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【Asics】S4+ YOGIRI レビュー│サブ3も可能?エッジパリとの比較も

S4+ YOGIRI レビュー

 アシックスのサブ4向けシューズの新作である、S4+ YOGIRI(エスフォープラス ヨギリ)が発売されました。

 商品コンセプトよりも速いサブ3ペースで走ってみたので、その性能・使用感をレビューしていきたいと思います。

 最速モデルのメタスピードパリシリーズと迷っている方も多いと思うので、エッジパリと同時に履いてみた比較もお伝えします。

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S4+ YOGIRI 基本情報

 まずはS4+ YOGIRIのスペック、メリット・デメリットを紹介します。

  • 発売日:2024/10/17 (2024/10/10 公式ストア先行販売)
  • 定価(税込):¥22,000
  • 重量:240g(27.0cm)
  • 厚さ:39mm
  • ドロップ:6mm
  • ミッドソール:FF Turbo Plus + FlyteFoam + Carbon Plate
  • カテゴリー:レーシング
  • 主な用途:ロードレース・マラソン(サブ3.5〜サブ4.5)、インターバル、LT走、ロング走
メリット
  • FF Turbo Plusに移行
  • 安定性が向上
  • アッパーの快適性が向上
デメリット
  • 前作の方が弾む
  • 人によっては硬く感じる

S4+ YOGIRI 特徴

サブ3向けモデルのようなソール構成

S4+ YOGIRI ミッドソール

 S4+ YOGIRI(以下、S4+)の一番のアップデートはミッドソール上層にFF Turbo Plusが採用されたことだといえます。

 メタスピードパリシリーズと同じフォーム材で、前作(S4初代)で使用されていたFF Turboよりも軽量で高反発です。

 また、FF Turbo Plusの下側にはカーボンプレートが内蔵されており、サブ3向けモデルとされていても不思議ではないソール構成です。

 実際、2層ソールにプレートを内蔵したシューズとしてウエーブリベリオンフラッシュ2(Mizuno)がありますが、こちらはサブ3向けモデルとして販売されています。

 また、マラソン本番用にマジックスピード4と迷っている方もいると思いますが、こちらはFF Blast Plusがメインで使用されています。

 FF Turbo Plusが最も反発力が強いフォーム材なので、スペックの観点からS4+が上位モデルと考えて問題ありません。

 反発で脚が残るか不安な方は、マジックスピード4の方が合っているかもしれません!

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安定性も考慮した設計

S4+ YOGIRI 接地面積

 ミッドソール下層には、安定感を高めるために前作同様FlyteFoamが配置されています。

 FlyteFoamはスピードモデルのハイパースピード4と同じフォーム材で、やや硬いものの軽量で耐久性に優れています。

 接地面積の広さも特徴で、メタスピードエッジパリと並べてみると明らかにが広くなっていることが分かりました。

S4+ YOGIRI 後足部の安定性が向上

 さらに後足部を見てみると、ミッドソール上層(FF Turbo Plus)が外側に張り出していることが分かります。

 これはS4(初代モデル)では見られなかった形状で、より安定感が得られるようになりました。

実走・性能レビュー

サイズ感・履き心地

S4+ YOGIRI サイズ感

 レーシングモデルではありますが、サイズ感は通常で窮屈さは感じませんでした。

 アッパーにゆとりがあるため走っていて当たったり気になる部分はなく、長時間走っていても快適です。

 素材はモーションラップアッパーではなくなりましたが、厚すぎず重量に大きな影響はありません。

 (アッパーの)厚さはノヴァブラスト4、エボライドスピード2と同じくらいだと思います。

予想に反して安定性が向上

 FF Turbo Plusになったため弾む感覚が強くなることを予想していましたが、その逆で硬くなり安定感が増したように感じました

 商品画像を重ねてみる限り下側の硬い層(FlyteFoam)は変わってなさそうなので、安定感が増す側に変化したのは予想外でした。

 上層(FF Turbo Plus)の形状は変わったものの、形状だけでここまでライド感が変わるのも疑問なので、実は前作のFF Turboよりも硬い(または下層 or プレートが硬くなった?)可能性も否定できません。

 結果として安定感は大きく向上し、クッション・反発は抑えられたように思いました。

 私が勝手にバウンス感を期待していただけではありますが、初めてマジックスピード3を履いたときの感覚に近いです。

 硬くなったことでロッカーを感じやすくなり、マジックスピードのライド感に近くなったともいえます。

 前作はサブ3寄りの性能だと感じていましたが、今作はしっかりサブ4をターゲットとした性能になったと思います。

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サブ3ペースで使用(エッジパリとの差)

S4+ YOGIRI サブ3ペースで使用

 サブ3ペースで15km走りました。心拍数は落ち着いており、感覚としても楽に走ることができました。思っていたよりスピードは出ていました。

 ただし、サブ3ペースまで上げても大きく圧縮する感覚はなく、下層のFlyteFoamの方が強く感じます。

 圧倒的な反発力で進むというよりは、そこそこの反発とロッカーのサポートで進んでいるイメージでした。

S4+ YOGIRIとエッジパリを同時に履いて比較

 エッジパリと同時に履いてみると、クッション・反発力の差が際立ちます。

 硬く感じたのは弾力感のあるシューズに慣れすぎているためとも思いましたが、やはり比較すると全然違います。

 逆に、マジックスピードに履き慣れている方であれば、FF Turbo Plusの反発力が強く感じられるかもしれません。

 今作もサブ3・サブ3.5は無理なく達成可能だと感じますが、このタイムを狙うならS4+を選択しなくても良いかなと思いました(今作は、コンセプト通りサブ4に適しています)。

S4(初代)・メタスピードエッジパリとの比較

S4+ YOGIRI S4 メタスピードエッジパリ
S4+ S4 MetaSpeed Edge Paris
定価(税込) ¥22,000 ¥22,000 ¥27,500
重量(27.0cm) 240g 240g 185g
厚さ 39.5mm 39mm 39.5mm
ドロップ 6mm 6mm 5mm
ミッドソール FF Turbo Plus + FlyteFoam + Carbon Plate FF Turbo + FlyteFoam + Carbon Plate FF Turbo Plus + Carbon Plate

商品画像の引用元:asics.com

S4(初代モデル)との違い

 ここまで見てきた通り、S4+はFF Turbo Plusの採用が大きなアップデートですが、バウンス感ではなく安定感が増す側に変化しました

 S4でも安定性が足りていなかったランナーにとっては、さらに安定することで走行効率が高まり、タイムの短縮につながる可能性があります。

 もう1点、薄いモーションラップアッパーから足当たりの良いメッシュアッパーになったこともそこそこ大きな変更点です。

 私は変えなくても良かったとは思いましたが、快適性を求める声が多かったのかもしれません。

 アッパーはやや重くなったもののソールは軽くなったので、結果としてシューズ全体の重量は変わっていません。

メタスピードエッジパリとの違い

 S4+はカーボンプレートに大きな傾斜がついているので、メタスピードスカイパリよりもエッジパリに近いといえます。

 エッジパリとの違いはミッドソール下層にFlyteFoamを配置し、さらに接地面積を広げることで安定性を高めている点です。

 エッジパリは細身でかかと接地ではブレやすく、走行効率の低下や、怪我のリスクが高まる可能性があります。

 またエッジパリはモーションラップアッパー2.0を使用しており、より軽量で高速レースに適した構造をしています。

 重量はエッジパリの方が50g以上軽く、割合に直すとS4+より23%も軽い計算になります。

S4+ YOGIRI アウトソール

 また、S4+はアウトソールがかかとの下まで伸びているので、ヒールストライクの方にも耐久面で安心感があります。

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どんなランナーにおすすめ?

 S4+ YOGIRIは以下のようなランナーにおすすめできるシューズです。

こんなランナーにおすすめ
  • ブレにくく、そこそこ反発があれば良い
  • マジックスピードよりも反発が欲しい
  • エリートモデルでは足が残らない
  • アウトソールの耐久性も気にしている

 逆に、以下のようなランナーには合わない可能性があります。

こんなランナーには不向き
  • S4(初代モデル)よりも反発力を期待している
  • 弾むようなライド感が好み
  • ふかふかなシューズに慣れている