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【4分30秒〜5分30秒】中高生の1500mの練習メニューを紹介!5分切りの難易度・割合は?

★2021年公開の記事をリライトしました★

1500m 4分30秒~5分30秒 練習メニュー

 陸上部に入りたての中学生・高校生は、まずは1500mに出場することが多いと思います。

 私もはじめは1500mに出場しましたが、入学時の5分台から現在では3分44秒まで伸ばすことができました。

 本記事では1500mの練習法について、特に目標となりやすい4分30秒、5分、5分30秒切りに焦点を当てて解説します。

 また、4分31秒の自己ベストを出した選手の1ヶ月分の練習メニューをタイム付きで紹介します。

トレーニング・シューズ記事のリンク

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フルマラソン

中学生・高校生1500mの平均タイム

 中学生・高校生陸上部の学年別の1500mの平均タイムは以下の通りです。表は「東京都中学校地域別区部/多摩陸上競技大会」2年分(2171人)と、「東京都高体連第1~6支部春季競技会」2~3年分(2052人)の記録を基に作成しました。

平均 ~4分30秒 ~5分00秒 ~5分30秒
高校男子 4'41"24 31.7% 84.0% 97.8%
中学男子 5'10"85 6.0% 38.1% 75.0%
高校女子 5'35"92 0.0% 10.4% 45.2%
中学女子 5'35"60 0.0% 6.2% 41.6%

高校生男子

 高校生男子の1500mの平均タイムは4分41秒で、4分30秒切りを達成している選手は32%程度です。

 5分切り(4分台)を達成している選手は84%と多いので、高校生男子にとって5分切りは比較的簡単だといえます。

 このため、4分半切りを目指して練習している選手の方がが多いといえます。

中学生男子

 中学生男子の1500mの平均タイムは5分10秒で、5分切りを達成している選手は38%でした。

 5分切りは平均タイムから10秒のところなので、目標にしやすいタイムだといえます。また、4分30秒切りの選手は6%しかいないため難易度は高いと言えます。

高校生・中学生女子

 中学生女子・高校生女子の1500mの平均タイムはどちらも5分35秒で同じでした。

 5分30秒を切れる選手は高校生が45%、中学生が42%で、最初の目標はこちらになりそうです。

 5分切りの女子選手は10%前後なので、中学生男子の4分30秒切りとほぼ同等の難易度といえそうです。

 平均タイムタイム分布についてさらに詳しく知りたい場合は、以下の記事を参照してください。

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練習内容

1500m 5分切り トレーニング

 各トレーニングについて解説し、代表的な練習メニューを紹介します。

 目安の距離やペースを記載していますが、個人の競技特性によって異なるため、参考にしつつも自身に合った設定を探していくことをおすすめします

ジョギング

 私は高校で陸上部に入部し、最初の練習が12kmのジョギングでしたが、結構きつかったことを今でも覚えています。

 しかし2回目以降からは(楽ではないものの)余裕度が一気に増し、明らかに走力が向上していることを実感しました。

 練習メニューの大半は低強度のトレーニングだったものの1500mのタイムも伸び、3ヶ月後(7月)の記録会では5分台から一気に4分29秒まで更新できました

 これに限らず1500mのトップレベルの選手もジョギングが基礎となり、その上で高強度のトレーニングを行うことで、さらに記録を伸ばしています。

 1500mのタイムが伸び悩む原因が、ジョギング不足であることはよくある話です。

 記録が伸びてもジョギングは必須ですが、特にトレーニングしたての頃は重要度がより高いので、まずは基礎作りとして走行距離を徐々に伸ばしていくことが重要です。

 距離は初めは3km程度、慣れてきたら中学生は6〜8km、高校生は8〜12km程度まで、余裕を持って走れることを目標にすると良いと思います。

 ペースは走行距離よりも重要度は低いですが、おおよそキロ5〜キロ5分半(5'00"/km〜5'30"/km)前後が目安となります。

 定期テストなどで部活がない場合もゆっくりでいいので走っておくと良いでしょう。

 慣れてきたら、ジョギングの後に疲労が残っていなければ、100m〜150mの流し(ウインドスプリント)や坂ダッシュを数本入れておくとさらに効果的です。

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ペース走

 ペース走にも様々な定義がありますが、ここではざっくりと、ジョギングよりも速いペースでスタミナ向上を目的とするトレーニングとします。

 別の表現をすると、自身の最大速度に近いペースを、より長い時間維持できるようになることが目的です。

 ペース走の距離は4000m〜6000m前後で、ペースは以下の表が目安になります。

目標タイム 4分30秒 5分00秒 5分30秒
ペース(400m) 88秒~92秒 96秒~100秒 104秒~108秒
ペース(1000m) 3分40秒~3分50秒 4分00秒~4分10秒 4分20秒~4分30秒

 はじめは全く走れないかもしれませんが、ペースを上げることよりも完遂することが重要です。

 負荷が高い場合は無理せずペースを落とすか、インターバルのように分割することもよくあります。

 頻度は週1回を目安に行います。また、終了後に余力があれば、200m〜400mのショートインターバルを数本入れると脚に良い刺激が入ります。

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インターバル

 最大酸素摂取量(VO2max)の向上が目的です。走力の最大値を高めるようなイメージです。

 高強度のトレーニングなので、ジョギングで土台ができていないうちは完遂できないか、ペース走のスピードまで落ちてしまうかもしれません。

 私も最初は一番下のグループの設定でもこなせませんでしたが、速いペース域に慣れ、徐々に走力が向上していくのを楽しみながら気楽に走っていました。

 4分30秒を切った頃には、1000mのインターバルは3分20秒前後、ラスト1本は3分1桁で走れるくらいまで成長していました。

 インターバルの距離は200m~1000mが目安です。いつも同じ距離ばかりではなく、バランスよく行うと効果的です。

1000m×3~5 (rest:200~400jog)

目標タイム 4分30秒 5分00秒 5分30秒
ペース(400m) 80秒~82秒 88秒~90秒 96秒~98秒
ペース(1000m) 3分20秒~3分25秒 3分40秒~3分45秒 4分00秒~4分05秒

400m×8~12 (rest:200jog)

目標タイム 4分30秒 5分00秒 5分30秒
ペース(400m) 76秒~78秒 80秒~82秒 84秒~86秒

200m×10~15 (rest:200jog)

目標タイム 4分30秒 5分00秒 5分30秒
ペース(200m) 34秒~35秒 36秒~37秒 38秒~39秒

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レペティション

 800m〜1500mのレースペースのトレーニングです。スピード向上が目的ですが、繰り返すうちに身体がレースペースに適応していき、効率的に走れるようにもなります。

 非常に強度が高いため、ペース走やインターバルを安定して完遂できるようになってからでも遅くはないと思います。

 4分30秒くらいまでであれ他のトレーニングの重要性が高いので、レペティションの頻度は月1〜2回程度で十分です。

 はじめはレペティション単体ではなく、ペース走の後などに、200mのレペティションを3本程度入れるところから始めるのが良いと思います。

 強度の観点から、距離は基本的には200m〜600m、長くても1000mまでとすることをおすすめします。

1000m×3 (Rest:10~15分)

目標タイム 4分30秒 5分00秒 5分30秒
ペース(400m) 74秒~76秒 82秒~84秒 90秒~92秒
ペース(1000m) 3分05秒~3分10秒 3分25秒~3分30秒 3分45秒~3分50秒

400m×4~6 (Rest:3~5分)

目標タイム 4分30秒 5分00秒 5分30秒
ペース(400m) 69秒~72秒 77秒~80秒 85秒~88秒

1週間の練習メニュー例

1500m5分切り レースの風景

 1500mに限らず、導入期・鍛錬期、トレーニング期(専門期)、調整期間のように、いくつかのフェーズに期分けして考えることが一般的です。

 導入期・鍛錬期では冬季練習・怪我明けなどレースがない時期に、低強度のトレーニングを中心に走行距離を伸ばしていきます。

 その後レースに向けて強度を上げていき、1週間ほど前から調整期間としてトレーニング量を落としていきます。

 ただし、中高生は成長速度が著しいので、期分けに大きくこだわらずにトレーニング期を継続していく、という考え方もあると思います。

 ここではトレーニング期・調整期間の例として、4分31秒の自己ベストを出した選手(女性)のレース1か月前の練習メニューを紹介します。

4週間前~

曜日 練習メニュー
1500m記録会 4'40"58
8.2kmjog (4'52"/km)
Off
8kmjog (4'44"/km)
1000m×3 R:3min (調整練習)
3'23 3'21 3'18
Off
5kmjog + 100m×2

3週間前~

曜日 練習メニュー
5000m記録会 17'15 (PB)
Off
11kmjog (4'46"/km)
200m(30"-31")×7 R:200walk
9.1kmjog (4'56"/km)
Off
400m(70"-72")×4×2 r:400jog R:8min

2週間前~

曜日 練習メニュー
9.3kmjog (4'45"/km)
10.2kmjog (5'01"/km)
Off
1000m×4 R:200walk
3'29 3'28 3'27 3'25
8.3kmjog (4'51"/km)
Off
2000m(6'48) + 300m(51"-52")×7 R:100walk

1週間前~

曜日 練習メニュー
11.1kmjog (4'51"/km)
8kmjog (5'12"/km)
Off
1000m×3 R:200walk (調整練習)
3'31 3'30 3'27
5.2kmjog (4'55"/km)
5.7kmjog + 100m×3
1500m記録会 4'31"76 (PB)

 改めて見返してみるとインターバルに偏っており、ペース走にあたる練習がないことに気づきました。

 暑い時期だったので長い練習を避けていたこともありますが、もう少しバランス良く取り入れれば、さらに効率的なトレーニングになると思います。

1500mのペース配分

 イーブン(一定のペース)で走った場合のラップタイムは以下の通りです。

目標タイム 4分30秒 5分00秒 5分30秒
400m 72秒 80秒 88秒
800m 2分24秒 2分40秒 2分56秒
1000m 3分00秒 3分20秒 3分40秒
1200m 3分36秒 4分00秒 4分24秒

 経験的には、1周目は表のタイムよりも1〜2秒速く入ったほうが良いタイムが出ることが多いです。

 ただし、その場合は2周目にラップを大きく落とさないことが大切です。2周目が落ちてしまうと、その勢いで3周目も遅くなってしまうことが多いからです。

 イーブンペースで走った場合の2周目の通過タイムは覚えておき、そこから遅れないようにすることが大切です。

 5分00秒のペースは100mあたり20秒なので、計算しやすいと思います!

 1000mまでは力まずにペースを維持し、ラスト300mあたりからペースを上げることができれば理想です。

シューズ・スパイクの選び方

 1足目にはシューズ、または柔軟性の高い(シューズに近い)スパイクがおすすめです。

 また、公認レースの規定(2024/11〜)で厚さが20mm以下のものを選ぶ必要があります。

 スパイクは基本的にクリアしていますが、シューズは大半が20mmを超えているので、購入前に確認しておく必要があります。

 柔軟性が高いスパイクというのは、プレートが柔らかく、かつ全域に配置されていない構造のものが多いです。

 初めの1足としてエフォート(Asics)・エックスファースト(Mizuno)あたりが定番ですが、このようなスパイクを選んでおけば間違いありません。

▼定番スパイクは入部後に購入の案内が来ることも多いと思います!

 このようなスパイクは土トラック兼用のものが多いですが、オールウェザートラック(タータン)使用時はスパイクピンを取り替える必要があります。

 逆に、硬めのプレートを内蔵した中〜上級者向けのスパイクは、曲げるためにパワー(スピード)が必要です。

 はじめは浮いた走りになってしまい性能を活かせず、怪我につながることもあるので、1足目に購入することは避けたほうが良いです。

 1500m向けのシューズ・スパイクは以下の記事にまとめているので、参考にしてみてください。

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