【NIKE】ズームフライ5 レビュー|プレート入りのズームボメロ
2022/08/17
★2022/11/9更新:一部内容を修正しました★
ナイキのズームフライ5の特徴・用途を解説します。前作のズームフライ4との違いについても解説します。
目次
商品概要
スペック

商品画像の引用元:nike.com
- 定価(税込): ¥18,700
- 重量: 272g(27.0cm), 212g(23.5cm)
- 厚さ: 41mm
- ドロップ: 8mm
- ミッドソール: ZoomX + EVA(ファイロン)
- 主な用途: 10km~フルマラソン(サブ3.5~サブ5)、ロングインターバル、テンポ走、ロング走、ジョギング
ズームフライ5は前作から大幅にアップデートされ、より多くのランナーに扱いやすいシューズとなりました。
重量(27.0cm)は272gとやや重いものの、クッション性・反発力・安定性が高く、様々な場面で活躍します。
WAのシューズリストには掲載されておらず、厚さはサイズにもよりますが40mmを超える可能性があります。
公認のロードレースで厚さの測定が考えられる場合(上位入賞するなど)は、使用を避けたほうが良いかもしれません。
ミッドソールの構成はボメロと同じ

商品画像の引用元:nike.com
ズームフライのミッドソールには2~4代目まではリアクトという材質でしたが、今作(5代目)でズームXとEVAの組み合わせに変更されました。
この組み合わせはジョギング用シューズであるズームボメロ16と同じで、ズームフライ5はボメロに近くなったといえます。
ズームXはナイキ最速シューズであるヴェイパーフライにも採用されている材質で、リアクトよりも弾力性があり高いエネルギーリターンが特徴です。
EVA(ファイロン、SR02と記載されることもあります)はズームXよりも硬度が高く、安定性と耐久性を高める役割があります。
これに加えズームフライ5にはプレートが内蔵されているため、ボメロよりも推進力が得られ速いペースにも対応します。
ズームフライ4との比較

商品画像の引用元:nike.com
ズームフライ5は大幅にアップデートされたため、ズームフライ4と共通点がほとんどありません。
ズームXに変更されたことで多くの方がレーシング寄りになると期待していましたが、実際は逆でジョギング寄りになりました。
ズームフライ5に使用されているズームXは、リサイクル材の影響か成形条件の違いか分かりませんが、ヴェイパーフライのズームXよりも硬く感じられます。
周りがEVAフォームに囲まれているためヴェイパーフライのような高い反発力は得られませんが、幅広になり安定性が高く、ジョギングペースにも対応できます。
またプレートに関して、前作は明確にカーボンファイバープレートと記載されていましたが、今作では立体的なプレート(海外サイト:articulated plate)と記載されています。
材質には触れておらず、カーボン製ではない可能性があります。ちなみに、初代ズームフライではナイロン製のプレートでした。
アッパーも異なり、ズームフライ4では内側のパッドでかかとを固定する構成(ヴェイパーフライと同じ)でしたが、今作では全体的に厚いパッドで包み込む構成になりました。
重量はズームフライ4とほぼ同じです。ズームXの方が軽いですが、アッパーが重くなったことと、ミッドソールが厚くなった影響があると思われます。
以上より、ズームフライ4よりも遅めのペース域のシューズとなり、初心者でも扱いやすくなったといえます。
用途は広がったものの、速いペース(フルマラソンのレースペース以上)で使用することが多い場合は、ズームフライ4(または3)でも良いと思います。
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ズームフライ5と似たシューズ
アディゼロボストン11 (Adidas)

商品画像の引用元:(左)nike.com (右)shop.adidas.jp
アディゼロボストン11は硬度が異なる2つのフォーム材が使用されており、ズームフライ5の構造と似ています。
中にはプレートではなく、骨格に沿った棒状のエナジーロッドが内蔵されています。
エナジーロッドはカーボンではなくグラスファイバー製で、多くのランナーに対応するため硬度が調整されています。
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グライドライド3 (Asics)

商品画像の引用元:(左)nike.com (右)asics.com
グライドライド3も2層のフォーム材を組み合わせた構造で、間にプレートが内蔵されています。
プレートは推進力を生み出すというよりは、ソールが反り上がった形状(ガイドソール)を保つ役割が大きいです。
ズームフライ5の方が反発力は高いですが、グライドライド3は転がるように楽に走ることができます。
対象レベルはグライドライド3の方が初心者寄りで、4時間切り〜完走を目指すランナーにおすすめです。
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まとめ
ズームフライ5の特徴・用途をまとめると以下のようになります。
- ジョギング〜レース(サブ3.5~サブ5)まで使用可能
- ズームXに変更も重量の変化はなし
- 初心者にも扱いやすくなった
- 前作よりもジョギング(遅いペース)寄り