北海道マラソンの特徴│平均タイム、完走率、気温の影響は?
★2022/12/11更新:2022年大会の結果を反映しました★
毎年8月に開催される北海道マラソンについて、平均タイム・完走率・気温の影響など様々な観点から特徴を解説します。
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1~3月 | |
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7~9月 | |
10~12月 |
大会概要
- 開催日:2023/8/27
- スタート時刻:8時30分(第1ウェーブ)、8時45分(第2ウェーブ)
- 制限時間:6時間15分(第1ウェーブ)、6時間00分(第2ウェーブ)
- 参加料:16,500円
- 定員:20,000人
- 完走率:89.5%
- 完走難易度:★★★☆☆(気温が高い)
- コース難易度:★★☆☆☆
2023年大会の情報
真夏に開催される貴重な大会です。2022年大会より制限時間が約5時間から6時間15分(最長)に拡大、定員も17,000人から20,000人まで拡大されました。
制限時間の拡大により完走難易度は一気に下がったものの、真夏に開催されることには変わりはないためタイムは少し出しづらいです。
2023年大会から、スタート時の混雑緩和のためにウェーブスタートが導入されました。人数は第1ウェーブが約11,000人、第2ウェーブが約9,000人です。
さらにスタートブロックの整列に実績タイムが採用され、有効期間内に3時間30分00秒(グロスタイム)以内の公認記録(提出要)を出したランナーが優先されるようになりました。
コースの特徴・高低差
大通公園からスタートし、まずは南に5kmほど進みます。ここまで30mほど上っていますが、ほとんど気にならない程度の傾斜です。
その後北に進み、8km辺りから創成トンネルの中を走ります。約1kmあり、GPSウォッチが機能しなくなる場合があります。
トンネルを出た後、2019年までは北8条通で左折して札幌中心部に向かいましたが、新コースでは東京五輪のコースと同様に直進します。
15km手前で前と同じコースに戻り、20km手前で長過ぎる新川通に入ります。
新川通は往復13kmを真っ直ぐ進む上に景色にも特徴がなく、メンタルが試される北海道マラソンの名物でもあります。
終盤の38km辺りから緑豊かな北海道大学の構内を走り、大通公園に戻ってゴールとなります。
全体を通して起伏が少なく、非常に走りやすいコースだといえます。
関門を通過するためのペース
関門の制限時間とペースは以下の通りです。
距離 | 制限時間 | ペース |
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1.2km | 0:30 | 25'00"/km |
5.0km | 1:00 | 12'00"/km |
10.0km | 1:40 | 10'00"/km |
15.0km | 2:20 | 9'20"/km |
20.0km | 3:00 | 9'00"/km |
25.0km | 3:40 | 8'48"/km |
30.0km | 4:20 | 8'40"/km |
35.0km | 5:00 | 8'34"/km |
40.0km | 5:45 | 8'37"/km |
41.5km | 6:00 | 8'40"/km |
Finish | 6:10 | 8'46"/km |
制限時間内にゴールするためには8'30"/km(約7.0km/h)のペースで良く、そんなに速いペースではありません。
仮に7'00"/km(8.6km/h)のペースで30kmまで走れば、残りを歩いたとしてもギリギリ制限時間には間に合います。
制限時間が5時間の頃は30kmから歩いたらゴールは絶望的だったので、6時間10分に拡大された恩恵は結構大きいです。
このため、完走を目標とするなら30kmまでは頑張って走ることをおすすめします。
平均タイムとタイム分布
2012年〜2019年、2022年大会の108,290人の全記録を収集しました。平均タイム(グロスタイム)と完走率は以下の通りです。
年度 | 平均タイム(男子) | 平均タイム(女子) | 完走率 |
---|---|---|---|
2022 | 4:33'41 | 4:51'27 | 89.5% |
2019 | 4:10'49 | 4:23'03 | 84.5% |
2018 | 4:13'49 | 4:25'09 | 81.2% |
2017 | 4:15'25 | 4:25'02 | 80.7% |
2016 | 4:13'33 | 4:25'17 | 78.1% |
2015 | 4:14'00 | 4:23'36 | 82.4% |
2014 | 4:12'28 | 4:23'01 | 78.9% |
2013 | 4:11'11 | 4:21'06 | 87.5% |
2012 | 4:15'09 | 4:25'07 | 78.8% |
制限時間は2019年までが5時間、2022年が6時間10分。2020~2021年は中止。
2019年までの平均タイム(グロスタイム)は男子が4時間10分台、女子が4時間20分台に収まっていましたが、2022年は制限時間が1時間10分拡張された影響で、男子は4時間33分41秒、女子は4時間51分27秒となりました。
ちなみに2022年大会のネットタイムの平均は男子が4時間28分31秒、女子が4時間44分36秒でした。グロスタイムとの差は5~7分程度なので、スタート時にさほど混雑はしていないと思われます。
完走率は2019年までは80%前後でしたが、2022年では89.5%と高くなりました。しかし、暑さの影響があるため他の大会の完走率と比べると低めです。
2022年大会のタイム分布は以下の通りです。縦軸は割合(相対度数)、横軸はタイム(5分刻み)です。
男子は4時間~6時間でフィニッシュしたランナーの割合がほとんど同じで、幅広いランナーが出場していることが読み取れます。
女子は4時間55分~5時間00分でフィニッシュしたランナーが極端に多く、5時間切りを目標にしていたランナーが多かったと思われます。
また、サブ3(3時間切り)達成者の割合は、男子が4.6%、女子が0.7%でした。サブ4(4時間切り)達成者の割合は、男子が30.4%、女子が16.1%でした。
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気温の影響
気温と平均タイムの関係
制限時間が5時間であった2012~2019年の気温と平均タイムの関係がこちらです。ここで、グラフの近似直線は2013年のデータを除いて計算しています。
2013年大会は正午頃に豪雨になり、気温が急激に下がったため外れ値になると考えられるためです。
2013年を除けば、気温が上がるほど平均タイムは落ちているように見えます。近似直線では、気温が1℃上がるごとに平均タイムは17秒落ちる計算になりました。
気温と完走率の関係
気温と完走率の関係がこちらです。平均タイムのときと同様に、近似直線は2013年のデータを除いて計算しています。
当然ながら、気温が上がるほど完走率は低くなっているように見えます。近似直線では気温が1℃上がるごとに完走率は0.2%下がる計算となりました。
仮に15,000人出走したとすると、気温が1℃上がるごとに完走者が30人減ることになります。
まとめ
北海道マラソンの特徴は以下の通りです。
- 真夏に開催される貴重な大会
- 起伏が少なくて走りやすい
- 20km〜33kmはひたすら真っ直ぐ走る
- 制限時間が6時間10分まで拡大され完走難易度が下がった
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