大阪国際女子マラソン6年分の記録を分析!関門、完走率、平均タイムは?
★2023/1/29更新:2023年大会の結果を追記しました★
大阪国際女子マラソンの6年分(2018~2023)の全記録を収集し分析しました。完走率、平均タイム、タイム分布などを紹介します。
フルマラソンの記事リンク
1~3月 | |
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4~6月 | |
7~9月 | |
10~12月 |
大会概要
- 開催時期:1月最終日曜日
- スタート時刻:12時15分
- 参加費:15,000円
- 完走率:79.7%
- 完走難易度:★★★★★
- コース難易度:★☆☆☆☆
2023年大会の情報
厳しい参加標準記録を突破したランナーのみ出場できるハイレベルな大会です。このため、完走者は毎年300~400名程度と少ないです。
参加料は15,000円と大規模な大会としてはお手頃です。さらに、2時間45分以内の選手は参加料が免除されます。
参加者全員がスペシャルドリンクを用意することができ、各エイドに置くことができます。
参加標準記録
2023年大会の参加標準記録は以下の通りです。
- フルマラソン:3時間07分 (4'20"/km)
- 30km:2時間08分 (4'16"/km)
- ハーフ:1時間25分 (4'01"/km)
- 10km:36分 (3'36"/km)
この中では、フルマラソンとほとんどペースが変わらない30kmが一番簡単です。ただし公認レースは多くありません。
次に簡単なのはフルマラソンだと思います。スピード寄りのランナーならハーフの方が簡単に感じるかもしれません。
コース
ヤンマースタジアム長居(競技場)発着です。2023年大会から若干のコース変更があり、折り返しがなくなりました。
以前から高低差はほとんどありませんでしたが、2023年のコースから中間地点にわずかなアップダウンが意図的に追加されました。
普通に考えれば上る必要はありませんが、下りで自然とペースが上がるため、トップ集団が牽制でペースダウンしづらくなるのかもしれません。
同日同時間帯に開催される大阪ハーフマラソンとコースが被っており、10~15kmあたりですれ違います。
関門とペース
2023年大会の関門とペースは以下の通りです。
距離 | 制限時間 | ペース |
---|---|---|
6.0km | 0:26 | 4'20"/km |
19.4km | 1:24 | 4'19"/km |
25.7km | 1:54 | 4'26"/km |
29.4km | 2:10 | 4'25"/km |
35.9km | 2:40 | 4'27"/km |
38.9km | 2:54 | 4'28"/km |
競技者への注意事項が郵送された地点では6.0㎞地点の関門が25分(4'10"/km)と厳しい設定でしたが、多くの参加者の意見が反映されて1分延びました。
これにより一番厳しい関門は19.4㎞地点の1時間24分(4'19"/km)となりました。ただし、このペースでもフルマラソンを走ると3時間02分42秒なので、参加資格(3時間07分)ギリギリの方は前半突っ込む必要が出てきます。
19.4kmの関門を通過すればその後若干緩くなりますが、それでも余裕をもって4'20"/kmでは走りたいところです。最終関門(38.9km)が一番緩いですが、このペースでフルマラソンを走っても3時間08分44秒となります。
完走率の推移
年度 | 参加標準(フル) | 完走率 |
---|---|---|
2023 | 3時間07分 | 79.7% |
2022 | 3時間07分 | 91.8% |
2021 | 2時間50分 | 87.1% |
2020 | 3時間10分 | 89.4% |
2019 | 3時間10分 | 85.5% |
2018 | 3時間10分 | 89.4% |
2020年までは参加標準記録が3時間10分で、完走率は90%を下回るくらいでした。2021年はコロナの影響で2時間50分まで引き上げられたものの、関門も厳しくなり完走率は87.1%となりました。
2022年は通常開催に戻りましたが、参加標準記録は3時間10分には戻らず3時間07分となりました。参加者のレベルが引き上げられた影響なのか、完走率は91.8%と高くなりました。
2023年は参加標準記録は変わらなかったものの、先ほど記載したように関門が厳しくなり完走率は80%を下回りました。
平均タイム・タイム分布
2018年~2023年の6年間の全記録(1,719人)を収集した結果、平均タイムとタイム分布は以下のようになりました。2023年と2018~2022年(5年分合計)を分けて記載しています。
2023 | 2018-2022 | |
---|---|---|
平均タイム | 2時間56分38秒 | 3時間01分10秒 |
~2:30 | 4.4% | 3.7% |
~2:40 | 10.0% | 6.5% |
~2:50 | 19.9% | 14.3% |
~3:00 | 54.2% | 40.0% |
横軸はグロスタイム(2分刻み)、縦軸は相対度数
2023年大会の平均タイムは2時間56分38秒と非常にハイレベルです。中央値(中央の順位のタイム)は2時間59分41秒だったので、上位の選手のタイムに少し引っ張られています。
サブ2.5達成者は4.4%、サブ3達成者は54.2%でした。ちなみに、一般的な市民マラソンでは女子のサブ2.5達成者は0%(数名いるかいないか)、サブ3達成者は0.5%程度です。
2023年の平均タイムが2018~2022年よりも5分近く速いですが、選手のレベルが上がったというよりは関門の影響の方が大きいです。
タイム分布を見ると分かるように3時間10分以降でゴールすることが難しくなり、これにより平均タイムが引き上げられた形になります(その代わり、完走率は下がりました)。
まとめ
大阪国際女子マラソンの特徴・記録を分析した結果は以下の通りです。
- 平均タイムは2時間56分38秒とハイレベル
- 半数以上のランナーがサブ3達成
- 関門が厳しくなり完走率は80%を下回った
- コース変更で折り返しがなくなった