレビューしていきます。
このシューズが載っているまとめ
目次
リンコン5 基本情報
基本情報・実測値
- 発売日
- 2026/7/1
- 定価
- ¥16,500 税込
- 重量
- 265g 27.0cm代表値 / 232g 25.5cm実測値
- 厚さ
- 39.0mm 代表値 / 34.7mm 実測値
- ドロップ
- 8mm
- ミッドソール
- CMEVA
- カテゴリー
- ニュートラル
- 主な用途
- 厚底化でロング走にも対応
- シンプルで人を選ばない
- 耐久性が大幅に向上
- HOKAで最も安い
- リンコンらしい軽さは失われた
- 推進力はほとんど感じられない
リンコン5の特徴・スペック
ソール構成・クッション
リンコンはHOKAのランニングシューズ中で最も安く、シンプルな構成で扱いやすいシューズです。
ミッドソールには前作と同じCMEVA(圧縮成形EVA)が使われており、これは反発よりもクッションに特徴があるフォームです。
CMEVAの硬度(5回平均値)は38.4HAで、前作(39.4HA)よりも柔らかくなっていました。
数値だけ見れば平均値を上回っていますが、実際の質感ではかなり柔らかくなっている印象です。
クリフトン11(31.5HA)やボンダイ9(33.0HA)ほどの柔らかさではないですが、従来よりも明らかにクッション寄りの路線にシフトしています。
ソールの厚さは前作(公表値36mm)から増加したとの記載がありますが、実測値では34.7mmでした。
前作はレディース24.5cmでの実測値ではあるものの31.6mmだったため、サイズ差を考慮しても2mmくらいは厚くなったと思われます。
ただし実測40mm前後のクリフトン11やボンダイ9よりは明らかに薄く、このフォーム量の少なさが安さにつながっています。
【参考値】反発力・曲げ剛性
反発力の簡易的な指標として鉄球を1mの高さから自由落下させ、反発時の高さを測定しました。
※落下地点の表面性に大きく左右されるため、実際に感じられる反発力とは必ずしも一致しません。
結果はインソールありで35cm、インソールなしで39cmでした。平均値を大きく下回っており、リンコン4(40cm)からもほとんど変わっていませんでした。
厚みが増したことで反発が上がることを期待していましたが、CMEVAである以上は素材の限界があると考えたほうが良さそうです。
次に曲げ剛性の簡易的な試験として、前足部を固定した状態から15度曲げるために必要なモーメントを測定しました。
結果は2.50Nmと平均値付近で、デイリートレーナーとしては丁度良いくらいです。
前作(2.41Nm)からほとんど変わっていませんが、これは厚くなった一方でフォーム自体は柔らかくなったためだと思われます。
重量
重量は代表サイズが265g(27.0cm)で、実測値(左右平均)は232g(25.5cm)でした。
カテゴリー内は平均を少し下回るくらいではありますが、前作から30gほど重量増加しています。
リンコンの代名詞だった軽さは完全に手放しており、テンポアップ系シューズのマッハと大きく差別化されました。
サイズ感(内寸・外寸)
25.5cmサイズにおける内寸(全長・前足部高さ・前足部幅・後足部幅)の測定結果は以下のようになりました。
全長262mm・前足部高さ26mm・幅93.5mmはいずれも平均値を明確に上回り、数値通りでサイズ感は大きいです。
一方で後足部幅は平均どおりなので、かかとは保持したまま前足部にゆとりを持たせています。
ただし今作はスピードモデルではなくなったため、履きやすさや快適性を優先するなら普段のサイズで良いと思います。
外寸(アウトソールの幅)の測定結果は以下のようになりました。
結果は前足部が107.2mm、後足部が87.2mmでした。
前足部はほぼ平均値どおりで、後足部は平均を上回る広さです。
厚底化した割に接地面そのものを広げたわけではありませんが、後足部が広めなことは安定感につながっています。
実走・性能レビュー
クリフトンの廉価版みたいになった
スペックの変化から予想はつきますが、軽さは特徴ではなくなり、その代わりクッションはかなり向上しています。
硬度の測定結果では平均値を超えていたものの、その数値以上の変化でクリフトン11に近い質感でそこそこ柔らかく感じられます。
ざっくり言うならクリフトン11、またはボンダイ9の廉価版で、リンコン5の方がクッションを削って軽くなったイメージです。
スタビリティモデルのアラヒ9からサポート機能(Hフレーム)を取り除いた感覚にも近いです。
反発力はほとんど感じられず、クリフトンと同様にフォームが柔らかいものの復元が遅く、安定感はあるもののへたへたな接地感でほとんど弾みません。
また、ドロップは5mmから8mmになったものの、ロッカーが弱くフォームがそこそこ圧縮するため、フラットな感覚で推進力もほとんど得られませんでした。
反発が抑えられたデイリートレーナーという観点では、ネオコスモ2(Mizuno)、スーパーノヴァライズ3(Adidas)・880v15(New Balance)あたりが近いです。
ペースを上げるシューズではなくなりましたが、クッション・耐久性は向上しているため、普段履きを見据えた場合に購入しやすくなりました。
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もう少し反発力が欲しかった
左からリンコン5、アラヒ9、クリフトン11
HOKAのデイリートレーナーとしてはクリフトン(クッション)・アラヒ(スタビリティ)があり、今回のアップデートでリンコン5がニュートラルモデルとして埋まりました。
カテゴリーが埋まって整理されたのは良かったものの、これら2足から特徴的な機能を削ってシンプルにした下位互換のような印象です。
ニュートラルカテゴリーはバランスが良くそこそこ万能なイメージがあるので、もう少し軽くて反発力があった方が嬉しかったです。
元々の軽快さ・テンポアップ要素を捨てたのは相当もったいないので、例えばノヴァブラスト6(Asics)・ネオゼン2(Mizuno)のようなバウンス系路線にして欲しかったです。
スタンダードなシューズからは少し外れてしまうものの、これならマッハ7など他のラインナップとも被らないと思います。
メリットはシンプルだからこそ値上げされず、セール価格にもなりやすい点で、HOKAのランニングシューズを少しでも安く手に入れたいなら一番の選択肢になります。
リンコン4との違い
前作のリンコン4との違いを解説します。
| Rincon 5 | Rincon 4 | |
|---|---|---|
| ¥16,500 | 定価 (税込) |
¥16,500 |
| 265g | 重量 (27.0cm) |
228g |
| 34.7mm(M25.5) | 実測厚さ | 31.6mm(W24.5) |
| 8mm | ドロップ | 5mm |
| CMEVA | ミッド ソール |
CMEVA + Rubberized EVA |
もはや別のシューズになってしまいましたが、CMEVAを使ったシンプルで反発力が抑えられたライド感は共通です。
ただしリンコン4は軽さとレスポンス(程良い硬さ)でペースが上がるので、キロ4(4'00"/km)を切るくらいまでなら全然使えるシューズでした。
今作は厚底化とフォームの改良で柔らかくなったものの、大幅な重量増加とレスポンスの低下により、もはやペースを気にするシューズではなくなりました。
クッションの向上に加えてサイズ感は広めになったため、快適なデイリートレーナー・普段履きにシフトしたといえます。
また、リンコン4はアウトソール兼用でラバライズドEVAが使われていましたが、今作は一般的なラバーとなったため耐久性は大幅に向上しています。
軽さで選んでいたのであれば目的とは合わないので、その場合は在庫があるうちに前作を買うか、マッハ7(220g/27.0cm)に移ることをおすすめします。
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どんなランナーにおすすめ?
リンコン5は以下のようなランナーにおすすめできるシューズです。
- クリフトンみたいな優しいクッションが好み
- HOKAのシューズを少しでも安く手に入れたい
- 反発力は不要で自分のペースで走りたい
- 普段履き・ウォーキング用としても使いたい
逆に、以下のようなランナーには合わない可能性があります。
- 今までの軽さを求めている(マッハ7がおすすめ)
- 軽快にテンポ良く走りたい
